高校受験の願書の書き方を徹底解説!
高校受験を目前にして、乗り越えなければいけない願書提出。
お子さんはもちろん、保護者の方にとっても神経を使う一大イベントですよね。
人生がかかった重要な書類だけに、
「この書き方で合っているのかな?」
「ミスしちゃったけどどうしよう!?」
「書き方を教えて欲しい」
と、不安になっている方は意外と多いのではないでしょうか?
また一口に願書と言っても、『添付書類の準備』『受験料の支払い』等やることが多く、初めての経験にとまどっている方もいらっしゃると思います。
そこで今日は、高校受験の正しい願書の書き方や、出願の一連の流れを詳しくまとめ解説していきます。これを読むと、願書に関するギモンや不安がスッと消えていきますので、ぜひ参考にしてください。
高校受験の願書とは
願書は高校受験を受けるための申し込み書類のことで、「貴校を受験します」という意思を伝えるためのものです。
これを高校側に提出することを「出願」と言います。
高校受験の願書は、高校側にとって、あなたの“第一印象”のようなもの。
入学への意志や熱意を伝えるためにも、願書の書き方をしっかりマスターしましょう。
高校受験の願書とは①:提出までの流れをおさらい
高校受験の願書は、推薦だと早い学校では12月頃から、一般入試だと1月下旬頃から受付が始まります。
それまでに必要な重要事項は、なんと言っても “受験校の決定”です。
高校説明会や行事に参加して情報を集めたり、三者面談で先生に相談したりするプロセスを経て、最終的な受験校を決定することになります。
大まかな流れを以下にまとめました。
【高校受験の願書提出までの流れ】
- 4~6月:気になる学校の情報集め
- 7月(夏休み前):三者面談(1)
- 6月~9月:高校説明会
- 11月~12月:三者面談(2)
- 12月~2月:願書提出・試験本番
願書提出が始まる12月以降は、受験勉強も大詰めになって、気持ちに余裕がなくなりがちです。
スムーズに出願を完了できるよう、受験校決定に向けて中3の春から準備を進めましょう。
願書提出の準備
高校受験の願書は、ただ1枚の紙に記入して終わりではありません。
願書と一緒に提出する書類や、必要な手続きがあります。
どんなものがあるのか、いくつか例をご紹介します。
願書提出の準備①:証明写真の撮影
高校受験の願書に添付する証明写真は、出願ギリギリにならないよう余裕を持って撮影しておきましょう。
学校によっては中学校で撮影や印刷をしてくれるところもあるようです。
各自で用意する場合でも、昔と違って今は証明写真の選択肢が増えましたね。
スマホで撮影した画像を印刷できるサービスもありますし、街の証明写真機(スピード写真機)のクオリティも上がっています。
それでも写真館(スタジオ)でプロに撮影してもらいたい!という方は、予約が混み合うことを想定して早めに申し込みしておきましょう。
※出願の3ヶ月以内に撮った証明写真を使うのが一般的なので、あまり早すぎてもNGです
以下の注意点を守りながら撮影を行ってください。
【高校受験の証明写真の撮り方 注意点】
? 面接と同じ服装(面接でメガネを着用する場合は、メガネ着用で撮影)
? 上半身のみの正面
? 顔がはっきり写っている
? 身だしなみを整える(目に髪がかからない、ヒゲを剃るなど)
? 背景なし
? 加工をしていない
願書提出の準備②:調査書(内申書)の依頼
高校受験の願書と一緒に提出する調査書(内申書)は、中学校の先生が作成します。
調査書(内申書)は、生徒一人ひとりの通知票の成績や出欠の記録、部活などの特別活動の記録などを記したものです。
出願時期は先生も忙しいので、調査書の部数や所定の形式が分かり次第、早めに伝えましょう。
私立高校でも公立高校用の調査書を使用できることが多いようですが、まれに高校指定の書式がある場合もありますので、受験校の案内をよく確認してください。
また調査書は厳封です。
開封したら無効になってしまうので絶対に中を開けないでください。
願書提出の準備③:志願理由書の作成
高校受験の推薦や面接において「志望理由書」が必要になることがあり、これも願書と一緒に提出することになります。
東京都では「自己PRカード」、神奈川県では「面接シート」という風に、地域によって名称や内容が異なります。
志望理由書は、志望動機や自己アピールを伝えるための重要な資料ですので、先生に書き方の指導を受けたり、添削してもらったりすることになります。
あわてて書くのではなく、自信をもって書き上げられるよう、なるべく早めに作成を進めましょう。
また高校受験の志望理由書では、「この高校にどうしても入りたい」という強い熱意を伝えることが肝心です。
そのために注意したい記入のポイントを以下にまとめました。
【志望理由書 記入の注意点】
中学校で努力した経験や、高校での目標は“具体的に”記入しましょう。
?「家が近いから」「友達を作りたいと思って」といった他の高校でも同じことが言えるような動機や、あいまいな書き方では熱意は伝わりません。
?具体的なエピソードを書くときに役に立つのが、志望校独自のカリキュラムや、進学実績・部活動の大会実績などです。これらは説明会や行事に参加した際に、積極的に情報を集めておきましょう。
