「家で全然勉強しない」不登校の子どもが勉強を再開できるサポ―ト法
お子さんが不登校になってしまうと、気になるのが「不登校なのに家でぜんぜん勉強しない」こと。
学校に行かず授業を受けていないのだから、自主的に勉強してくれたら安心なのですが…、普通に元気な子でも勉強はおろそかになってしまいがち。不登校の子は「もう何もしたくない」と気力を失っている場合がほとんどなので、勉強には見向きもしないケースが多くあります。
ですが、今は不登校でもいずれは進学したいし、中3になってから内申点のことを気にしても、手遅れで手が打てない可能性が高まってしまいます。
そこで今日は、不登校の現状について説明しながら、親御さんが不登校の子どもの学習を支え、勉強環境を整える方法などを解説していきます。これを読むと、「家で全然勉強しない」不登校の子どもが勉強を再開し、親御さんと新たな信頼関係を構築するようになる方法がわかりますので、ぜひ最後までお読みください。
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不登校の現状について
現在、学校のクラスの3人にひとりは不登校か、不登校予備軍の子たちで、不登校は当たり前のような現象になっています。そして不登校の子どもは毎年増え続けているのです。
2022年度の不登校の小中学生はおよそ30万人と前年度から22%増え、過去最多です。
全国の小・中学校から報告のあった不登校の子どもの数は合わせて29万9048人。前年度から5万4108人=22.1%増え、10年連続で増加しているという、前代未聞の状態になっています。※文部科学省の調査
このように、不登校の子どもの年々増加傾向にあり、その先にはさまざまな課題が立ちはだかっていると言えます。
不登校の子が抱える問題とは?
不登校になってしまう子は、メンタルの問題、複雑な家庭環境、学習の困難さ、いじめ、友人関係の問題などを複数抱えています。そして、不登校になってしまうと、例外なく心を傷つけてしまっているので、子どもの気持ちに寄り添ったサポートが必要になります。
不登校の子どもを持つ親御さんは、この現状を理解して、お子さんに合ったサポートの方法を見つけていくことが重要です。
なぜ不登校の子どもは家で全然勉強しないの?
不登校の子どもが勉強しない理由は多岐にわたり、一概に言えない場合もありますが、ここでは一般的な問題を紹介していきます。
まずは、不登校の子が勉強しない大きな理由2つを解説し、その後、その他の理由も簡単に紹介していきます。
2つの大きな理由【勉強のやり方を知らない】【勉強がわからない】
不登校の子が勉強しない場合、大抵はこの2つの理由から勉強がはかどらず、イヤになっていることが多いです。
・勉強のやり方を知らない
・勉強がわからない
・勉強のやり方を知らない
勉強が苦手な子の場合、どうして勉強が苦手になってしまったのか原因を考えていくと、結局は勉強のやり方を知らないことにあります。
やり方を知らず、自分流で勉強しているので苦労した割には結果が出ず、勉強に嫌気がさしてしまうのです。
そのようなことが積み重なっていくと「勉強が苦手」「勉強なんか大嫌い」となってしまいます。
・勉強がわからない
勉強のやり方を知らないと効率的な勉強ができず、勉強が遅れがちになります。勉強にはつながりがあるので、一度つまずいてしまうと、わからないところがどんどん膨れ上がっていく一方になってしまいます。
その他の理由③もうヘトヘトで何もしたくない
不登校の子どもは、心身ともに疲れ切ってしまっていることがよくあります。学校でのストレス、人間関係の悩み、勉強の遅れや不安が重なり、家にいるだけでも疲労感が募り、「もう何もしたくないとい」「もう動けない」と感じてしまいます。
この「ヘトヘト」な状態は、体力的な疲労だけでなく、精神的な疲労も大きな原因となっています。
精神的な疲労があると、エネルギーを消耗させ、何かをする意欲を奪ってしまいます。その上、不登校になってしまったことで、自分に対して強いプレッシャーを感じ、自己肯定感をグンと下げてしまいます。
その結果、「もうこれ以上頑張れない」「何もしたくない」という気持ちが強まり、勉強だけでなく、他のことに対しても動けなくなってしまいます。
その他の理由④昼夜逆転しているのでやる気がでない
不登校の子どもは、多くが昼夜逆転の生活に陥っているので、それが心と体に大きな影響を与えます。昼夜逆転の生活が続くと、体内時計が狂い、疲労が蓄積しやすくなります。結果として、日中に眠気や倦怠感を感じ、勉強に対するやる気が起こらなくなることが多いです。
