キレる子どもへの理解と穏やかな子に導いてあげる対処方法
「うちの子、すぐにキレる…」
「学校の先生からも、キレて手が付けられないって…」
「どうしたら穏やかになってくれるの?」
子どもが『すぐにキレる』と悩みを抱えている親御さんは、実に多いです。
怒りという感情は、悩みや苦しみがないと出ないので、キレる子には何かしらの理由が存在します。
なぜ子どもはキレるのか?
いつからキレるようになったのか?
どうやればキレないようになるのか?
今日は、『キレる子ども』について、多方面から考えていきたいと思います。
キレる子どもの3つのタイプ
キレる=暴れたり怒り狂うだと思っていませんか?
実は、子どもがキレるという行為には、3つのタイプが存在します。
もしかすると、親御さんから見れば怒っていないと思っている場面でも、子どもは怒っている可能性が十分にあるのです。
まずは、お子さんがどのキレるタイプなのか探っていきましょう。
キレる子どものタイプ①:興奮型
一番キレているのがわかりやすいのは、興奮型と言えます。
・暴れる
・暴言を吐く
・興奮しているのが目に見えてわかる
アドレナリンが出ており、すぐに感情的になってしまうのは、この興奮型と言えるでしょう。
職場で高圧的に上からものを言う、すぐに関係機関と口論になってしまう人はいませんか?
そういったパワハラの要素が全面に出ている人は、この興奮型と言えるでしょう。
子どもに置き換えた場合、わかりやすいキレ方をしている子ども…つまり、友だちを突飛ばしたり、すぐに思っていることを言ってキレるタイプの子は、興奮型と言えるでしょう。
キレる子どものタイプ②:無言型
明らかに不機嫌なのは目に見えてわかるのに、何も言わずに無言でイライラしている子はいませんか?
職場でも「今日この人機嫌悪いな」と誰が見てもわかるのに、何も話さない人っていますよね?
そういった、無言でキレるタイプの子は、無言型と言えるでしょう。
この無言型、周りに危害を加えそうにはありませんが、空気の読める人が周りにいると、興奮型の子よりも、周りに与える影響は大きい場合があります。
また、子ども自身も黙って怒りと戦っているので、なかなか外に放出されず、怒る感情を落ち着かせるのに時間がかかってしまうのも特徴と言えるでしょう。
キレる子どものタイプ③:凍りつき型
キレる子どもタイプとして一番厄介と言えるのが、この凍りつきタイプです。
怒りから動けなくなったり、何もできなくなったりしているのに関わらず、大人から見ると「何か困っている子」という風に認識される可能性もあるため、なかなかキレていることに気付いてもらえません。
また、子ども自身も「どう怒っていいのかわからない」と、自分がキレている感情を表に出せないので、怒りの処理ができません。
キレている結果を周りから気付いてもらえなければ、また同じ内容でキレる結果となってしまいますし、周りも子ども自身も何も改善されず、悪循環が続いてしまいます。
なぜ子どもはキレるのか?
次に考えていきたいのは、『なぜ子どもがキレるのか?』というポイントです。
我々大人も一緒ですが、意味もなくキレることなんてあり得ませんよね。
子どもたちも同様で、キレるのには理由が存在します。
ここでは、子どもがキレる理由について考えていきましょう。
子どもがキレる理由①:自分の意見を押さえつけられている
子どもたちの間違いを正していくのは大人の仕事なので、なんでもかんでも子どもの好きなようにさせていいわけではありません。
しかし、子どもにも自分の意見もあれば、気持ちも存在します。
・したくないものを親の考えで無理矢理させている
・子どもの意見を聞かずに頭ごなしに叱る
・親が力で押さえつけている
上記のように、子どもの意見や気持ちを聞かず、一方的に親御さんや周りの人が意見や考えを押し付けると、子どものフラストレーションは貯まっていきます。
また、親御さんに意見を言えなければ、子どもは不平不満を発散する場も奪われていくのです。
お子さんにとって、大人や周りからの重圧や押さえつけが大きければ大きいほど、フラストレーションは貯まりに貯まり、爆発しキレやすい子どもへとなっていってしまいます。
子どもがキレる理由②:親とのコミュニケーションが少ない
友だちや学校の先生、子どもたちには沢山の頼る場所や、話を聴いてくれる場所が存在します。
しかし、何より子どもが信頼して、安心して甘えられる存在というのは親御さんです。
その親御さんとのコミュニケーションが少ないと、子どもは本当の意味で感情を出せる人がいなくなります。
甘えたり爆発したりと、無条件の愛情で受け入れてくれるのは親御さんだけです。
親子のコミュニケーションが少ないと、甘える場所が減ってしまうため、子どもは感情を上手に発散させる場が少なくなるので、どうしてもキレやすくなってしまうのです。
子どもがキレる理由③:発達障がいが隠れている
発達障がいは、重度のものもあれば軽度なものも存在します。
一番見落とされそうなグレーゾーンの子どもたちは、誰にもわかってもらえない苦しさやもどかしさに悩んでいます。
感情がうまく表現できないから…
自分の気持ちが自分自身もわからないから…
その結果、怒る、暴れるといった行動に出るしかなくなるのです。
しかし、グレーゾーンの子や発達障がいと診断されていない子は、周りから『特性』と理解されず、『わがまま』というレッテルで見られてしまいます。
もし、お子さんに気になる症状等があれば、発達障がいも視野に入れてみましょう。
お子さん自身もキレる理由がわからず、キレるという感情に苦しんでいるかもしれません。