?志望動機の書き出しは、結論から書くのがセオリー。
まず「私は~のために、○○高校を志望しました」と簡潔にまとめた後に詳しい理由を付加することで、読み手に分かりやすく伝えることができます。
?志望校のホームページやパンフレットの言葉をそのまま引用するのはNGです。
?文章が不自然になり、熱意も伝わらなくなる可能性大です。それに高校の先生が見ればすぐに丸写しだと分かってしまうので、志望動機は自分の言葉で伝えましょう。
?文章の基本ルールは文末を揃えることです!「です・ます(敬体)」「だ・である(常体)」が混ざっているととても読みにくいので、文末が統一されているか必ず見直してください。
?なるべく記入欄は9割以上埋めるようにしてください。
空白の多いサッパリした志望理由書と、びっしりと文字が埋められた志望理由書。どちらのほうが志望意欲が伝わるかは明白ですよね。
もちろんダラダラと意味のないことを書くのは問題ですが、記入欄の9割以上は埋まるように、下書きの時点で文字数を調節してください。
?“話し言葉”や誤字脱字、「ら抜き言葉」を使っていないかチェックしてください。
話し言葉というのは「~なので」「いろんな」「きつい」など、ふだん話すような口語体のことで、願書や志望理由書で使うのは好ましくありません。
?また家族のことを書くときも「お母さん」→「母」、「おじいさん」→「祖父」などと言い換えるようにしましょう。
願書提出の準備④:収入証紙の購入
全日制の公立だと、高校受験の受験料は一律2,200円。
各都道府県指定の場所で「収入証紙」を購入し、願書に貼って提出しましょう。
学校によっては中学校でまとめて購入してもらえるパターンもあります。
願書提出の準備⑤:高校受験の願書のもらい方
毎年9月頃、願書を含む出願書類の配布がスタートします。
公立高校では中学校から配布されることが多く、私立高校の場合は志願者各自が取りに行くor取り寄せる形になります。
ここ数年は直接来校して願書を取得する学校は減少ています。代わりに高校受験ではインターネット出願が定番化してきていますので、志望校はどんな方法なのかよく確認してください。
出願の流れ
高校受験の願書提出までの大まかな流れは、以下の通りです。
出願の流れ(一般的な例)①:願書を取得する
願書が中学校から配布されない場合、各自で志望校から取り寄せたり書店で購入したりする必要があります。
各高校で取得方法がいくつか指定されているので、配布開始前に案内を確認しておきましょう。
また書き損じに備えて、願書は2部取得しておくと良いです。
出願の流れ(一般的な例)②:願書の記入・必要書類を揃える
願書を取得したら、さっそく記入を進めます。
※詳しい書き方は後ほどご紹介します。
また調査書や志願理由書、返信用封筒などの必要書類をすべて揃えましょう。
出願の流れ(一般的な例)③:受験料の支払い
「収入証紙」の購入、銀行振り込みなど、指定された方法で支払いを済ませます。
窓口の営業も限られていますので、期日ぎりぎりにならないよう余裕を持って支払いましょう。
また振り込みの場合、支払い後に取扱金融機関の「収納印」がきちんと押されていることを確認してください。
出願の流れ(一般的な例)④:書類の提出
願書や必要書類が揃ったら、いよいよ提出です。
中学校でまとめて郵送の場合もあれば、各自が郵送or高校の窓口に持参する場合もあります。
【インターネット出願の流れ】
インターネット出願の場合、インターネット出願後に必要書類を郵送する高校が多いようです。
願書を取りに行ったり、すべて手書きしたりという手間は省けますが、書類の記入があることに変わりはありません。
スムーズに手続きを済ませるためにも、高校受験のインターネット出願の流れを知っておきましょう。
インターネット出願の流れ(一般的な例)①:出願情報を入力
専用サイトにアクセス後、入試区分や出願コースなどを選択。さらに氏名・生年月日・住所など必要事項を入力します。入力間違いのないよう、確認しながら進めてください。
インターネット出願の流れ(一般的な例)②:受験料を払う
クレジットカード、コンビニ払い、ペイジー対応?融機関ATM?払いなど希望の支払い方法を選択。支払いは速やかに済ませましょう。※受験料は基本的に、一度払うと返金できません
私立高校の受験料平均:22,626円 ※平成31年度 都内私立高等学校(全日制)の結果
インターネット出願の流れ(一般的な例)③:書類をダウンロード・郵送
支払い完了後、願書(志願票)や受験票、封筒に貼りつける宛名状などをダウンロードできるようになります。自宅やコンビニで印刷して必要事項を書き、必ず期日までに郵送しましょう。
インターネット出願の流れ(一般的な例)④:合否の確認
学校によりますが、高校指定の専用サイトで合否の確認ができ、合格者にはその後の手続きの案内があります。
インターネット出願の流れ(一般的な例)⑤:入学手続き
入学手続き用の資料や合格証をダウンロードし、登校時に提出する高校もあるようです。
願書の書き方を徹底解説!
