不登校の子どもへの対応と接し方~親御さんができること~
「不登校の子になんて声かけしたらいいの?」
「よけいなことを言うと部屋から出てこなくなりそう」
「特別あつかいはダメって聞いたけど、でも…」
こんなことでお悩みではありませんか?
お子さんが不登校だと、心が傷つきなんの気力もなくなってしまった子にどう接していいのか、あれこれ悩んでしまいますよね。
不登校のお子さんへの接し方にはさまざまなケースがあるので、接し方ひとつにしても、不登校になってしまった原因から押さえていく必要があるんです。
そこで今日は、不登校になる原因とその接し方を、あわせて解説していきます。
この記事を読むと、親御さんがどう考え、どう動いていかなければならないかもわかるので、ぜひ最後までお読みください。
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不登校の接し方を知る前に、不登校の定義を知っておこう
お子さんが不登校になっているというのは、どのような状況から判断できることなのでしょうか?
もしかすると、短期的なイヤイヤ期で学校を休んでいるだけかも…。
国立教育政策研究所によると、不登校とは、次のような定義が示されています。
何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く)をいう。
また文部科学省の定義によると、年間30日以上欠席したお子さんという定義も加わります。
これらをまとめると、次の通りです。
● 経済的理由・身体的な病気以外で学校を休んでいる
● 休んでいる日数が30日以上になっている
このような状況下にあるお子さんは、不登校として認定される状況にあることをまずは知っておきましょう。
ただ、明らかに「学校に行きたくない」といい、2週間以上連続で学校を休んでいる場合などは不登校としても問題ないでしょう。
【学年別】不登校のお子さんへの接し方
先ほど紹介した不登校の定義に照らしあわせて、お子さんが不登校になっている場合の接し方には、まずは学年別での接し方を覚えてく必要があります。
● 小学生で不登校のお子さんの場合
● 中学生で不登校のお子さんの場合
● 高校生で不登校のお子さんの場合
これら状況別に、スタンダードな接し方を知っていきましょう。
もちろん、ここではメインになる不登校の例を出すだけで、他のケースについては後述します。
学年別の接し方①小学生で不登校のお子さんの場合
小学生で不登校になるお子さんの場合、主な理由として考えられるのは親御さんから離れることへの不安です。
特に小学生の中でも低学年に良くでる不登校の類型で、母子分離不安がもとになっています。
母子分離不安自体は乳幼児期に必要なものですが、小学生の時点で現れた場合には対処が必要です。
接し方の例としては、まず学校から帰ってきた時には、思いっきり甘えられるという状態がご家庭内にあることを意識できるようにすることと、必要であれば登下校を一緒にしてあげることです。
逆にお子さんがお母さんに甘えているとみなして、突き放す接し方をしてしまうと、余計に不登校への拍車がかかってしまうので注意してください。
学年別の接し方②中学生で不登校のお子さんの場合
中学生のお子さんが不登校になる原因は、無気力によるものが多いとされています。
無気力が原因となると、親御さんがお子さんと関わる際に注意すべき点としては、お子さんの生活時間に対する注意が入ってくることです。
無気力状態になってしまう大きな原因として、生活時間が崩れてしまい、体内のホルモンバランスが崩れて無気力になることが考えられます。
もちろんその他にも理由はありますが、まずは生活時間の見直しからスタートしていきましょう。
どちらかというと、優しく接するというよりも、親としてお子さんの生活態度を見直す接し方になります。
例えば、夜遅くまでゲームをしていたり、スマホを触っていたりする場合には、早寝早起きを徹底させましょう。
このように中学生のお子さんに関しては、親御さんの目が離れがちなことから、管理を小学生のお子さんと同様に徹底することを念頭においてください。
学年別の接し方③高校生で不登校のお子さんの場合
高校生のお子さんが不登校になる原因は、人間関係によるものが多いとされています。
