勉強にストレスを感じると現れる症状とストレス対処法
「勉強ってストレス…」
「どうして勉強がストレスになるの?」
「ストレスを失くす方法を教えて欲しい」
こんなことでお悩みではありませんか?
「勉強しなくちゃ…」って分かっていても、喜んで机に向かう子はあまりいませんよね。
勉強にストレスは付きもので、行き過ぎると様々なストレス症状が出てしまいます。
中でも、うつを発症してしまうと、「たかがストレス」と笑ってはいられません。
そこで今日は、勉強にストレスを感じると現れる症状について詳しく解説します。
これを読むと、ストレス撃退法も分かって自分でも対処できるようになるので、ぜひ最後までお読みください。
勉強にストレスを感じると現れる症状4選
勉強にストレスを感じているときに現れる症状には、どのようなものがあるのでしょうか?
具体的には以下の4つの症状が考えられます。
1. 息苦しさ
2. イライラ
3. 吐き気
4. うつ症状
どの症状も勉強のストレスによって感じる症状なので、体の異変を感じたら必ず休息を取ってください。
では、詳しく解説していきます。
ストレスが体の不調につながる理由
まずストレスが常にある状態だと、自律神経の中でも交感神経系のスイッチが常に入り続けることになります。
適度な緊張はアドレナリンなどのホルモン分泌を加速させ、脳の働きを良くできますが過剰に分泌されていると、
● 高血圧
● 高血糖
● 頭痛
● 頻脈
※アドレナリンの場合
…などの症状が出てきてしまいます。
このように交感神経系が過剰に興奮していると、体に良くない影響があるのは想像に難しくないですよね。
ストレス症状①:息苦しさ
過度なストレスを感じていると、息苦しくなることがあります。
ストレスによる息苦しさを感じる理由は、筋肉硬直によって横隔膜が動きづらくなっているからです。
自律神経系には交感神経と副交感神経があり、ストレスによる緊張状態は交感神経が関与します。
ストレスを感じると体は硬直してしまいますが、この硬直状態は交感神経が引き起こしているんです。
そのため、息苦しさを感じた場合には、まずストレス状態から逃げて落ち着くことが重要です。
ストレス症状②:イライラ
続いて勉強によって交感神経優位な状態が続くと、イライラするような症状も出てきます。
なぜなら、勉強による過剰なストレス状態になると、アドレナリンが過剰に分泌されてしまうからです。
アドレナリンは怒りの心理と深い相互関係にあるため、ストレス状態にあると些細なことでイライラしてしまいます。
そのため息苦しさの対処法と同様に、イライラを解消する特効薬はストレス要因から一度逃げ出し、落ち着くことです。
ストレス症状③:吐き気
吐き気は上記2つとは異なり。体のストレス反応が脳に伝わって嘔吐中枢を刺激することで引き起こります。
特にストレスによって自律神経系のバランスが崩れれば、胃腸の動きに影響し食べ物の消化に影響があります。
簡単に表を作成すると以下のとおりです。
交感神経 副交感神経
胃腸の動き 止まる 活動する(消化活動)
胃の動き 縮まる 柔らかくなる
仮に副交感神経が動くべきとき、交感神経が優位になってしまうと、どうなるでしょうか?
食べ物を食べているのに胃が縮まっていることで、脳の嘔吐中枢が刺激され吐き気を催してしまうでしょう。
このように勉強のストレス状態によって、自律神経系のバランスが崩れると様々な症状がでてきてしまいます。
ストレス症状③:うつ症状
最後により深刻なストレス症状としては、受験うつや勉強うつがあります。
15歳から24歳といった少年・青年期間にうつ症状を持つ割合は約3.3%といわれており、中学・高校の同級生が100人いるとすれば、3人がうつ症状を発症している計算です。
うつ症状には様々な原因があり、原因と対策が取りづらいのも厄介な点です。
中学校・高校は特に進路や成績に対して過敏になる年頃なので、少しでも体に不調を感じれば、ゆっくり休みをとるようにしましょう。
具体的なうつ症状については以下のとおりです。
● うまく睡眠が取れない(不眠症状)
● 摂食障害がある
● 体の疲れが上手く取れない状態
またその他にも、冒頭からお話ししている
1. 息苦しさを感じる
2. イライラする
3. 吐き気を感じる
といった症状もうつ症状の前兆として考えられるので、特に受験期においてはストレスコントロールと健康管理が重要になってきます。
勉強のストレスを解消する方法10選!