それではいよいよ、高校受験の願書の書き方について項目別に詳しく解説していきましょう。
共通して言えるのは、一文字一文字丁寧に、楷書で書くことです。
願書の書き方①:書き方の見本に沿って書く
高校受験の願書の書き方の基本は、見本に沿って書くことです。
「入学願書の書き方」といった用紙や書き方の見本を添付している高校も多いので、よく目を通して漏れのないよう記入しましょう。
願書の書き方②:鉛筆で書く?ペンで書く?
一般的には、黒のボールペンか万年筆で書きます。
書き方の見本などに「鉛筆や消せるボールペン書きでは受付できません」などと記載があることがあるので、よく読んでおきましょう。
願書の書き方③:電話番号
高校から電話がかかってくることは滅多にありませんが、書類に不備があった場合や緊急時のために電話番号を書く必要があります。そのため日中に繋がりやすい固定電話や、保護者の携帯電話番号を書くのが一般的です。
願書の書き方④:住所
住所は省略せず、都道府県名から書くのが原則です。
また番地もハイフン(-)を使って簡略化する書き方でなく、「丁目」「番」「号」と正確に記入してください。
これは高校受験の願書だけでなく、大学受験や就職活動でも同様のことが言えるので、覚えておいて損はありません!
願書の書き方⑤:日付
日付の書き方は中学校から指定があると思いますので、そのとおりに書きましょう。もし指定がない場合は、念のため中学校の先生に確認を取った上で記入してください。
願書の書き方⑥:証明写真
高校受験用の証明写真は3ヶ月以内に撮影したものを使い、サイズやカラーなどの指定を守りましょう。
写真を貼る際には、のりよりも両面テープを使うとヨレにくく剥がれにくいです。
ですが万が一剥がれてしまったときを考えて、写真の裏には氏名を記入しておきましょう。これは社会人になっても必要なマナーです。
書き方はボールペンやサインペンで、見やすく書いてください。
高校受験の願書の書き方~よくある質問~
高校受験の願書の書き方について、よくある質問をまとめました。
願書の書き方・よくある質問①:Q.高校受験の願書は誰が書く?
A.保護者が書くか?本人が書くか?迷う方もいるかもしれませんが、基本的には受験生本人が自筆で記入します。
なぜなら高校受験の願書は、受験生の第一印象とも言える重要な書類。入学への意志や熱意を伝えるためにも、なるべく本人が行いましょう。その代わり保護者の方は、お子さんの書き方を必ずチェックし、保護者記入欄などの項目も漏れなく記載しましょう。
願書の書き方・よくある質問②:Q.保護者名は父母どっち?
A.保護者名の欄が1つだけだと、どちらを書けばいいか書き方を迷いますよね。
結論、お父さんお母さんどちらでも良いのですが、お父さんの名前を記入する方がほとんどです。高校から郵送物などは、保護者名に書いたお名前で届くことになります。
願書の書き方・よくある質問③:Q.記入ミスしてしまったら?
A.まずはミスがないよう、あらかじめ願書を2部取り寄せたり、原本をコピーして下書き練習してから清書したりするようにしましょう。それでももし記入ミスをしてしまったら、ミスした文字の部分に二重線を引き、上から訂正印を押せばOKです。
願書の書き方・よくある質問④:Q.締め切りを過ぎても大丈夫?