中学校や小学校と違い義務教育を離れ、同一の学力レベルのお子さんと同じ高校に通うので、人間関係に悩まされることは少なくなると思いがちですが、逆に教職員や部活での人間関係がもとで不登校になるケースが増えているようです。
それにアルバイトができるようになることで、遊びや非行に走って不登校になるケースもあります。
この場合の親御さんからお子さんへの接し方としては、義務教育を終えたから手放しでいいと考えるのではなく、人間関係の悩みを吐き出させ、どうしても高校があわなければ転入や編入を考えてあげることも視野に入れてください。
高校は中学校と比べてクラス移動がほとんどないケースも考えられるので、人間関係での悩みは不登校の要因になると共に、自主退学の原因にもなります。
ですから親御さんは、お子さんの不登校原因を聞きながら、お子さん自身のストレス要因がどうしても取り除けないとわかった時には、学校を変えるなど思い切った決断も必要になることを覚えておきましょう。
不登校の原因を知っておこう
ここまでメジャーな不登校原因に対する接し方をお伝えしてきましたが、その他の不登校原因も確認しておきましょう。
文部科学省発表による令和2年度「不登校児童生徒の実態調査」を、学年別にわけて簡潔にお伝えします。
【小学生】
● 先生が怖かった
● 生活リズムの乱れ
● 友達からのいじめなど
● 勉強がわからない
【中学生】
● 生活リズムの乱れ
● 身体の不調
● 勉強がわからない
● 先生のこと
● 友達からのいじめなど
高校生の場合は古い資料となりますが、2012年に発表されている「高校生の不登校・中途退学の現状等」から引用しています。
【高校生】
● 無気力
● 人間関係
● 遊び・非行
● 人間関係
● 学業不振
● 情緒不安
このように複数の不登校になるケースがあるため、ケース別の接し方も確認しておきましょう。
【ケース別】不登校のお子さんへの接し方
不登校ケース別のお子さんへの接し方は、次の通りです。
1. 無気力状態に陥っている
2. ご家庭内の不安により愛着障害が起こっている
3. いじめを受けてしまった・受けている
4. 非行に走っている
5. 勉強がわからない
6. 何かしらの挫折を経験してしまった
それぞれ解説していきます。
ケース①無気力状態に陥っている
ケース別の不登校のお子さんへの接し方の一つ目は、無気力状態に陥っているお子さんのケースです。
無気力状態とは冒頭でもお伝えしましたが、生活リズムが崩れたことによって「疲れた」や「しんどい」といった体調不良に陥って、学校に行けなくなる状態を指しています。
こういったお子さんへの接し方としては、まず生活リズムを整えるところからスタートしていきましょう。
生活リズムを整える基準は、お子さんが学校に通っていた時期を基準にして、起きる時間と寝る時間を管理することです。
無気力状態に陥っている原因には、SNSにハマっていたり、ゲームにハマっていたりなど依存症も関係する可能性があります。
依存症が関わっている場合には、専門家の方との連携を強めながら、急がずじっくりと治していきましょう。
ケース②ご家庭内の不和により愛着障害が起こっている
特に小学生のお子さんに現れやすい不登校の原因として、愛着障害を発症している場合もあります。
というのも、親子間で愛着障害が起こっていると、家庭に帰ればなんとかなるという意識がお子さんに育たず、外に出る勇気も出ないからです。
愛着障害を克服するためには、コミュニケーションをしっかり取ることや、スキンシップを取ることが重要です。
ご家庭で愛情をきちんと受ければ、学校に行って何かあっても家に帰れば親御さんが何とかしてくれるという自信がつき、お子さんはどんどん外の世界に出ていけるようになります。
ケース③いじめを受けてしまった・受けている
続いてはいじめを受けてしまった場合、今現在受けてしまっている場合です。
いじめ問題は根本原因が解決していなければ再発する可能性がありますし、そもそも解決しないうちに再登校しても意味がありません。
そのため、お子さんがいじめ問題を不登校の原因としている場合には、どのようなイジメを受けたのかをきちんと確認し学、校側との連携を強める、もしくは転校や転入といった実力行使を考えていきましょう。
