【子どもの引っ込み思案】特徴と原因を知り、少しずつ改善する方法
お子さんはどんな性格をしていますか?
・活発で明るい
・恥ずかしがり屋の引っ込み思案
・優しくて泣き虫
子どもが100人いれば、お子さんの性格はもちろん100通りあります。
引っ込み思案のお子さんも、いいところはたくさんあり、それがありのままのお子さんの姿です。
しかし、この記事を読んでいる親御さんは、お子さんの引っ込み思案で悩んでいるお母さんではないでしょうか?
そこで今日は、『なぜ子どもが引っ込み事案な性格になっているのか?』
『どうすれば子どもの引っ込み思案は改善されるのか?』について考えていきたいと思います。
引っ込み思案の子どもの特徴
親御さんは、お子さんのどんな性格を見て、引っ込み思案だと感じていますか?
もしお母さんがそう感じていても、お子さんは親御さんの前では静かにしているだけで、友だちの前だと元気いっぱい遊んでいるかもしれません。
まずは、引っ込み思案の子どもの特徴について考えてみましょう。
引っ込み思案の子どもの特徴①:環境の変化に適応できない
例えば、公園で遊んでいるときに、誰も知っている子がいなければ、お子さんはどうするでしょうか?
・輪の中に入っていけない
・ひとりで遊んでいる
・親と離れることができない
上記のような行動を取っているお子さんを見ると、「うちの子って引っ込み思案だなぁ」と感じるかもしれません。
でも、よく考えてみてください。
親御さんも初めての場所や、環境の変化にすぐ適応できますか?
大人になるまでの積み重ねで、徐々に適応できるようになっている可能性は十分あります。
しかし、お子さんは、まだまだ小さな子ども。
経験も積んでいなければ、対処の仕方もわかりません。
なので、周りの子が声を掛けてくれているのに、輪の中に入れず、親と離れられないだけかも知れません。
周りが配慮してくれているにも関わらず、適応できない子は引っ込み思案と言えるかもしれませんが、環境の変化に慣れないからと引っ込み思案と決めるのは止めましょう。
すぐに順応できない子もいるので、引っ込み思案と認定する前に少し様子を見てあげてください。
引っ込み思案の子どもの特徴②:目立つのが苦手な恥ずかしがりや
授業中に手をあげられない。
みんなの前で発表できない。
誰しも、人の前に立つというのはドキドキするものですが、引っ込み思案の子どもは、そのドキドキが人の何倍もあります。
目立つのが苦手で、とっても恥ずかしがりやさんな子ってどこにでもいますよね?
お子さんは、「これでいいのかな?」「みんな見ているかな?」と恥ずかしい気持ちが前に出てしまうだけなのです。
これは、経験を積んでいないという点もあげられますが、育った環境も大きく影響するポイントとなります。
引っ込み思案の子どもの特徴②:自分に自信がない
クラスで目立つのはいつも物事をハッキリ伝えて、自分に自信がある子ではありませんでしたか?
性格と言えばそれで終わってしまうかもしれませんが、引っ込み思案の子どもたちは、どの子も自分に自信がありません。
・嫌われるのが怖い
・間違うのが怖い
・どうせ私の話は聞いてくれない
せっかく勇気を出して声を出したとしても、引っ込み思案の子は自分に自信がないので、出した声も小さく、周りの人に届かないことも…。
結果、出した勇気も周りにかき消されてしまうのです。
1度引っ込み思案と認定されると、周りから決めつけられてしまう点も、なかなか自信がつかないのに繋がってしまいます。
引っ込み思案な子どもになった原因は?
引っ込み思案な子どもの特徴を見て、「あれ、うちの子も引っ込み思案なのでは?」と感じたお母さんも、少なからずいるのではないでしょうか?
それでは、お子さんはどうして引っ込み思案になってしまったのか、原因を探ってみましょう。
引っ込み思案な子どもになった原因①:否定的な環境で育った
幼少期のときの声掛けというのは、とても重要になっていきます。
親御さんとしては、子どもに頑張らせたくて、もっと強くなって欲しくて、厳しくしてきたつもりであっても、声掛けひとつで、その子の自尊心は大きくも小さくもなるのです。
親御さんはそんなつもりがなかったとしても、否定的な言葉掛けが多ければ多いほど、子どもは自分の行動に自信が持てず、自発的に何かをするのを恐怖と感じてしまいます。
たとえば、お手伝いをした子に、お手伝いをしたことを褒めるのではなく、完璧にできなかった点を指摘したことはありませんか?