昼夜逆転の生活は、勉強だけでなく、生活全般においても悪循環を生み出します。昼間に活動することが少なくなるため、外に出る機会も減り、運動不足や孤立感が強まり、ますます内向的になってしまいます。
また、親や家族とのコミュニケーションも取りづらくなり、心のバランスが崩れがちです。このような状況が続くと、やる気を出すことが難しく、勉強に取り組む意欲を持つことができなくなります。
その他の理由⑤どうせ自分なんかやってもできない
不登校の子どもは、学校での経験や人間関係のトラブルによって、自己肯定感が低下していることが多いです。自分に自信が持てないため、勉強に対しても「どうせやっても無駄だ」という感覚を持ってしまうことがあります。
その他の理由⑥ストレスや不安感から集中できない
学校に行かないことで、友達や先生との関係が途切れることから、孤立感や不安感が増し、勉強に集中できないことがあります。また、将来への不安が大きくなると、勉強に手がつかなくなることもあります。
その他の理由⑦勉強の内容に興味がない・勉強する意味がわからない
長期間学校から離れていると、勉強に対する興味やモチベーションが低下することがあります。特に、学校での学びに対する意義を見出せなくなると、勉強する意味を感じなくなってしまうことがあります。
「家で全然勉強しない」不登校の子どもに親御さんしかできないサポート
勉強しない不登校のお子さんに、親御さんしかできないサポートがあります。それは、親御さんの愛情をお子さんに伝えていくことです。
今まで親御さんとしては、大切なお子さんに、できるだけの愛情をかけてきたと思います。でも、思春期のお子さんには伝わってない場合が多いのです。
不登校はお子さんに親御さんの愛情を伝え直していく、よい機会だととらえていただくと、お子さんとの信頼関係をさらに構築していけます。
無理に勉強をすすめず一緒の時間を過ごす
大人から「勉強しなさい」とうるさく言われても、子どもは反発心が湧くだけです(大人だって、わかっていることを人から言われるとカチンときますよね)。
親子の信頼関係を深めるためにも、一緒に過ごす時間をたくさん作りましょう。お茶を飲んでおしゃべりするだけで、親子関係はグングン深まります。
このような時間を過ごし、子どもが安心感を持てるようになれば、自分のことは自分でできるようになります。
一緒に勉強する
いつも勉強机に座ってばかりでは、飽きてしまいます。親子の時間を過ごすためにも、リビング学習をすすめて、親子で一緒に勉強しましょう。親御さんは好きな本を読んでもいいし、お子さんと一緒に問題を解いてみるのも楽しいです。
規則正しい生活リズムをつくる
学習習慣を身につけるためには、規則正しい生活をおくることが重要です。そのために起床時間、食事の時間、勉強の時間などを決め、一日のスケジュールを立ててしまいましょう。勉強することが一日の習慣になってしまえば、机に向かうのも苦にならなくなります。
朝起こす、気持ちが盛り上がる食事やおやつを用意してあげること等は、親御さんにしかできないことです。
親御さんが楽しく生活する
子どもは親の後ろ姿を見て成長します。お子さんのお手本をなれるよう、ハツラツと楽しく前向きに生きることを強くお勧めします。
たとえ、嫌なことや辛いことがあっても、決してお子さんの前でネガティブな発言や、疲れている様子をみせるべきではありません。
親御さんだって人間ですから、そんな場合もあることはよくわかります。ですが、子どもの憧れの存在になるのが、大人の一番大切で重要な役割です。
「家で全然勉強しない」不登校の子どもが勉強を再開できるステップ
勉強を再開できるようになるには、不登校になる程ヘトヘトに疲れ切っているお子さんが、どれだけ元気を取り戻せたか、今の状態をしっかりと見極めることが重要です。親御さんは次のステップを参考に、お子さんの様子を判断していってください。
1. 落ち着いついてリラックスできている
お子さんが家であれば、安心して過ごせる状態になっているかを確認しましょう。家庭内にリラックスできる環境がある、外部のストレスは少ないこと等も確認してみてください。
2. 生活リズムが取り戻せてきている
日常生活のリズムが整っているかどうかをチェックします。睡眠時間が安定し、起床や就寝の時間が一定していることが目安です。
これは、完璧にできていなくても、例えば、朝も夜も親御さんの声かけでリズムが安定しているとしても、それを目指し前進しているのなら良いと言えます。
3. 友人や家族とおしゃべりができてきる