ケース④非行に走っている
高校生段階になって不登校の原因の一つにあがってくる非行は、特に親御さんの協力が必須になってきます。
というのも、非行に走っているお子さんの心理状態を作ってしまうのはご家庭に原因がある場合が多いからです。
もちろん非行に走る原因がご家庭だけであるとはいえませんが、多くの場合ネグレクトや家庭内暴力といった、家庭内環境の悪さからお子さんが非行に走ってしまいます。
ですから、お子さんの非行が原因で不登校になっている場合、ご家庭内の状況を一度見直し、一般家庭と変わっているところがないかを確認しましょう。
ケース⑤勉強がわからない
中学生と高校生から増えてくる不登校の原因に勉強がわからないというケースが目立ってきます。
というのもゆとり教育時代と比べて、英単語だけに絞っても、学ばなければならない範囲が格段に増えているからです。
このような状況下では、以前は勉強に挫折しなかったお子さんであっても、勉強についていけなくなる可能性があります。
ですから、勉強がわからないのであればプロに依頼し、少なくとも現状の学校レベルまでに学力を引き上げてあげることを意識してください。
ケース⑥何かしらの挫折を経験してしまった
最後は、何かしらの挫折を経験してしまったケースです。
この場合にはさまざまな原因が考えられますが、まずは挫折した原因を特定するところからスタートしましょう。
挫折した原因を聞いていくと親御さんにとっては、「どうでもいいこと」のように聞こえてしまうこともありますが、お子さんの話を良く聞き、必要であれば挫折した原因から遠ざけてあげる必要もあります。
例えば、部活動での挫折が原因なら部活動自体を止め、課外活動に転向することも視野にいれましょう。
不登校を解決するための接し方
ここまでケース別の不登校のお子さんに対する接し方をお伝えしてきましたが、実際に不登校を解決するとなった場合には、どのような接し方をしていけばいいのでしょうか?
具体的には次の通りです。
● 専門家への相談が最優先
● 不登校の原因を予測する
● お子さんへの特別扱いはしない
● お子さんと対話する
それぞれ解説していきます。
不登校解決への接し方①専門家への相談が最優先
不登校は、親御さんとお子さんの二者だけで解決していくものではありません。
例えば、いじめが原因であれば学校と、精神疾患や無気力が原因なら心療内科の先生といったように、多くの専門家と協力して動いていく必要があります。
仮に精神疾患が原因になっているのに、素人判断で動いてしまえば悪化させてしまう恐れもあります。
ですから不登校の原因を解決するためには、ご家庭と専門家とお子さんという三者が、協力して動いていくことを念頭に置いてください。
不登校解決への接し方②不登校の原因を予測する
続いての接し方としては、不登校の原因を予測することです。
ケース別の接し方では、そもそも不登校の原因がわかっている前提でお伝えしましたが、原因が判明するまでには多くの時間がかかります。
不登校がはじまった最初期の頃は、お子さんの不登校原因をきちんと話してもらえないものです。
ですから、親御さんは学校に様子を聞いたり、お子さんの状態を見たりして、「もしかすると〇〇が原因かもしれない」といったように、推測して行動することが最初期は求められます。
ただし、原因がわかったら推測で行動するのはやめて、先ほどお伝えしたように専門家のアドバイスを求めましょう。
不登校解決への接し方③お子さんへの特別扱いはしない
不登校になったからといって、お子さんを特別扱いした接し方は止めておきましょう。
例えば、不登校になったからと、起床時間や就寝時間を通常より遅くするのは生活リズムを崩してしまうので、できるだけ避けましょう。
もちろん苦しんでいるお子さんを見ると、特別扱いしたくなる気持ちはわかりますが、ご家庭が生活リズムの改善をしなければならないパターンもあるので、基本的に学校と【同じ時間に寝て・起きる生活ができているか】をチェックするようにしてください。
不登校解決への接し方④お子さんと対話する
最後は、お子さんの体調が戻ると同時に、随時対話の時間を増やしていきましょう。
対話で意識することは、お子さんと同じ目線で話すことです。
