音読みと訓読みの見分け方~テストによく出る音と訓の一覧付き!~
音読みと訓読みの見分け方は、学校でも取り扱う時間数が少なく、きちんとした学習ができないことがほとんどです。
そのため、多くの小中学生が苦手としており、大人になってからも迷う場合が少なくありません。
そこでこの記事では、音読みと訓読みの見分け方を徹底解説してお伝えします。またテストによく出る紛らわしい読みの漢字も載せましたので、この記事にある漢字は覚えてしまうとテストでは安心できます。
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音読みと訓読みの見分け方のコツ
まず初めに、音読みと訓読みの見分け方のコツをお伝えします。
でも、ひとつだけ注意点があります。
それは、
『コツだけでは音読みと訓読みの区別は完璧にならない』 ということ。
音読みと訓読みの区別には、例外も多くあるんです…。
ですから、コツをつかんでも、漢字を覚えるときは必ず、音読みと訓読みを覚えるようにしてください。ややこしいのがテストに出ますから。
コツ①読み方で意味がわかるか、わからないか
漢字の音読みと訓読みは、日本的な読み方と中国的な読み方が混在しており、読んだだけで意味がわかるのが、日本語的読み方の「訓読み」、読んだだけでは意味がわからない漢字を「音読み」としています。
● 読んだだけで意味がわかる(日本的):訓読み
● 読んだだけでは意味がわからない(中国語的):音読み
たとえば、「林」という漢字で考えてみましょう。
● 訓読みの場合:はやし→読んだだけで意味がわかる(日本的)
● 音読みの場合:リン→読んだだけでは意味がわからない(中国語的)
日本人にとって「林(はやし)」と聞くと、森まではいかなくても、いくつかの木が生えていて自然豊かなところを指しますが、「林(リン)と」音だけで聞いても何を指しているかがわかりません。
このように、音だけで判別できるかどうかで、音読みと訓読みを判別する方法があります。
コツ②送りがなを必要とする
漢字の読み方に訓読みと音読みがあるのは、中国の漢字に日本語の読み方をつけたから。その法則で訓読み音読みを区別することもできます。
● 送り仮名を必要としない(中国的な読み方):音読み
● 送り仮名を必要とする(日本的な読み方):訓読み
漢字を例にして考えてみると、「食(た)べる」と「食(ショク)」があります。
「食べる」は送り仮名がついているので訓読み、「食」は送り仮名がついていないので音読みとなります。
先ほどの読み方と同じように、「食べる」は音だけでもわかりますが、「食」は聞いていても意味が分からないので音読みです。
ちなみに、「食(た)べる」の正確な訓読みは、「食(く)う」なので、覚えておいてください。
コツ③読み方が4字以上
読み方の文字数で区別する方法もあります。
● 訓読み:四字以上
● 音読み:三字以下
たとえば、訓読みだと「公(おおやけ)」や「志(こころざし)」といった漢字があります。
逆に音読みで考えてみると、「公(コウ)」「志(シ)」となり、三文字以下なので音読みです。
コツ④ウンチクキツイの覚え方
音読みか訓読みを覚えるときに、ウンチクキツイといった言葉を聞いたことはありませんか?
これは、末尾の二拍目がウンチクキツイに該当するかどうかによって、音読みか訓読みかを判別できる方法です。
二拍目というところが覚えるポイントで、末尾の2文字目で判別するわけではない点に注意しましょう。
ウンチクキツイを判別する前に、この二拍がどういったものかを確認しておきます。
● あす:二拍目は「す」
● きょう:二拍目は「う」
● はっぴょう:二拍目は「つ」
このように、「ゃゅょ」の拗音は拍に数えず、「っ」の促音は拍に数える点に注意しましょう。
ウンチクキツイの見分け方
● 末尾の2拍目がウンチクキツイ:音読み
● 末尾の2拍目がウンチクキツイ以外:訓読み
たとえば、先ほど紹介した「林(リン)」は二拍目が「ン」なので、音読みとすぐに判定できます。
ちなみに、拗音「ゃゅょ」が含まれていると音読みになる点も、あわせて覚えておいてください。
ただ、この判別方法は、確実に全ての漢字に当てはまるわけではない点には、くれぐれも注意が必要です。
たとえば「雪(ゆき)」はウンチクキツイにあてはまりますが、音だけで聞くと簡単に見分けがつくので、訓読みとなります。
そのため、あくまで、判別する方法のひとつでしかないと考えておきましょう。次の項目からは『ウンチクキツイ例外一覧』など、テストによく出る音読み訓読みをのせておくので、これはもう覚えてしまってください。その方がテストでは確実です。
テストによく出る!