子どもがキレる理由④:反抗期
親御さんも通ったであろう、反抗期。
この反抗期は、どんなにお利口で大人しい子どもにも存在します。
むしろ、反抗期がないと、大人になってから感情の表現が上手にできなくなったりするため、この反抗期はとっても大切なものです。
反抗期の最中というのは、誰かれ構わず反抗するわけではありません。
親御さんに甘えて、親御さんが受け入れているのを理解しているからこそ、親御さんにイライラして、キレるといった行動にでるのです。
キレる行動が一時的なもので、年齢的にも反抗期の時期であれば、そう気に病む必要はありません。「一過性の反抗期か」と、デンと構えておきましょう。
また、反抗期は一生に一度ではありません。
小学校高学年の時や中学生の時と、生涯のなかで複数回に起こって出現するので、それも踏まえて構えておけば、何も慌てる必要はないと覚えておいてください。
子どもがキレたときの対処方法
それでは、子どもたちがキレたとき、どのような対応をしていけば良いのでしょうか?
体格の大きい子と小さい子では、キレたときの対処方法は異なります。
今回は、キレたときの対処方法を、子どもの年代別で見ていきたいと思います。
子どもがキレたときの対処方法①:幼少期
小さな子どもがキレる姿は、駄々をこねていて可愛いようにも感じますが、キレる時間が長時間に渡ると親御さんもイライラしてしまいますよね。
実は、幼少期の子どもがキレているのは、自分の感情をうまく人に伝えられていないケースが多いです。
・子どもの気持ちを聞く
・頭ごなしに叱らない
・体調が悪い等の変化に気付く
上記3点をまずは視野に置いて、キレているお子さんに接してみてください。
なぜ、子どもの気持ちを聞くといったことを念頭に置くかというと、幼少期の子のキレ方は理不尽だからです。
そんな理不尽な姿を見たら、親御さんはどうしてもイライラしてしまいます。
そのため、子どもの気持ちを聞く、頭ごなしに叱らないといった風に、親御さん自身が気持ちを落ち着かせながら話を聞くと、子どもも思いを伝えられやすくなります。
また、上手に気持ちを伝えられない結果、体調不良等も親御さんに伝えられていない可能性があるので、理不尽なキレ方のときは、体調面も気にしてあげるようにしてみましょう。
子どもがキレたときの対処方法②:学童期
学童期というのは、6年間という、とても長い期間になります。
自我が芽生えたり、反抗期があったり、思春期に突入したりと子ども自身もとても著しく成長していきます。
そんな学童期の子どもがキレたときは、まず温かく見守ることを意識しましょう。
学童期の子がキレると、それを正そうと強く指導をしがちですが、たとえば暴れまわっている子どもを押さえつけたとしても、プラスにはなりません。
子どもの身に危険を感じる場合、周りの子に危害を加えそうな場合以外は、まずは子ども自身が落ち着くのを待ってあげましょう。
子どもが落ち着いた後は、何が嫌で、何にキレたのか、一緒に探っていくようにしてあげてください。
学童期の子どもは、自分自身も成長の早さについていけず、苦しんでいるパターンもあります。
中学生や高校生になる前に、子ども自身が自分の口で相手に気持ちを伝え、気持ちの整理ができるようにするためにも、この時期はとても大切な時期となります。
子どもがキレたときの対処方法③:学齢期
半分大人になりつつある学齢期。
この時期は友だちとの問題や、好きな人との問題といった今までになかった人間関係で悩む時期にも突入します。
子ども自身も気付いていないところで、ストレスやイライラが貯まり、キレるといった行動に出てしまう可能性も十分にあるのです。
この学齢期で最も大切となる行動は、子どもを否定しないという点です。
大人になりつつある子どもは、自分がしている行動が悪いというのも認識しています。
キレたり暴れたりするのが悪いと感じていても、それ以上に不安や苦しみ、悲しみといったどうしようもない感情が押し寄せているのです。
子どもが落ち着いたときに、親御さんが話を聞く点を大切にし、一緒に何がいけなかったのかを考えていきましょう。
これは、子ども自身の怒りを解消するのと同時に、親御さんとの信頼関係も深めていく結果となります。
親御さん自身も、親御さん自身の友人が怒っていて感情的になっている場合、まずは話を聞きますよね。
学齢期の子どもにも、同じような対応をしていってあげたら良いのです。
子どもがキレたときの対処方法④:保護者の対応
子どもがキレた時、どの年代にも共通して言えるのが、まずは親御さんが一呼吸つくという点です。
キレている子どもを見て、楽しい気持ちになる親はいないですよね。
多少なりとも面倒だと感じ、親御さんにもイライラが移ってしまいます。
でも、親御さんが子どもと共にキレてしまったら、その場は収まりません。
キレた子どもへの対応として、頭ごなしに怒らない、押し付けないというポイントがありますが、親御さんが感情的になってしまうと、どうしても、押し付けたり、感情的になってしまいます。
ですから、どんな場面であったとしても、まずは親御さんが一呼吸つくようにしましょう。
親御さんが感情的になりそうであれば、しばらくの間、子どもを見ないようにするのもひとつの選択です。
一呼吸置くのは慣れないと一番大変かもしれませんが、『子どもがキレたら深呼吸』を合言葉に実践してみてくださいね。
キレにくい子どもに改善するための方法
では最後に、キレにくい子どもに変えてあげるには、どんな方法があるでしょうか?