A. 高校受験の願書や必要書類の提出は、1日でも締め切りを過ぎると受理してもらえません。
受験勉強も大変だと思いますが、締め切りに間に合わなければ努力が水の泡となります。そうならないよう、提出までのスケジュールを立てて親子で共有しておくことをおすすめします。
郵送手続きについて
願書を書き終えたら一気に気持ちが緩んでしまうかもしれませんが、発送完了まで決して気は抜けません!
書類漏れがあったり、「普通郵便」で出してしまったりと、毎年“うっかりミス”が各地で起こっています。
最悪の場合、出願が無効になる可能性もありますので、次のポイントは必ず押さえておいてください。
郵送手続き①:封をする前に再度チェック
封筒を閉じる前に、必要な物がすべて揃っているか確認し、書き方に間違いがないか全て目を通してください。一人では抜け漏れが出ることもありますので、必ず本人とお父さんお母さんなど2人以上で行いましょう。
さらに提出書類はコピーを取り、いつでも確認できるように保管してください。
もし高校側から内容確認の連絡があったときにはすぐに対応できますし、推薦入試や面接準備の際に役立つこともあります。
郵送手続き②:簡易書留で送る
封筒は、高校の指定の通りに郵送しましょう。
高校受験では、ほとんどが「簡易書留」の指示があると思います。書留は普通の郵便物と違って、発送~配達までの記録がきちんと残るものなので、願書などの大切な文書を送付する際に利用しましょう。
もし急ぎの場合には「速達+簡易書留」で送るのが無難です。
郵送手続き③:願書の締め切りはいつ?
高校受験の願書の締め切りは、住んでいる地域や学校ごとに異なります。
また公立と私立、推薦と一般入試で日程も違いますので、教育委員会や各高校の情報をよく確認しておきましょう。
郵送手続き④:公立高校の願書の締め切り
公立高校の場合、推薦は1月上旬あたりから、一般入試は1月下旬~2月上旬にかけて願書の受付が始まります。一都三県の出願期間(令和4年度)を参考に見てみましょう。
【東京都】
推薦 第一次募集及び分割前期募集
令和4年1月12日(水)~17日(月) 令和4年1月31日(月)~2月4日(金)
【神奈川県】共通選抜
郵送 窓口に直接提出
令和4年1月25日(火)~1月27日(木)必着 令和4年1月28日(金)~ 2月1日(火)まで(土曜日と日曜日を除く)
【千葉県】一般入学者選抜
令和4年2月9日(水)、2月10日(木)、2月14日(月)
【埼玉県】一般入学者選抜
2月10日(木)、14日(月)、15日(火)※2月10日は郵送による提出
郵送手続き④:私立高校の願書の締め切り
私立高校では、推薦は1月上旬あたり、一般入試は1月下旬あたりから願書の受付が始まります。一般入試は、公立高校よりも締め切りが早いことが多いです。参考までに、私立高校の出願期間(令和4年度)を一部ご紹介します。
【杉並学院高等学校】※インターネット出願
推薦入試 一般入試
1月15日(土)~1月18日(火) 1月25日(火)~1月28日(金)
【湘南学院高等学校】※Web入力期間
推薦入試(専願) 一般入試(併願)
1月7日(金)9:00~1月14日(金)終日 1月07日(金)9:00~1月23日(日)終日
【浦和学院高等学校】
推薦入試(単願・併願) 一般入試(併願)
ネット出願
12月1日(水)~1月12日(水)
出願書類郵送期間
12月1日(水)~1月12日(水) ネット出願
1月14日(金)~18日(火)
出願書類郵送期間
1月14日(金)~18日(火)
【湘南学院高等学校】※インターネット出願
専願推薦・併願推薦・一般第1回 一般第2回
12月17日(金)9時~1月7日(金)15時 12月17日(金)9時~1月25日(火)15時
最後まで気を抜かず、来年の春を笑顔で迎えよう!!
願書は人生がかかった重要な書類です。
少しでも不安に思うことがあったら、高校に問い合わせる等、自分のあいまいな判断で書かないようにしましょう。
また『添付書類の準備』や『受験料の支払い』等やることが多いので、チェックリストを作っておくと《やり忘れ》がなくなります。不安な方はあらかじめ作ってから行動するようにしましょう。
高校入学まであと一歩。「面倒くさい」と思わず、「これさえ終われば!」と笑顔で準備を進めてくださいね。ここまできて焦る必要は何もありませんよ。