勉強の集中力を高めるブドウ糖を効果的に使う方法
「勉強中ってブドウ糖がいいの?」
「ブドウ糖が足りないと頭の回転が悪くなるってホント?」
「どうやって取ったらいいの?」
「頭を使うと甘いものが欲しくなる」ってよく聞きますよね。
ブドウ糖は脳のエネルギー源となっており、欠乏すると集中力の低下などが引き起こってしまいます。
でも、『糖』と書かれているように、過剰摂取してしまうと副作用があるのも事実です。
そこで今回の記事では、ブドウ糖にまつわる勉強への効果や副作用などを分かりやすくお伝えしていきます。
この記事を読むと、勉強にブドウ糖が有効な理由が分かるのでぜひ最後までご覧ください。
脳にブドウ糖が不足すると起こる症状
脳にブドウ糖が不足すると起こる症状には、どういったものがあるのでしょうか?
ブドウ糖は自然界に最も多く存在する糖の一種で、体への吸収率はかなり早いです。
そんなブドウ糖には、以下のような働きがあります。
1. 筋肉を正常に動かす
2. 脳のエネルギー源
特に中学生や高校生のお子さんを持つご家庭では、脳のエネルギー源としてのブドウ糖効果について詳しく知っておけば受験やテストに有効に役立てることかできます。
そこでこの項目では、まずブドウ糖が不足すると何が起こるのかについてについて詳しく解説していきます。
具体的には以下の通りです。
1. ブドウ糖が不足すると勉強が非効率になる?
2. ブドウ糖不足で集中力がなくなるのは嘘?
3. ブドウ糖の摂取量はどれくらいが適切なの?
詳しく見ていきましょう!
ブドウ糖が不足すると起こる症状①:勉強が非効率的になる?
ブドウ糖は脳を動かすためのエネルギー源なので、不足すれば勉強が非効率的になると言っても過言ではありません。
なぜなら、ブドウ糖が不足すると血糖値が下がり、交感神経系のホルモンであるアドレナリンが分泌されることによって、体が興奮状態になってしまい集中力が持続しないからです。
勉強するには体を落ち着かせて集中力を発揮しながら、暗記&理解をしていかなければならない点を考えると、アドレナリンが分泌過多になるのは避けた方がいいでしょう。
ただし、アドレナリンは悪いものではありません。身体を適度な緊張状態にしてくれるので、やる気アップにつながるホルモンだという事は覚えておいてください。
ブドウ糖が不足すると起こる症状②:ブドウ糖不足で集中力がなくなるって嘘?
「ブドウ糖不足で集中力がなくなるなんて、嘘っぽい」って疑問に思う人は多いです。
この情報は一部真実で、ブドウ糖以外で脳の栄養となり得るケトン体を利用すれば集中力を維持できます。
ただし、中高生といった育ち盛りにケトン体を使った集中力維持は、あまりおすすめできません。
なぜなら、ケトン体を利用するためにはブドウ糖が『枯渇した状態』を作り出さなければならず、図らずも中高生に無理なダイエットを強いる結果になってしまうからです。
これらの結果から、中高生が勉強の集中力を維持していくためにはブドウ糖が最も効果的と考えられます。
ブドウ糖摂取過剰で血糖値スパイクの副作用が発生する
ちなみにブドウ糖は脳にいいものだからと摂取しすぎると、過剰摂取で血糖値スパイクといった副作用を引き起こしてしまう恐れもあります。
血糖値スパイクとは、血糖値が急上昇した際にインスリンというホルモンが働き、血糖値の上昇を抑える人体のメカニズムです。
血糖値スパイクが起きると血糖値が急降下を起こしてしまい、眠気やイライラの原因となります。
ブドウ糖の摂取のしすぎは結局、勉強には逆効果。注意して摂取するようにしましょう。
ブドウ糖が不足すると起こる症状③:ブドウ糖の摂取量はどれくらいが適切?
ブドウ糖の1日の摂取量目安は成人で150gと言われています。
ですが消費量は120gのため、摂取目安としてはこの数値を利用すると良いでしょう。
また、1日の目安となる炭水化物の摂取量が320g である点を考慮すると、大体2:1の比率で炭水化物からブドウ糖に変換されると考えられます。
もし仮に勉強中にもブドウ糖を摂取したい場合には、食事から摂取する炭水化物量を少し減らしてチョコレートを1?2片程度、疲れたときに摂取することを推奨します。
ただ、あくまでこれらは目安のため、疲れがひどいときなどは、体に異常がない範囲で多めにとっても問題はありません。
ブドウ糖の摂取はチョコレートでも大丈夫?