頑張った結果よりも、できなかった点を残念がりませんでしたか?
こういった否定的な環境で育ってしまうと、お子さんは行動するのを恐れ、どんどん引っ込み思案になってしまうのです。
引っ込み思案な子どもになった原因②:愛情不足
子どもに愛情を掛けない親御さんなんていないですよね。
この愛情不足というのは、親御さんがお子さんに愛情を掛けなかったと言いたいわけではありません。
お子さんにとって欲しかった愛情と親御さんが与えた愛情の量に、違いがあっただけです。
・共働きで親御さんは殆ど家にいなかった
・きょうだいが多かったので、その子に掛けてあげる時間が少なかった
・家庭内で喧嘩が多かった
共働きの親御さんはどうしてもお子さんと一緒に過ごす時間が少なくなってしまいます。
きょうだいが多い場合は、お子さんひとりひとりに掛ける時間も必然的に少なくなってしまいますよね。
お子さんはもっと自分と一緒にいて欲しと思うかもしれませんが、子どもは子どもなりに、親御さんが忙しいのも理解していますし、空気を読むようになります。
自分の気持ちは押し殺し、親御さんを困らせないように「一緒にいたい」「寂しい」という言葉を言えなくなってしまうのです。
また残念なことに、夫婦喧嘩が絶えず、家庭不和が続いた場合、お子さんは家庭で満足に過ごせなかったという結果となります。
お父さんとお母さんの喧嘩を目撃することは、現代では心理的虐待と言われてしまうほど、夫婦の関係というのは子どもに大きな影響を与えてしまうと言われています。
満足した愛情を受けられなかった子は、自分を上手に表現できなくなり、どんどん引っ込み思案になっていってしまいます。
引っ込み思案な子どもになった原因③:遺伝
引っ込み思案に遺伝なんてないと思う人もいるかもしれませんが、親御さんが引っ込み思案な場合、お子さんも引っ込み思案になる可能性は上がります。
これはなぜかというと、ひとつは経験する場が減ってしまうからです。
たとえば、社交的な親御さんであれば、ママ友たちとよくランチに行ったりしますよね。
ママ友同士で過ごしているときに、子ども同士も一緒に過ごせばどうでしょう?
子どもも人と過ごす時間が増えていきます。
しかし、引っ込み思案な親御さんは、周りの人と過ごすよりも自分ひとりで過ごす時間を好みます。
親御さんが人と接する場が少なくなれば、必然的にお子さんも人と接する時間が少なくなるのです。
幼少期に形成された性格というのは、変わるのはなかなか難しいことです。
結果、小学校、中学校と年齢を重ねていったときに、お子さん自身、人と接するという基盤ができていないので、少人数の輪で生きていく形となってしまいます。
引っ込み思案という親御さんが作ってきた環境は変わらないまま生活していく形になってしまうので、年齢を重ねてもなかなか引っ込み思案は改善されません。
引っ込み思案な子どもになった原因④:いじめ
活発なお子さんが引っ込み思案になる大きな要因として、いじめが存在します。
これは非常に残念で悲しい話となってしまいますが、いじめ防止対策法案が施行されても、いじめは絶えません。
周りからすれば、ただの冷やかしや、おちょくりだったとしても、本人が嫌だと感じたらそれはいじめです。
いじめを受けてしまった子は、どんどん自信をなくします。
自分で自発的に行動するのを恐れ、どんどん自分の殻に閉じこもっていってしまうのです。
一旦いじめが止んだとしても、また同じ事態にならないようにと、いつもビクビクしながら目立たないように過ごしていきます。
習慣というのは怖いもので、目立たないように過ごしていけば、いつのまにか活発だった自分も忘れ、静かに過ごす自分だけが根付いていってしまうのです。
いじめで引っ込み思案になる…それはとても悲しい現実ですが、こういった場合は、こころの病も併発している可能性もあるので、カウンセリング等も視野に入れながら、お子さんの元気を取り戻していってあげてくださいね。
引っ込み思案の子どもへの対応法
引っ込み思案は決して悪いものではないので、直す必要もありません。
しかし、お子さんが極度の引っ込み思案だった場合、子ども自身が大人になったときに苦労をします。