ここからは、「テストによく出る!」または「まぎらわしい」音読み訓読み等を紹介しておきます。あれこれ悩むより、覚悟を決めて覚えてしまいましょう。
【うんちくきつい例外】二拍目が「うんちくきつい」なのに訓読み
秋 あき 息 いき 粋 いき 幾 いく 市 いち 五 いつ 内 うち 沖 おき
奥 おく 貝 かい 柿 かき 神 かん・こう 口 くち 靴 くつ 恋 こい
先 さき 隙 すき 背 せい 関 せき 滝 たき 竜 たつ 月 つき 土 つち
時 とき 栃 とち 問 とん 夏 なつ 何 なん 新 にい 軒 のき 後 のち
灰 はい 蜂 はち 初 はつ 縁 ふち 舞 まい 牧 まき 巻 まき 町 まち
街 まち 松 まつ 道 みち 餅 もち 夕 ゆう 雪 ゆき 宵 よい 八 よう
脇 わき 枠 わく
重箱読みと湯桶読み
重箱(ジュウばこ)読みと湯桶(ゆトウ)読みは、音読みと訓読みの漢字が熟語の中でどのように配置されているかを判別する方法です。
● 重箱読み:音読み→訓読み 「ジュウ」音読み 「ばこ(はこ)」訓読み
「音-訓」の順で読む熟語は「重箱読み」
● 湯桶読み:訓読み→訓読み 「ゆ」訓読み 「トウ」音読み
「訓-音」の順で読む熟語は「湯桶読み」
どちらも名称にヒントが隠されているため、覚えておくとテストでも簡単に点数が取れます。
訓読みどうし・音読みどうし
訓読みどうしと音読みどうしの見分け方も、テストによく出ます。
出題の中には、和語か漢語かを判別する問題も出題されますが、訓読みと音読みの成り立ちを押さえておけば簡単です。
● 訓読みどうし:日本語的な読み方どうしの組み合わせなので、和語
● 音読みどうし:中国的な読み方どうしの組み合わせなので、漢語
このように判別するといいです。
テストによく出る音読みと訓読み
間違いやすい音読みと訓読みを区別できるようにしておきましょう。漢字を見て、読みと訓読みを言えるようにしておくと、テストでラクラク解答できるので安心です。
漢字 音読み 訓読み
山 サン やま
川 セン かわ
原 ゲン はら
関 カン せき
野 ヤ の
駅 エキ うまや
荷 カ に
王 オウ きみ
六 ロク・リク む
とくに、「駅(エキ)」や「六(ロク・リク)」といった漢字は、音読みでの使い方が日本で定着しているため、テストで引っかからないようにしてください。
まぎらわしい読み方の見分け方
① 送り仮名がでる読み方→訓読み
※日本で漢字に読み方をつけたので送り仮名がある。
②「ン」が最後につく読み方→音読み
※日本語ではない。「ン」の読みは古語(古事記・万葉集)にはない。
例
本(ほん)
耳で聞いて意味が分かりやすいが、「ン」で終わっている→音読み
③「拗音〔ようおん・小さいャュョ〕」が入っている→音読み
※日本語ではない
例
客(きゃく)
耳で聞いて意味が分かりが、「ゃ」が入っている→音読み
テストによくでる間違えやすい音読み
本(ホン)天(テン)番(バン)客(キャク)図(ズ)
陸(リク)王(オウ)台(ダイ)曲(キョク)字(ジ)
役(ヤク)肉(ニク)駅(エキ)愛(アイ)絵(エ)
テストによくでる間違えやすい訓読み
原(はら)相(あい)身(み)場(ば)屋(や)
関(せき)夕(ゆう)路(じ)野(の)荷(に
音読みと訓読みの見分け方はテストでは重きをおいていない。時間を使わず1日か2日でマスターして
音読みと訓読みの見分け方は、苦手な中学生が多いのですが、幸い受験や実力テストであまり重視されていません。
ですから、暗記に時間を使わず1日か2日でマスターして、国語の勉強なら読解問題を中心に取り組んでいきましょう。
とは言え、漢字の読み方は一生付き合いのあることですから、今のうちにマスターしておけば、大人になってから困ることがありません。教養磨きとして覚えていきましょう。