一度親子という関係を捨て、お子さんが何を考え行動しているのかを知るところからスタートします。
親御さんとしてはすぐに再登校してほしいと感じるかもしれませんが、不登校になる要因は複雑に絡み合っている可能性が高く、急ぎすぎるとかえって悪化する恐れもあります。
ですから、まずはお子さんを理解するところからスタートし、徐々に不登校になった理由を探っていきましょう。
不登校を解決するために親御さんができること
お子さんが不登校になった時の接し方を解説してきましたが、親御さん自身が不登校を解決するために動けることもあります。
具体的には次の通りです。
● 学校や専門家と連携を密にする
● 親子間での時間を増やす
● 転校や編入などを考える
● 必要であれば学校外の学びも考える
それぞれ解説していきます。
親御さんができること①学校や専門家と連携を密にする
不登校を解決するために親ができることの一つ目は、学校や専門家と連携を密にすることです。
繰り返しになりますが、親御さん単独で不登校問題を解決するのは難しく、素人判断は絶対に行ってはいけません。
ですから、学校や専門家との間の架け橋になって、お子さんの状態をくまなく報告できるようにしておきましょう。
親御さんができること②親子間での時間を増やす
続いては、親子間での時間を増やすことです。
というのも、不登校問題を解決するには、ご家庭の協力も必須になってくるからです。
例えば、今まで仕事で忙しかった場合には転職し、お子さんの状態をきちんと見られる職場を見つけるというのも、考えなければなりません。
このように親御さん自身も、お子さんにとってできることを探していきましょう。
親御さんができること③転校や編入などを考える
またいじめ問題が根本的に解決せず、お子さんの挫折原因がどうしても回避できない場合には、転校や編入などの実力行使も考えなければなりません。
もちろんお子さんの同意は必要ですが、最終的な決定権は保護者である親御さんにあります。
転校や編入をするにしても、さまざまなことを考えなければならないため、お子さんを中心に考えさせるのではなく、親御さんが主導権を握って、お子さんが幸せに学校生活を送れるようにしていきましょう。
親御さんができること④必要であれば学校外の学びも考える
先ほどの転校や編入を考える点を少し変えて、少しの期間を空ければお子さんが学校に行きやすくなる場合には、学校外の学びも考えてみましょう。
例えば、フリースクールを利用してみたり、家庭教師や塾を頼ってみるといいでしょう。
もちろん費用も掛かりますが、短期間の出費なので家計への負担も最小ですみます。
不登校への接し方は、学校に行かせることだけが正解ではない
ここまで不登校のお子さんへの接し方として、通っていた学校に再登校させることを目的とする論調で解説してきましたが、今ある学校だけに通うのが正解ではありません。
というのも、昨今ではICT技術の発展により、実力のある先生の講義を全国どこからでも聞ける状態になっていますし、家庭教師の先生と協力すれば家にいるだけでも教科書の学びを続けられるからです。
例えば、通信制の学校に通いながら、動画教材を見て、わからないところだけを家庭教師の先生に見てもらうといった方法も考えられるでしょう。
このように一昔前までは考えられなかった学習形態も可能なので、「学校に行くことだけが正解ではない」という意識の転換も必要になってきます。
不登校の接し方の秘訣とは…
不登校のお子さんへの具体的な接し方の秘訣としては、お子さんの体調が戻ると同時に、親子間での対話を増やすことです。
まずは親子で何気ないおしゃべりから始め、お子さんが親御さんに何でも話せる環境と信頼関係を築いていきましょう。
その後、親御さんが大丈夫だと判断した時、思い切って不登校になってしまった原因を聞き出していくというスモールステップで進んでいくとよいでしょう。
不登校の原因がわかれば、少しずつ解決に向けて親子で動いていきましょう。
私たちのサイトでは、この他にも様々なお子さんの学習や学校生活に役立つ情報を取り扱っているので、興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。