不登校って甘えなの?「甘え」の対処法と4つの時期の乗り越え方
「不登校って甘えじゃないの?」
「朝、起きられないだけで不登校?」
「もういいかげんにして!」
このようなことでお悩みではありませんか?
お子さんが不登校になりかけの時、最初に「甘えてるんじゃないの?」と感じてしまう親御さんは多いです。
結論を言ってしまうと、不登校は甘えではありません。ですが、第三者には、甘えと思われてしまうことがほとんどです。また、ややこしいのですが、お子さんが親御さんに甘えられなくなってしまうと、お子さんは心をもっと病んでしまいます。
このように甘えにはいろいろなシーンがあるので、親御さんは「甘え」について一度じっくり考え、情報や思考を整理しておく必要があります。
そこでこの記事では、不登校は甘えなのかといった問題について解説し、甘えについて考察できる内容を紹介していきます。
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不登校って甘えなの?
初めに結論を書いてしましたが、「不登校は甘えではない」理由を紹介しておきます。
・不登校のお子さんは学校に行けないことに最悪感がある
・不登校は「学校に行かない」のではなくて、「疲れて学校に行けない」状態
不登校のお子さんは学校に行けないことに罪悪感がある
不登校の子は、学校に行けない自分に対して深い罪悪感があります。「他の子は学校に行けているのに、自分はどうして行けないんだろう」と自問自答し、その結果、さらに自分を責めてしまうことが少なくありません。これは、決して甘えている状態なのではなく、本人にとって非常に辛い状態です。
お子さんが学校に行けない理由は、単なる気持ちの問題ではなく、心身の状態が大きく影響しています。本人が「学校へ行こう」と思っても、自分の思い通りに身体が動かないことも多いのです。
そのような辛い身体で、さらに心まで罪悪感に捕らわれてしまうのですから、相当苦しみます。
親御さんは、少しでも、この状態を理解してあげられるよう努めてあげてください。
不登校は「学校に行かない」のではなくて、「疲れて学校に行けない」状態
不登校の子どもは、自分の意志で学校行かないのではなく、心や体が疲れ果ててしまい、どうしても学校に行けない状態に陥っています。これは、日々の生活や学校生活の中で蓄積されたストレスやプレッシャーによるもので、本人が望んで「行かない」わけではありません。
たとえば、大人でも仕事や日常生活で極度の疲労やストレスを感じたときは、「どうしても起き上がれない」「どうしても仕事に行けない」と感じることが、よくあると思います。それと同じように、お子さんも心や体が限界に達してしまい、学校に行けない状況になっているのです。
不登校は甘えが原因と言われる3つの理由
不登校は、どうしても当事者以外には、「甘え」と思われてしまうことがあります。その理由を紹介しておきますので、親御さんは、不登校をより深く理解する為の助けにしてください。
「学校生活が嫌い」は甘えだと思われやすい
お子さんが学校生活に適応できない場合、周囲から「甘え」と捉えられることがあります。でも適応できない理由は、お子さん自身の性格や学力の問題だけではなく、環境や人間関係の問題が大きな要因です。
例えば、クラスメイトとのトラブルや、先生との関係に問題がある場合、お子さんは大きなストレスを感じ、学校に行くこと自体が難しくなることがあります。これは決して「甘え」ではありません。
「辛いことからの逃げている」と思われる
不登校になるお子さんは、学校で感じる負担や困難から逃れているように見えることがあります。これが「逃げ」として見られ、「甘え」と誤解されることは多いです。
ですが子どもは過度なストレスやプレッシャーに対処する手段を持っていないことが多く、逃げるという選択をせざるを得ない状況に陥っています。また、いじめが原因の場合は生命に危険が及ぶ場合もあり、その場から逃げることは自己防衛と言えます。
自分の気持ちをうまく表現できず誤解される
不登校のお子さんが学校や家庭でコミュニケーションを避けることが多くなると、周囲から「甘えている」と思われることがあります。ですが、実際にはお子さんは自分の気持ちをうまく表現できない状況にある場合が多いです。
子どもは感じている不安やストレスを言葉にするのが難しいので誤解されてしまい、不登校という結果だけ見て「甘え」と思われてしまいます。
不登校は「怠けているから甘えている」と捉えられがちですが、実際には「助けを必要としているサイン」としての甘えなのです。「怠けによる甘え」とは本質的に異なります。
子どもを甘えさせてはいけないの?
