お子さんの不登校に悩んでいる親御さんの方の中には、子どもが「人が大勢いるところではすぐに疲れてしまう」「人が怒っている声が苦手」「ちょっとしたことで傷付く」といったことに思い当たる方もいるのではないでしょうか？

HSCとは、人よりも刺激に対して敏感な子どものことを指します。HSCの子どもは、その性質から学校に登校することがストレスに感じることが少なくありません。今回はHSCの概要や不登校との関係、HSCの子どもとの関わり方についてご説明します。

HSCとは？

HSC（Highly Sensitive Child）は、「感受性の高い子供」という意味で、一部の子どもたちは、特に繊細で感受性が高い性格を持っています。子どもはいろいろなものを感じてしまうので、それが長時間続いてしまうと、疲れやストレスの原因となります。

HSCの特徴

刺激に敏感に反応する

HSCの子ども達、音、光、香り、触覚など、さまざまな刺激に対して非常に敏感です。騒音や強い香り、明るい光などは子どもにとってストレスで、不快感を覚えることがあります。

感情の深さ

HSC の子どもは感情が豊かで、他の子どもよりも感情を強く感じます。喜びや興奮、怒りや悲しみなど、感情が非常に強く表れます。

警戒する

新しい状況や環境に適応することが難しいことがあり、初めての場所や新しい人々との出会いに対して警戒心を示すことがあります。

情報処理の深さ

HSC の子どもたち情報を深く考える傾向があり、物事を熟考し、洞察することができます。しかし、情報の過剰な処理によって、ストレスを感じることもあります。

これらの特徴は、HSCの子どもが外部の刺激や状況に対して過度に反応し、疲れやストレスを感じる原因となることがあります。親や周囲の大人は、子どもの個性を尊重し、彼らが正しいサポートを受けられるよう、この特徴を理解することが重要です。

HSCは生まれ持った気質

HSCの子どもは、神経系がより敏感に働いており、刺激に対して通常の子どもよりも強く反応する傾向があります。また、HSCの親が子どもをもつと、その子どももHSCの特徴を持つ可能性が高まることがあります。

ただし、生まれつきの気質や性格の特徴は、環境や養育にも影響を受けることがあります。ただし、HSC自体が生まれつきの気質であることに変わりはありません。

不登校の原因はHSCが原因かも？

HSCの子どもは、その敏感な体質からストレスや疲れを感じやすく、そのため不登校になりやすいと言われています。その理由となる気質を紹介します。

過敏性

HSCの子どもは、感覚が普通の子どもよりも鋭敏で、外部からの刺激に敏感に反応します。これにより、過度な刺激や環境の変化に対し、不安やストレスを感じやすくなりますます。

感受性

HSC の子どもは、他の人の感情や状況に対して特に敏感です。他人の感情を強く共感し、他人の気持ちを理解しようとします。これが、他の子どもたちとの関係をギクシャクさせることがあります。

内向的

HSC の子どもは内向的で、新しい環境や社交的な場面に対して抵抗を感じることがあります。

集中力

HSC の子どもは、細部に注意を向ける能力が高く、注意深い観察力を持っています。このため、疲れやすいです。

これらの特性が、学校環境や社会的な圧力に対処するのが難しいと感じさせ、不登校の原因になることがあります。

例えば、HSCの子どもは学校からの指令や命令に自分が対応できない場合、不安や罪悪感を持ってしまいます。また、環境の変化や刺激過多に対する過敏性が、学校でのストレスを増幅してしまうこともあります。

HSCの対処法

HSC（Highly Sensitive Child）の子どもには、以下のような対処法が役立つことがあります。ただし、個々の子どもに合わせてアプローチを調整することが大切です。

理解と受容

HSCの特性を理解し、受け入れることが第一歩です。子どもが感じる過敏性や感受性は、彼らの生まれつきの特性であり、否定的に捉えるのではなく、肯定的に受け止めましょう。

安定した環境

安定した環境を提供しましょう。HSCの子どもは変化に敏感で、安心感を持てる環境が必要です。予測可能な日常生活を整え、安心感を提供しましょう。

感情の表現

子どもが感情を表現できる場を提供しましょう。感受性が高いため、感情をうまくコントロールするのが難しいことがあります。感情を自由に表現できる場を作り、コミュニケーションできるようにしてあげましょう。