家族や友人、あるいは信頼できる大人とコミュニケーションが取れているかを確認してみましょう。不登校当初は孤立感が非常に強いので、それが少しずつ和らいできていることを確かめてください。
4. 興味あることなら出来るようになった
疲れ切って「もう何もしたくない」と寝込んでいたお子さんが、例えゲームやスマホだとしても、少しでも興味を示すようになれば、一歩前進です。
「ゲームなら夢中になってやっている」状態なら、元気を回復できてきたと言えます。
5. 少し勉強のことを気にしている様子がある
例えばお子さんが「勉強遅れちゃってるよなぁ…」と、つぶやくようであれば、勉強を再開できる合図です。
ただし、軽い負担で取り組める課題(例えば、一日5分漢字の書き取りをする等)を提案し、それに対して抵抗感が少ないかどうかも確認してください。
これらのステップを通じて、「ちょっとずつならやれるかも?」と親御さんが感じれば、無理のない範囲で勉強を再開させると良いでしょう。
「家で全然勉強しない」不登校の子どもが勉強を再開できるきっかけ
不登校の子は、何かしらのきっかけを通じて、少しずつ勉強に取り組むようになるケースが多いです。とは言え再開のタイミングは子どもによって異なるので、なかなか再開できなくても、焦らず見守りましょう。
またいろいろなことを体験すると、その体験や経験を通じて、お子さんなりに何かをつかむことが多いので、親御さんは、お子さんに体験や経験の機会を作ってあげるとよいです。
1. 小さな成功体験を沢山褒められた!
子どもは勉強以外のことで成功体験を積み、自信を回復させることがあります。例えば、家事を手伝って褒められた、趣味で何かを成し遂げたなど、ゲームがクリアできた等、小さな成功体験と達成感が勉強への意欲に繋がることがあります。
親御さんはお子さんの様子をよく観察し、少しのことでも「頑張ったね!」「凄いね!」とたくさん褒めてあげてください。
2. 信頼できる大人と出会えた!
家族や学校の先生、カウンセラー、家庭教師など、子どもが信頼できる大人との出会いや信頼関係の構築ができると、安心感が生まれ、その結果として勉強を再開することが多いです。このような大人の存在は、不登校の子どもにとって大きな支えになります。
3. 具体的な目標や夢ができた!
自分が将来やりたいことや興味を持つことができると、勉強の必要性を感じて自然と勉強を始めることがあります。例えば、ゲームクリエイターになりたいから数学を勉強する必要があるといった具体的な目標が生まれれば、親御さんが勉強しないことにヤキモキすることはなくなります。
4. 環境が大きく変化した!
環境が変わることが勉強再開のきっかけになることは多くあります。例えば、学校を転校する、新しい習い事を始めた等、新たな出来事があると、新たな気持ちで勉強を始めることがあります。
「家で全然勉強しない」不登校の子どもの悩み別・勉強再開の方法
勉強の悩みは様々です。そこで、勉強の悩みをタイプ別に分け、勉強再開の方法を紹介していきます。
自分ひとりでは勉強できない
勉強が苦手な子は、大抵の場合、自分ひとりでは勉強できません。なぜなら、わからないことがあると、そこで勉強が止まってしまい、その先へ進むことができなくなってしまうからです。
そんな場合は以下の2点を試してください。
・教科書を読む
テストで高得点するための知識は、すべて学校の教科書に書いてあります。ですから、まずは教科書を読みましょう。一度でわからなければ、何度でも読んでください。少しずつ、何が書いてあるのか理解できるようになります。
・わからないところは戻る
今の自分の知識では問題が解けなければ、わかる所の単元まで戻りましょう。少しでもわからないと感じたら、前の単元、その前の単元と戻って勉強すると、わからなかった問題もいつの間にか解けるようになります。
集中できない
勉強に取り掛かっても、すぐに気が散ってしまう場合があります。せっかく勉強する気になれたのに、こんなにっもったいないことはありません。やりたくない勉強を1分でも早く終わらせるために、次の2点を試してください。
・スマホ等は親に預ける
今時はスマホがないと生きていけないような気持ちになってしまいますよね。でもそんなことはありませんから、勉強する数分~数時間は親に預けてしまいましょう。勉強が終わったら思いっきりスマホで遊べると思えば、勉強にも気合が入ります。
・部屋を片付ける
勉強中に大好きなゲームやマンガが目に入ってしまうと、誰だって集中できません。ですから、勉強する前に部屋や机まわりを片付ける習慣をつけましょう。片付けをしている間に「よーし、やるぞ!」とやる気も高まってくるので一石二鳥です。