では、続いて勉強のストレスを解消する方法10選をお伝えしていきます。
勉強のストレスからは逃れられないものであり、過剰なストレス状態が様々な症状を及ぼしてしまう事は、まず押さえておきましょう。
ただ、適度なストレスはアドレナリンの作用により、脳の働きを良くしてくれるので、多少の緊張感は良い効果をもたらすこともあります。
最も大事なのは、勉強で感じたストレスをいかに解消するのかというストレスコントロールなので、この項目を参考にして自分なりのコントロール方法を考えてみてください。
ストレスを解消する方法①:寝る時に今日のよかったことを思い出す
まず第1点目のストレス解消方法は、眠る時に今日よかったことを思い出す方法です。
これをやると、成長や喜びを感じることでポジティブな思考になれる効果があります。
ただ多くの子が、勉強で1日の成長を感じるのは難しいですよね。
そのため、成長のレベルを低く抑え、例えば漢字が1つでも覚えられたら今日は大成功!という考えを、お子さんと共有しておくとよいでしょう。
この思考が身につくと、次の小さな成功体験を積み続けるにも良い影響を与えます。
ストレスを解消する方法②:小さな成功体験を積み続ける
ストレスを緩和するためには、小さな成功体験を積み続けることが重要です。
なぜなら、ゴールが見えない勉強は効率が落ちてしまいますし、ストレス要因となってしまうからです。
小さな成功体験とは言い換えると、常に小さなゴールを見つけクリアし続けるといった考え方を指しています。
そのため、まずはお子さんの成功体験であると感じる要求レベルを下げ、小さなゴールを見つける訓練を行っていきましょう。
その後、どれだけ勉強の進捗が捗らなくても、小さな成長点を見つけてポジティブに考えていくことが重要です。
ストレスを解消する方法③:Twitterの裏垢を作成して吐き出す
また勉強中の行動だけでなく、TwitterなどのSNSを使って思いを言葉にすることがストレス緩和につながる可能性があります。
なぜなら、言葉を伝えることで誰かから共感をもらえ、『自分だけが悩んでいるのではない』と感じられるからです。
特に友達を一切切り離して完全なプライベートアカウント(通称:裏垢)を作成して言葉を吐露しておくとよいでしょう。
ただし、利用する場合には必ず親御様と相談し、むやみにDMを使わない、利用時間を決めるなどの措置を講じておきましょう。
ストレスを解消する方法③:思い切って涙を流してみる
思い切って涙を流してみるのも、ストレス緩和に役立ちます。
涙にはエンドルフィンという脳の苦痛を和らげる物質も含まれているため、極度のストレスを感じた場合には、感動的な映画などを見て思いっきり泣いてみるといいでしょう。
さらに声を出すのもストレス解消に役立つので、誰にも見られないところで感動的な映画を見て、号泣すると相乗効果を期待できます。
ストレスを解消する方法④:先人の知恵を借りる
ストレス要因が勉強の進まなさに起因するのであれば、先人の知恵を借りると意外と胸がスッとなることも多いです。
なぜなら、受験や試練といった人生の分かれ道は、多くの偉人も同様に体験しており、どのように対処したのかや考えたのかなど共感できる言葉が残されているからなんです。
例えば、バスケットボールの天才的プレイヤーとして名高いマイケルジョーダンは『仕事をするからこそ報われるんだ。人生にショートカットなどない。』という名言を残しています。
このようにお子さんの身近な偉人を見つけ、名言を教えてあげるとストレス軽減に役立つでしょう。
ストレスを解消する方法⑤:腹式呼吸をする
脳に十分な酸素が回らないと、ぼーっとしたり、集中力がなくなってかえってストレスが溜まります。
そのため、腹式呼吸によって空気を肺に送り、酸素を循環させましょう。
特に冒頭でもお伝えしましたが、交感神経が優位の状態では横隔膜が固まってしまい呼吸が浅くなってしまうので、意識して腹式呼吸を行ってください。
ストレスを解消する方法⑥:飲み物を飲む
糖分が多く含まれた清涼飲料水ではなく、ホットミルクやココアなどのリラックス効果のある飲み物を飲むと、ストレス軽減に役立ちます。
具体的なおすすめの飲み物は以下のとおりです。
● ホットミルク
● ホットヨーグルト