キレるという行動は、お子さん自身とても辛いものがあります。
キレにくい子どもになる方法を一緒に考えてみましょう。
キレにくい子どもに改善するための方法①:受け止め話を聞く
親御さんが夫婦喧嘩をしたり、職場でイライラする出来事があった場合、どうしたら気持ちが楽になりますか?
イライラの感情を消化するのは、とても難しいですよね。
それは大人であっても、子どもであっても一緒です。
イライラの感情の消化法として、最も簡単で効果的なのは、周りの人が受け入れ、話を聞くといったポイントになります。
親御さんは大人だからキレたとしても、周りの目も気にせず暴れるといった行動はしませんよね。
その変わりどうしますか?
親しい人や信頼できる人に、愚痴をこぼしたり話を聞いてもらったりしませんか?
人は受け入れられると安心しますし、自分の味方でいてくれると感じられるようになります。
また、受け入れてもらえるとストレスや不満を発散させて、フラストレーションを貯めないようにできるので、キレる回数も減っていきます。
子どもがキレる回数を減らすためには、まずはお子さんを受け入れ、話を聞いてあげる環境を作っていきましょう。
キレにくい子どもに改善するための方法②:疲れを貯めすぎない
子どもってとっても元気ですよね。
そんなに動いているのにどうして疲れないんだとうって思ったりするときないですか?
大人だって同じかもしれませんが、楽しいことをして夢中になっている時は疲れに気付きません。
しかし、疲れが貯まると心に余裕もなくなりますし、キレる回数も増えてしまいます。
親御さんの周りにも、忙しくていつもイライラしている人いませんか?
子どもも疲れを貯めすぎると、この状態に陥ってしまうのです。
そこで、子どもをキレやすくしないためにも、疲れを貯めすぎないようにしましょう。
子ども自身は疲れていないと感じていたとしても、実際はわかりません。
・適度な睡眠を取らせる
・習い事や部活ばかりではなく、適度な休暇を取らせる
・栄養のある食事を摂り、免疫力を上げる
・子どもの好きなものを取り入れリフレッシュさせる
子どもは自分の疲れと向き合うのは難しいため、親御さんが適度な休息を取らせてあげる工夫をする必要があるのです。
身体が元気だと心に余裕が出て、キレる回数も落ち着いてくるはずです。
また体調を整えるのは、健やかに生きる為にも非常に大切です。
是非、心と身体のために、疲れを貯めない工夫をしてみましょう。
キレにくい子どもに改善するための方法③:規則正しい生活を心がける
規則正しい生活とキレにくくするのは全然違う問題ではないかと思うかもしれませんが、実は大きく関係します。
不規則な生活をすると、体のリズムが狂います。
たとえば寝不足が続き、偏った食事をしていると、体に負担がかかってしまいます。
寝不足が続けば親御さんもイライラしますよね?
基本的には親御さんが仕事で疲れたときにイライラしてしまう場面と、子どもがイライラしてキレる場面は同様だと考えて大丈夫です。
規則正しい生活を取り入れる、心と生活にゆとりある暮らしを目指していきましょう。
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子どもがキレるのはコップの水がこぼれたとき。お子さんと向き合う時間を増やしていこう!
人というのは心に余裕があればあるほど、穏やかに過ごせます。
結果、子どもがキレるというのは、子どもの心がいっぱいいっぱいになっている証拠です。
普段から子どもを受け入れる姿勢を忘れず、子どもがキレているときには、頭ごなしに怒らない。
そうすれば少しずつ、子どもも落ち着きを取り戻していきます。
また、子どもが落ち着いている時こそキレにくい子どもに改善していけるチャンスなので、ゆっくり子どもと向き合い、他愛のないおしゃべりを楽しんでください。
そんな時間が増えることで、お子さんは落ち着きを取り戻していきますよ。
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