勉強する意味がわからない
思春期だからこそ、いろんなことを考えるようになります。「これをやることにどんな意味があるんだろう?」と自分で納得できないことには、当然、身が入りません。そんな場合は、親子で「勉強の目的」や「勉強して得られること」を話し合ってみましょう。自分なりの「勉強する意義」をつかめると、将来設計まで考えられるようになります。
問題が自分ひとりでは解けない
どんなに前の単元まで戻っても、自分ひとりでは勉強が進まない子もいるでしょう。それが当たり前ですから、それについて罪の意識は持たないでください。
このように、勉強が思うように進まないことで、罪悪感を高めてしまう子どもは多いので、そんな場合は勉強のプロにサポートを依頼してみましょう。あれこれ悩むより、勉強のテクニックを教わって自分ひとりで勉強ができるようになってしまえばいいのです。
勉強のプロに依頼するのはお金もかかりますから、親御さんは以下のような場所を検討してあげてください。
個別指導塾
家庭教師
適応指導教室や教育支援センター
フリースクール
やる気が出ない
やる気が出ない原因はいくつかあるので、ここもタイプ別に解決法を紹介しておきます。
◆なんだかダルイ・・・・好きなだけ休んで体力を回復する
不登校になってしまう子どもは、不登校初期には、もう動けないほど疲れ切っています。また、体力が回復したように見えても、学校にいっていないことで体力がなくなっている場合もあります。無理せず自分のペースでやればいいことを知ってください。
◆勉強がぜんぜん面白くない・・・・興味のあることから学習を始める
テストのための勉強をするのもよいのですが、本来、学びとは「どうしてだろう?」と疑問や興味を持ったことを探求していくものです。ですから、自分はどんなことが好きで興味があるか、博物館や科学館、美術館などへ出かけてみましょう。ふと立ち寄った展示会に、人生を変えてしまうほどの興味対象が眠っているかも知れません。
「家で全然勉強しない」不登校の子どもには、親御さんが寄り添い一緒に歩いていきましょう
不登校の子どもが勉強しない理由は多岐にわたりますが、大きく分けて「勉強のやり方を知らない」ことと「勉強がわからない」ことが挙げられます。勉強のやり方が分からず、効率的に勉強が進まないので、勉強自体が嫌いになることが多いです。また、心身共に疲れている状態や昼夜逆転の生活、自己肯定感の低下も勉強に取り組めない原因となります。
不登校の子どもに対して、親ができるサポートとしては、無理に勉強を促すのではなく、まずは一緒に時間を過ごし、親子関係を深めることが大切です。一緒に勉強することで、安心感を与えると同時に、親御さん自身が楽しく生活する姿を見せることで、子どもにポジティブな影響を与えることができます。また、規則正しい生活リズムを作ることも、勉強の再開に向けた重要なステップです。
勉強を再開するためには、まず子どもがどれだけ元気を取り戻しているかを見極めることが重要です。お子さんはリラックスできているか、リラックスできる環境はあるか、生活リズムを整えようとしているか、家族や友人とおしゃべりできているか、興味のあることならやれているか等を確認し、「できてるな。これなら大丈夫かも?」と親御さんが感じれば、少しずつ勉強を再開させると良いでしょう。
また不登校の子どもが勉強を再開するきっかけは、『小さな成功体験を積み重ねることで自信を回復できた』『信頼できる大人との出会えた』『具体的な目標や夢を持てた』『転校や新しい習い事など環境の変化があった』等がありますが、子どもは体験を通じてきっかけをつかむことが多いので、親御さんはお子さんに体験の機会を作ってあげてください。
不登校の子どもが勉強を再開する方法も、勉強の悩み別にいろいろあります。
『勉強のやり方が分からない場合は、教科書を読み、分からないところをさかのぼる』『集中できない場合は、スマホを親に預けたり、部屋を片付ける』『勉強の意味が分からない場合は、親子で「勉強の目的」について話し合う』『自力で問題が解けない場合は、家庭教師や個別指導塾に頼る』『やる気が出ない場合は、体力回復や興味のあることから学習を始める』など、お子さんにあったやり方が見つかるまで、試行錯誤してみてください。
これらの方法をお子さんひとりでやるのは、とても無理です。親御さんがお子さんを支えてあげるからこそ、実行していけるものです。どうか、お子さんに寄り添って、一緒に歩んであげてください。