● ココア
● ハーブティー
● グレープフルーツジュース
これらの飲み物を休憩時間や勉強中に飲んで、集中力UPとリラックス効果UPを狙いましょう。
ストレスを解消する方法⑦:愚痴を言い合う
勉強に関する愚痴を友だちと話すと、ストレス軽減に役立ちます。
なぜなら、共通の話題で愚痴を言い合えば、共感されながら話を聞いてもらえるからです。
心の内に秘めている思いを誰かに伝えることで、鬱屈した気持ちも少しずつ晴れていくのでオススメです。
ストレスを解消する方法⑧:勉強以外のストレスをなくす
また勉強以外のストレスをなくしていく方法もあります。
なぜなら、勉強のストレスはお子さんの学力を高める事につながりますが、SNSでのストレスや家族関係でのストレスはお子さんの人間性を成長はさせてくれても、それで成績は上がらないからです。
ですので、受験期などは身の回りのストレスを排除していくようにしましょう。
ストレスを解消する方法⑨:一旦寝てみる
ストレスを感じているとわかったときには、思い切って寝てみるのも意外とストレスが発散されます。
なぜなら、ストレスの要因には脳が疲れているというのも含まれるからです。
脳が疲れている時には睡眠がイチバンの特効薬で、深い眠りが必要です。
ただ、過大なストレスが掛かっている場合には浅い眠りにしかならないため、早めにストレス要因を取り除く必要があります。
勉強にストレスを感じる理由
最後の項目では、勉強にストレスを感じてしまう理由について詳しく解説します。
勉強にストレスを感じる具体的な理由は以下のとおりです。
● 強制されるものと感じるから
● 努力量と結果にギャップがあるから
● 時間が迫ってくるから
● メリットを感じられないから
1つずつ詳細に解説します。
ストレスを感じる理由①:強制されるものと感じるから
勉強は今は必要ないと感じている分野でも、強制的に覚えていかなければならないため、ストレスを感じやすいです。
特に人間は意味がないことを無理やりさせられると無気力を感じてしまうので、詰め込み型の勉強は絶対にやめておきましょう。
ちなみにこの強制されて無気力さがでてくるのは学習性無気力と呼ばれ、勉強を行う上で絶対に避けなければならないものです。
ストレスを感じる理由②:努力量と結果のギャップに苦しむから
モチベーションを保って努力して勉強しても、努力量と結果にギャップが生じてストレスを感じてしまいます。
勉強して結果に反映されるまでは、少なくとも1ヶ月、長いと数ヶ月かかってしまうので、この期間はストレスフルな状態になるといえるでしょう。
繰り返しになりますが、まずは小さなゴールを決めてギャップを埋めるところから始めていくと、このストレスへの対処となります。
ストレスを感じる理由③:時間が迫ってくるから
特に受験生に多いのが、時間が迫ってくる感覚に陥ってストレスに感じる点です。
避けられないもの、特に結果が出される試験などが迫ってくると、どんなお子さんでもストレスを感じてしまうものです。
このストレスは避けられないものとしてカウントし、結果が悪くても過程が良ければ良いと話をしてあげるのがストレスケアとして有効です。
ストレスを感じる理由④:メリットを感じられないから
勉強に対するメリットが感じられず、ストレスを感じてしまうこともあります。
学習性無気力の話とも通じますが、メリットがなければ基本的に人は動けない・動かないからです。
このような状態に陥るのを防ぐためには、夢や目標を立て、夢の実現のためにどれだけの勉強が必要なのかコールを定めるとストレス軽減に役立ちます。
勉強にストレスはついて回るものと覚悟して、ストレスが小さいうちに解消していこう!
勉強だけを無意味にやっているとストレスフルな状態になり、最悪の場合、うつを発症してしまう場合もあります。
勉強のストレスを完全になくすことは不可能なので、まずは緩和することに努めましょう。
コツは、少しでもストレス症状を感じたら一刻も早く対処していくことです。
ストレスが小さなうちであれば深呼吸だけで済みますが、大きくなってしまえば散歩をしても遊んでも愚痴を言っても解消されなくなってしまいます。
お子さん自身は気が付きにくい場合もありますので、ご家族の方もお子さんを注意深く見守ってあけてくださいね。