休息とリラックス

HSCの子どもは、刺激に過敏に反応してしまうので、すぐに疲れてしまいます。小まめに休憩を取らせ、リラックスできる環境や、リラックス法を身につけましょう。

プライバシーと個人空間

HSCの子どもは、他の人と比べて個人的な空間を求める気持ちが高いことがあります。プライバシーを尊重し、彼らが自分の時間を過ごせる場所を提供しましょう。

感受性を活かす

HSCの子どもは創造的で、感受性を活かす場を求めています。絵画、音楽、文学など、彼らの才能を伸ばす活動をサポートしてあげると、自信をつけるのに役立ちます。

学校との連携

学校とのコミュニケーションを大切にしましょう。先生に相談し、子どもの特性を理解してもらい、学校生活が快適に送れるよう、サポートしてもらいましょう。

最も重要なのは、子どもの個性と感受性を尊重し、受け入れることです。HSCの子どもは特別なサポートが必要な場合もありますが、それよりも、愛情と理解の基盤が彼らの成長と発達を支えます。

HSCが原因で不登校になってしまった子に親御さんができること

HSCの子どもが不登校になってしまった場合、親御さんができることは以下のような方法です。これらの方法は、HSCの特性を理解し、子どものニーズに合わせたサポートを提供するためのものですから、お子さんの個性に合わせて微調整しながら実践していきましょう。

感情の受容と対話

HSCの子どもは感受性が高いので、感情を強く受け止めることがあります。親は子どもの感情を受け入れ、対話を通じて感情を表現させてあげるようにしましょう。子どもが感情を言葉で表現できる場を提供し、理解する姿勢を示すことが大切です。

適切な刺激とリラックスのバランス

HSCの子どもは過剰な刺激に敏感なことがあります。適度な刺激とリラックスのバランスを取るよう心がけましょう。静かな時間や自分のペースで活動できる場所を提供し、過度な刺激は避けましょう。

自己肯定感の育成

HSCの子どもは他の子どもと比較されることがストレスになることがあります。親は子どもの個性を尊重し、自己肯定感を育てるサポートを提供しましょう。成功体験を積ませ、自信をつける手助けをしてあげましょう。

自己ケアの大切さ

ストレスを軽減するための自己ケアを怠らないようにしましょう。リラックスの時間を持ち、必要であればカウンセリングを受けることも有効です。

学校との協力

不登校の原因が勉強に関連している場合、学校と緊密に連携し、子どもに合った学習サポートを提供できるようにしましょう。

親御さんが子どものHSC特性を理解し、適切なサポートを提供することで、不登校の問題を解決する手助けができます。子どもの個性を受け入れ、尊重することが大切です。
また親御さん自身もHSCの特性をもっていることが多いので、ご自身のケアも同時に行うことを心がけてください。

HSCの子には理解を示す姿勢が大切。積極的に対話することを心がけよう

子どもが不登校になってしまった場合、原因はお子さんのHSC（ハイリーセンブシティ・チャイルド）の特性にある場合があります。HSCは生まれ持った気質です。

HSCの特徴には以下の4つがあります。

過敏な感受性

HSC の子どもは環境の変化や社会的な刺激に過敏に反応します。これが学校環境でストレスを感じる原因になることがあります。

深い思考と感情の豊かさ

HSCの子どもは感情や思考が豊かで深いため、勉強や人間関係においてプレッシャーを感じやすいです。

他の子どもと比較されることへの敏感さ

HSC の子どもは他の子どもと比較されることに敏感です。

新しい経験への適応の難しさ

新しい経験や変化に適応するのが難しいことがあり、これが学校環境に適応できない原因に問題につながることがあります。

お子さんの不登校に関して「あー、うちの子はHSCだな」と思い当たる場合は、次の方法でサポートしてあげましょう。

• 子どもの感情を受け入れ、対話し理解する姿勢を示す
• 適度な刺激とリラックスのバランスをとる
• 自己肯定感を育てる
• 自己ケアを怠らない
• 学校との協力を強化し、勉強に関して適切なサポートが受けられるようにする

子どものHSC特性を受け入れ、尊重し、適切なサポートを提供してあげましょう。そうすると、不登校の問題を少しずつ解決できるようになります。