「子どもを甘えさせると、さらにわがままになってしまうのでは?」と心配されるお母さんもいらっしゃるかもしれません。でも、「甘えさせること」と「甘やかすこと」には大きな違いがあります。
お子さんが甘えるのは、親御さんを信頼しているからです。甘えることで、親御さんの愛を確認する場合もあるでしょう。
甘えや、甘やかしについて、何をどうしたらいいのか、一緒に確認していきましょう。
甘えの種類
不登校のお子さんの「甘え」には、大きく分けて二つの種類があります。
なまけている甘え
これは、お子さんがただ怠けているように見える甘えです。しかし、この甘えの背景には、学校への強い不安や恐怖感が隠れていることが多いです。お子さんは学校に行くことができない自分を責めているかもしれません。
家族を頼る甘え
こちらは、お子さんが家族に助けを求める甘えです。お子さんが困難な状況に直面しているとき、親御さんに甘えることで安心を得ようとします。この甘えは、お子さんが親御さんとの絆を再確認し、信頼を強化するための重要なステップです。
親御さんの愛情と甘やかすことの違い
親御さんが愛情を持ってお子さんを支えることは、とても大切です。しかし、「甘やかす」とは、何でも子どもの要求を無条件に受け入れてしまうことであり、お子さんの成長を妨げる可能性があります。一方、「愛情を持って支える」とは、お子さんが感じる不安や恐怖に寄り添いながら、必要なサポートを提供することです。お子さんが自分のペースで成長し、自立できるように見守ることが求められます。
不登校は心と身体のSOS
不登校は、お子さんが心の中で抱える困難や苦しみを表現する一つの方法です。「学校に行けない」という行動を通じて、お子さんは親御さんに助けを求めています。お子さんの行動を単なるわがままや怠けと捉えず、その背後にある感情や思いに寄り添ってあげられるよう心がけてください。
不登校の解決は【甘えられる関係】を築くこと!
不登校の解決には、お子さんが「この人なら助けてくれる」と感じられる、安心できる関係を築くことが不可欠です。お子さんが心を開き、自分の気持ちを表現できる環境を作ることが大切なのです。そのために、親御さんが意識して取り組むべきポイントをいくつかご紹介します。
お子さんが甘えられる関係を築くための方法
話をじっくりと聞く
お子さんが何かを話したいときは、時間を作ってじっくりと耳を傾けてください。お子さんの気持ちや思いを受け止めることで、お子さんは「この人に話しても大丈夫なんだ」と感じることができます。
焦らずに待つ
お子さんが自分の気持ちを表現するには時間がかかることがあります。そのプロセスを焦らずに見守り、待つことが大切です。お子さんが自分のペースで気持ちを整理し、言葉にできるようになるのを待つことが、信頼関係を築く一歩です。
安心感を与える言葉をかける
「休んでいいんだよ」や「無理しなくていいよ」という言葉は、お子さんに大きな安心感を与えます。お子さんが不安や恐怖を感じたとき、いつでも支えてくれる親御さんがいることを実感させてあげましょう。
一緒に過ごす時間を大切にする
日常の中で、一緒に過ごす時間を大切にすることで、お子さんとの絆が深まります。特に、学校に行けないときは、お子さんが孤立感を感じやすいので、親御さんとの時間が大きな支えになります。
不登校の4つの時期
不登校には、一般的に4つの時期があるとされています。この時期を理解しておくと、不登校に対し適切な対応がしやすくなるので、頭に入れておいてください。
前駆期(不安が高まっていく時期)
・朝起きるのが辛くなる
・頭痛や腹痛など、身体的な不調が多くなる
・学校の話題を避ける
・友達と遊ばなくなる
・家で過ごす時間が増える
・授業に集中できない
・宿題をやらない
この時期は、お子さんが学校に対して不安やストレスを感じ始めている段階です。学校での出来事や人間関係、勉強の遅れなどが原因で、学校に行きたくないという気持ちが徐々に強まります。まだ学校に通っているものの、遅刻や欠席が増えることが特徴的です。
親御さんができること
何事も無理強いしない
学校に行けなくなっている原因を探りたい気持ちはわかりますが、焦って無理に学校に行かせようとすると逆効果です。まずはお子さんの話をじっくり聞いて、どんな気持ちでいるのか理解していきましょう。
話を聞く姿勢を見せる