ブドウ糖を摂取するのにチョコのお菓子は大丈夫なのかと言われると、適正量であればOKです。
適正量については、一般のチョコレート菓子がどれくらいのカロリー量があるのかを参考にしてください。
※50gあたり279kcal
チョコレートがブドウ糖に変換されるメカニズムは、炭水化物(蔗糖)がブドウ糖に変換されることです。
しかしチョコレートには脂肪分も含まれるため、注意して摂取するようにしてくださいね。
ブドウ糖の摂取は果物でも大丈夫?
チョコレートと同様、果物もブドウ糖を摂取するのに有効です。
チョコレート同様に、各果物のカロリーをきちんと理解した上で適正量を取ってくださいね。
具体的なカロリー表は以下のとおりです。
果物の名前 100gあたりのカロリー
いちご 34kcal
キウイ 53kcal
なし 43kcal
バナナ 86kcal
りんご 57kcal
果物がブドウ糖に変換されるメカニズムは、果物に含まれる果糖が肝臓でブドウ糖に変換されることです。
血糖値を直接的に上げる効果がありませんが、中性脂肪の増加に繋がる可能性もあるので摂取しすぎには注意しましょう。
勉強によってブドウ糖が不足するメカニズム
さて勉強によってブドウ糖が不足するメカニズムとはなんなのでしょうか?
脳は常時ブドウ糖を消費しており、何も動かなくても最低100g程度はブドウ糖を消費してしまいます。
この結果から分かることは、100g÷24時間をすると、何もしなくても、1時間におよそ4g程度を脳が消費してしまうということです。
さらに勉強を1時間すると、100kcal程度消費すると言われているので、よりブドウ糖の消費を加速させていくでしょう。
まとめると以下の通りになります。
1. 脳は何もしなくても1時間に4gのブドウ糖を消費する
2. 勉強によって脳のブドウ糖消費率があがる
3. 結果摂取したブドウ糖が不足するようになる
特に勉強は脳の働きを最大限に発揮しなければいけないので、ブドウ糖の消費が激しいという点を覚えておきましょう。
ブドウ糖を効果的に摂取する方法
ブドウ糖を効果的に摂取する方法をまとめると、以下の通りになります。
1. 食物繊維が多いものと一緒に摂取する
2. そばやバナナなどの低GI値食品を積極的にとる
3. 4?5時間程度の時間をあけて糖を摂取するようにする
※低GIとは糖の消化が遅い食物群です。
日常的にはブドウ糖の元となる糖がすぐに消化されてしまわないように、ゆっくりと消化される習慣をつけておくと良いでしょう。
ただし、試験の時などで頭がぼーっとしてしまって、すぐにでもエネルギー補給をしなければいけない場合には、チョコレートなどの即効性のある食べ物を摂取するようにしてください。
ブドウ糖の効果や持続時間
ブドウ糖の効果や持続時間についても、詳しく知っておくことが必要です。
なぜならブドウ糖に詳しくなることで、普段の生活から勉強の効率を上げられるからです。
この項目でお伝えする内容は以下の通りです。
1. ブドウ糖を体に貯めておける量
2. ブドウ糖の効果時間
3. ブドウ糖のその他の効果
4. ブドウ糖を摂取すると太ってしまうの?
ブドウ糖の効果や持続時間①:ブドウ糖を体に貯めておける量
結論からお伝えすると、ブドウ糖を体にずっと貯めておくことは不可能です。
なぜならブドウ糖は、グリコーゲンに変換されて常に消費されるようになっているからです。
以下にメカニズムを説明します。
脳へ一定のブドウ糖を供給するために、血中のブドウ糖濃度が一定に保たれ、その他の余ったブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓で蓄えられます。
さらに、ブドウ糖は人間の体内で合成することができないのに常に消費されているので、食物などを通して栄養補給を行わなければいけないのです。
ブドウ糖の効果や持続時間②:ブドウ糖の効果時間
ブドウ糖が脳に消費されてしまう限界の時間は、24時間と言われています。
この根拠としては、肝臓に蓄えられているグリコーゲンが24時間で枯渇することから導き出せます。
仮に枯渇すると、ケトン体が消費されるようになり脳へ随時栄養が送られることとなります。
しかし、冒頭でお伝えしたようにケトン体を使った集中力の維持は、育ち盛りの中高生にとっては無理なダイエットになってしまうので注意してください。
ブドウ糖の効果や持続時間③:ブドウ糖のその他の効果
ブドウ糖には勉強以外にも疲労回復効果があります。
ブドウ糖が代謝される際には、小腸から吸収されて肝臓や血液に入り、体中に配給されます。
体内でブドウ糖が消費される際には、ピルビン酸と呼ばれるものに分解され少量のエネルギーが発生します。
ピルビン酸は最終的にクエン酸を発生させるために必要な栄養素となっており、激しい運動をした際などにブドウ糖から変換されると考えておくと良いでしょう。
そのため、激しい運動をした際にブドウ糖を摂取すると疲労回復効果があるのです。
ブドウ糖の効果や持続時間④:ブドウ糖を摂取すると太ってしまうの?