ここでは、引っ込み思案の子どもへの対応法を知っていきましょう。
引っ込み思案の子どもへの対応法①:親が見本を見せる
引っ込み思案の子どもは、どこかしら遠慮しながら生きています。
遠慮しながら生きている子というのは、人に文句を言われたり、嫌われたりしないように、周りの様子をよく見ています。
周りの様子をよく見ているというのは、親御さんの変化にもよく気づくはずです。
親御さんの行動が変われば、お子さんも少しずつ変わっていきます。
・親御さんが積極的に動いていく
・周りの人と関わるようにしていく
・親御さんが声掛けを変える
上記のように、まずは今の親御さんの行動を、少し変化させてみましょう。
ちょっと押し付けたり、否定してしまうような言い方をしていれば、受け入れるような声掛けに変えていきます。
親御さん自身が引っ込み思案であったり、消極的なのであれば、まずは親御さんが積極的に動いたり、人と関わるようにしてみましょう。
親御さんの行動に変化が生まれれば、子どもも「こんな風にしたらいいんだ」と気持ちが変化していきます。
気持ちさえ変化すれば、行動にも変化が出てきます。
まずは、親御さん自身が現状を少しずつ変えて、お手本を見せてあげましょう。
引っ込み思案の子どもへの対応法②:断る勇気を教える
お子さんは友達に「おもちゃを貸して」と言われたとき、断れますか?
学級委員を頼まれたり、嫌なものを頼まれたりしたときに断れていますか?
引っ込み思案の子どもは、断るという勇気をなかなか持ち合わせていません。
断ってはいけない…引っ込み思案だからゆえに発言するチャンスを逃して、断るタイミングを逃した…。
こんな子はたくさんいます。
でも、断る勇気を持たなければ、お子さんはどんどん追い込まれ、苦しい思いをする結果となるのです。
・親御さんが一緒に断るようにする
・まずは親御さんに断る練習をさせる
・断るのは悪いことではないと教える
上記のように、お子さんに断る勇気を教えてあげましょう。
お子さんが断れないまま大人になってしまうと、必要のないものを購入されたり、事件に巻き込まれたりするリスクも上がります。
断る勇気というのは、我々大人でも難しいですが、スモールステップとして、まずは親御さんが言ったことに対して断れるようにしていくと良いかもしれませんね。
引っ込み思案の子どもへの対応法③:些細なところを見逃さない
引っ込み思案の子は、周りの子が問題なくできることを、うんと勇気を出して行っています。
・お子さんが発した言葉を逃さない
・お子さんがした行動を逃さない
お子さんがする行動や発する言葉というのは、大人が思っている以上に勇気を持って行っています。
お子さんが行動したものや、言葉というのは絶対に見逃さず、褒めて受け入れてあげましょう。
お子さんが勇気を出してしたものが褒められ、受け入れられれば、お子さんの自信へと繋がります。
自信が出れば、できるものがどんどん増えていくのです。
アンテナを張って、お子さんの小さな勇気や小さな行動を見逃さないようにしてあげてくださいね。
引っ込み思案で人生を損させたくない!ならば、ますは親御さんが行動を変えてあげよう
引っ込み思案な子どもは、どうしても元気な子や積極的な子に存在を隠されてしまいます。
しかし、お子さんだって楽しむ権利もありますし、幸せにならなければなりません。
子どものときもですが、大人になっても、引っ込み思案な子は、嫌なことを頼まれてしまうことや、怒らないからと存在をないがしろにされてしまいがちです。
そんなの悲しすぎます…。。
お子さんの引っ込み思案といった性格で、お子さん自身が損をしないために、今から少しずつ声掛けを変えて、積極的に変われるチャンスを作っていってあげましょう。
子どもの可能性は無限大です。
今まで経験したことのないものをスタートさせるといった、ささいな所から少しずつ、親御さんが行動を変えてみてください。
私たちのサイトでは、この他にも様々なお子さんの学習や学校生活に役立つ情報を取り扱っているので、興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。