お子さんが話したい気持ちになれば、親御さんはしっかり耳を傾けることが大切です。「いつでも話していいんだよ」と安心させてあげてください。
進行期(不登校が定着していく時期)
・完全に欠席する日が多くなる。
・朝起きて学校に行く準備をしても、結局行かない
・昼夜逆転の生活になりかけている
・学校の話題に強い拒否反応を示す
・スマホやゲームの時間が増える
この時期になると、お子さんが学校に行かないことが日常化し、不登校の状態が定着していきます。学校に行くことが大きな負担なので、外出せず家で過ごします。
親御さんができること
生活リズムを整える
昼夜逆転など、生活リズムが崩れがちな場合は、少しずつでも規則正しい生活に戻るように促しましょう。ただし、強制的に戻すのではなく、無理のない範囲でサポートを続けます。
一緒に過ごす時間を増やす
一緒に映画を見たり、趣味を共有したりして、お子さんとのコミュニケーションを深める時間を作りましょう。親との絆を感じられる時間が増えると、お子さんは心を安定させることができます。
混乱期(不登校の長期化)
・学校からの連絡を極端に拒否する
・部屋にこもりがちになる
・家族とのコミュニケーションが減る
・外出を嫌がる。
・「自分はダメだ」という否定的な発言が増える
・攻撃的または無気力になったりする
不登校が長期化する段階です。この時期には、孤立感や自己評価の低下が進み、心の負担が大きくなることがあります。また、学校に戻ることが非常に困難に思える時期でもあります。
親御さんができること
外出を無理強いしない
お子さんが外出を嫌がる時は、無理に外に連れ出すことを避け、家の中での穏やかな環境を作ることを大切にしましょう。親御さんはプレッシャーをかけず、何事も無理強いせず、お子さんのペースに寄り添ってあげましょう。そうしてもらうことで、子どもは少しずつ安心することができます。
お子さんの気持ちを否定せずに受け止める
お子さんが「自分はダメだ」といった否定的な発言をする場合、励まそうとするのではなく、その気持ちをまずは受け止めてあげることが大切です。「そう感じるのは辛いね」と共感してあげると、お子さんは心を開きやすくなります。
回復期(学校復帰や新たな進路を考え始める)
・徐々に外出するようになる
・家族や友人との交流しだす
・学校や勉強について前向きに考える
・「学校へ行こうかな」などと口にする
・自分で計画を立てて行動するようになる
回復期は、お子さんが再び学校に行こうとする、または新たな進路を模索する段階です。この時期には、お子さんが自信を取り戻し、自立への一歩を踏み出すことができます。
親御さんができること
小さな成功体験を褒める
お子さんが外出したり、家族と交流したりしたら、それを小さな一歩として褒めてあげましょう。「少しでも外に出られてすごいね」といった具体的な言葉で、自己肯定感を高めることができます。
柔軟な選択肢を一緒に考える
学校復帰が難しい場合でも、通信制高校やフリースクール、定時制などの選択肢を一緒に検討しましょう。お子さんが自分に合った進路を考えられるよう、親としてサポートを続けることが大切です。
不登校の解決には「甘えられる関係」を築くことが重要
お子さんが不登校になりかけの頃、親御さんは「甘えているのでは?」と感じることが多いですが、不登校は決して「甘え」ではなく、心身の疲労やストレスが限界に達してしまったことで起こります。お子さんは、学校に行けない自分に罪悪感を抱え、心と身体のSOSを発しているのです。周囲の大人は「怠け」や「逃げ」といった解釈をせず、お子さんのサインを理解し、受け止めることが大切です。
不登校が「甘え」と捉えられるのは、お子さんが学校を嫌がる、辛いことから逃げているように見えるからです。また、適応できない環境やストレスへの対処法を持っていないお子さんが、コミュニケーションを避けることで、周囲から「甘え」と誤解されてしまうこともあります。
お子さんが親に甘えるのは、親への信頼の証です。甘えさせることで、お子さんは安心し、心を開きます。でも無条件で要求を受け入れてしまうと、お子さんの成長を妨げる可能性があります。
お子さんが甘えられる親子関係を築いていけば、不登校解決に向けて一歩を前を踏み出すことができます。親御さんはお子さんの話を聞き、決して否定せず、信頼関係を強化していきましょう。