結論としてブドウ糖を過剰摂取してしまうと、太ってしまう可能性があります。
なぜなら、ブドウ糖の過剰摂取によって血液中と肝臓中が飽和すると、インスリンの効果によってブドウ糖が中性脂肪に変換され脂肪細胞に溜め込まれるからです。
このメカニズムは、次回ブドウ糖が欠乏するような飢餓状態に陥った際にでも脂肪を使って生存ができるよう、人体本来に備わっている機能です。
ブドウ糖を過剰に摂取してしまうと、体内に脂肪として蓄えられてしまいます。くれぐれも注意してください。
ブドウ糖のデメリット
ブドウ糖を過剰に摂取してしまうと以下のようなデメリットがあります。
● 高血糖や糖尿病になるリスクがある
● 血糖値スパイクが起こって集中力が低下する
● 脂肪に変わってしまい肥満の原因になる
ブドウ糖は人体が欲している栄養素なので、ブドウ糖が含まれる食品を食べると『もっと欲しい』となってしまいがちです。
しかしながら、ブドウ糖が欲しいという欲求に素直に従ってしまうと、上記のようなあなたの健康を脅かす要因となります。
そのため適切な量を知って摂取するようにしてください。
ブドウ糖が含まれる食べ物
この項目では、ブドウ糖が含まれる食べ物について詳しく解説していきます。
基本的にブドウ糖は、そのもの自体を摂取するのではなく、炭水化物に含まれる様々な糖を分解して体内で吸収していくことを覚えておきましょう。
なぜなら、食品によっては炭水化物と共に脂質などが含まれ肥満の原因となってしまうからです。
では早速見ていきましょう!
ブドウ糖が含まれる食べ物①:通常の食事
ブドウ糖を摂取するのであれば、通常の食事からきちんと摂取するのをおすすめします。
なぜなら、他の食物繊維などの栄養素を一緒にとることによって、効果的に糖をブドウ糖に変換できるからです。
基本的にいつもの食事をきちんと取ることを意識して、勉強中にエネルギー不足にならないように気をつけると良いでしょう。
ただし、あまりにも疲れて集中力が続かない場合には以下のような食品を通してエネルギー補給をするのもおすすめです。
ブドウ糖が含まれる食べ物②:ラムネ
ラムネ菓子にはブドウ糖自体が配合された食品が多く、集中力を高めるために口に含むと良いでしょう。
ラムネ菓子は体が吸収しやすい形態を取っていることが多く、基本的にどのような種類を食べても同じような効果を発揮すると考えられます。
ただし、やはり糖分には変わりないので過剰摂取だけは避けておいてください。
ブドウ糖が含まれる食べ物③:飴
ブドウ糖摂取をするために飴を口に含むのも効果的です。
なぜなら、飴にもブドウ糖のみで作られたものが存在しており吸収が早く集中力維持に役立つからです。
さらに舐めることによって唾液の分泌が活発になり、暗記に役立つとも言われています。
ブドウ糖が含まれる食べ物④:果物
最後にブドウ糖摂取を効率的に行うためには、果物もおすすめです。
果物はデザートとして、食後や食前に食べると良いでしょう。
特にバナナなどの様々な糖が含まれた果物は、段階的にブドウ糖に変わっていくので、すぐに集中力を発揮できます。しかも持続力もあるので、ミラクルフルーツと呼びたいくらいです。
ブドウ糖以外でも!【脳にいい食べ物ランキング】
では続いてブドウ糖以外の脳に良い食べ物をランキング形式で発表していきます。
ブドウ糖以外にも世の中には脳や体を勉強に適した状態に持っていくための食品が数多くあり、体の状態に応じて使い分けていくと良いでしょう。
早速発表していきます。
脳にいい食べ物ランキング①:カフェイン
眠気覚ましに効果が高いのはカフェインです。
カフェインには脳を覚醒する作用があり、コーヒーやお茶などにたくさん含まれていると言われています。
ですがカフェイン中毒といった言葉もあるように、過剰摂取は禁物の食品でもあると覚えておいてください。
カフェインの効能
カフェインは眠気を覚ますためによく使用されます。
そのメカニズムとしては、眠気を感じている時に発生するアデノシンという物質をブロックする働きです。
その他にも鎮痛作用や疲労回復に役立ち、一部医薬品にもカフェインは含有されています。
カフェインの副作用
カフェインには明確な副作用が明記されておらず、注意が必要です。
カフェイン中毒と言った言葉があるように常時カフェインを取っていないと落ち着かないなどの肉体的、心理的な副作用がある可能性がとても高いです。
以下にカフェイン量を明記しておきます。
最大摂取量は1日に400mg以下
コーヒー1杯(約140ml)を飲んだ場合…カフェイン量84mg
マグカップなどで飲む場合(150mlの場合)…カフェイン量90mg
大摂取量は1日に400mg以下と言われているので、健康な人ならマグカップで一日3杯、妊娠中の女性などはマグカップで一日2杯までにしておきましょう。
1日に推奨される摂取量を守って、くれぐれも取り過ぎに注意するようにしてください。
脳にいい食べ物ランキング②:DHA
DHAには神経伝達物質を増やして、脳の回転を早める効能があります。
記憶学習などの機能を持つ海馬の脂肪には20%程度DHAが含まれていると言われており、頭の回転を良くするために摂取した方が良い食品の一例といえるでしょう。
脳にいい食べ物ランキング③:緑黄色野菜
緑黄色野菜にはビタミンやカロテンが多く含まれ、通常の野菜よりも血液をサラサラにして脳への血流を促す効能があります。
特にほうれん草やブロッコリー、かぼちゃといったビタミンKを多く含む野菜は記憶力の維持に役立つとも言われています。
脳にいい食べ物ランキング④:チョコレート
ブドウ糖摂取にも役立つチョコレートですが、カカオの成分を多く含むブラックチョコレートにはアンチエイジングやリラックス効果があると言われています。
その他にも認知能力を増加させるといった効果も認められているため、積極的にブラックチョコレートは取っていきたい食品ですね。
脳にいい食べ物ランキング⑤:ガム
ガムそれ自体には脳に良い栄養素を持っているわけではありません。
しかし、噛むという行為は脳内の血流を増やして、脳を活性化させる効能があります。
特にブドウ糖が欠乏した訳でもないのに勉強にやる気が出ない時などは、ガムを噛んで脳の血流をよくするといいでしょう。
脳にいい食べ物ランキング⑥:納豆
納豆に含まれる大豆には、レシチンと呼ばれるアセチルコリンのもとになる物質が多く含まれています。
アセチルコリンとは神経伝達物質の1つで、記憶力の定着に役立つと言われています。
ブドウ糖以外で!【受験を乗り切るための、勉強に良い習慣】
最後の項目では受験を乗り切るためにブ、ドウ糖を摂取する他に何をしておけばいいのかについて詳しく解説していきます。
具体的には以下の内容についてです。
1. 勉強は午前中から昼頃にかけて行う
2. 早寝早起きの習慣を作る
3. 体力の向上ではなく維持を目指す
詳細に解説していきますね。
勉強に良い習慣①:勉強は午前中から昼頃にかけて行う
勉強は午前中から昼頃にかけて行うのがいいでしょう。
なぜなら、朝は頭がはっきりと冴えており数学や英語といった理解系の科目に相性がよく、昼はアドレナリンなどのホルモンが多く分泌されて活発になるので全ての科目が効率よく進んでいくからです。
夜型のお子さんもいらっしゃるかもしれませんが、出来る限り早寝早起きを意識して、早い時間に勉強を終わらせてしまいましょう。
勉強に良い習慣②:早寝早起きの習慣をつくる
続いて早寝早起きの習慣を作っておくのも重要です。
なぜなら、試験は午前中から夕方にかけて行われるものだからです。
基本的に夜型の生徒は朝に弱く、試験が始まっても本調子が出せない恐れがあります。
そのため、夜型の生活を改めできるかぎり早寝早起きを行っていきましょう。
勉強に良い習慣③:体力の向上ではなく維持を目指す
最後に体力の向上ではなく維持を目指してください。
なぜなら、受験生にとって勉強が第1で激しい運動を行ってしまうと、勉強が手につかなくなる恐れがあるからです。
勉強が手につかなければ本末転倒なので、体力の向上ではなく維持を目指して運動するようにしてください。
ブドウ糖を効果的に摂取して、勉強を有効に進めよう!
ブドウ糖が欠乏すると集中力が落ちてしまい、勉強のやる気がなくなってしまいます。
そのためできる限りブドウ糖を切らさずに摂取するとよいでしょう。
ただし、過剰摂取は肥満の原因にもなってしまうので注意が必要です。
また、勉強をはかどらせるのはブドウ糖だけではありません。例えば、日光浴をすればセロトニンが増えるので「勉強したくないなぁ…」等のネガティブな気持ちを抑えることができ、気分転換したことで「よーし、やるか!」とやる気を出すことができます。
勉強中も適度に散歩等を取り入れ、できるだけ短い時間で集中して勉強を終わらせるようにしてくださいね。