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反抗期がない子どもの将来に共通する心配事とは?

「うちの子、反抗期がないんだけど大丈夫?」
「反抗期がないと何かマズイのかな…」
「反抗しない子は自立できないって本当なの?」

思春期のお子さんがいると、反抗期に悩まされる親御さんは多いと思います。

反抗期というと「もう反抗しちゃって大変!!」「反抗期で話し合いなんか出来ない」等、ネガティブなイメージがあり、「反抗期さえなければ可愛いんだけどね…」なんて思うことも多いと思いますが…、

実は『反抗期がない』ことには、大きな問題が隠れている場合があります。

そこで、今回の記事ではお子さんの反抗期について簡単に解説しながら、『反抗期がなかった場合、子どもは将来どうなるのか?』をお伝えしていきます。
これを読むと反抗期の子をどのように見守っていったらよいのかが分かりますので、ぜひ最後までお読みください。



もくじ

反抗期とは?

反抗期とは、精神の発達過程で周囲の人に対して反抗的な態度をとるようになる状態を指しています。

反抗期は通常2回あります。

この2回の反抗期は、1回目が幼少期に、2回目が思春期に訪れることが多いです。

思春期とは8歳から17歳程度を指しており、一般的にお子さん達が思い悩む時期としても知られていますよね。

反抗期は周囲に対して反抗的になってしまうので、悪いことのように感じる人が多いと思います。

ですが反抗期は、精神的な自立のために必要なことと言われています。
ですから親に反抗するのは、お子さんにとって重要な心の活動の一部である事を覚えておいてください。



反抗期がない子のご家庭に見られる共通点

多くのお子さんに反抗期がありますが、実は『反抗期がない』子も存在しています。

『反抗期がない』ことは問題がある場合と問題がない場合があり、きちんと見分けることが大切。

なぜなら反抗期が無いと自立できない恐れがあるからです(これについては後ほど詳しく解説します)。

では、どのような場合に反抗期がないのでしょうか?
以下の3通りについて解説します。

1. 強い暴力があるご家庭
2. 甘やかしてしまいお子さんが自立できていない家庭
3. 親と価値観が似ており反抗期自体がない家庭



反抗期がない子の家庭の共通点①:強い暴力がある

父親や母親から家庭内暴力を受けている場合や、精神的な支配を受けている場合には反抗期が訪れない可能性があります。

家庭内暴力の場合には身体に対して明確な特徴ができるので、周りから判断がしやすく、外部からの支援などでご家庭に変化が訪れる場合もあります。

しかし一方、精神的な支配をしているご家庭であると、両親も気づかず周りも気づかず、そのまま自立できないお子さんを育ててしまう可能性が高くなります。

精神的な支配というのは、以下のような場合を含んでいます。

1. 権力を持った人が家での自由な行動を縛っている場合

2. 家での自由な行動だけでなく、進学先や進路についてもご家庭の意見が優先される場合

詳しく見ていけば決してこれだけではないのですが、典型的な精神的支配例として覚えておいてください。



反抗期がない子の家庭の共通点②:甘やかし家庭

極度にお子さんを甘やかしているご家庭でも、反抗期が訪れない事が多いです。

なぜなら、お子さんはどんな事でも自分の思ったように行動できるので、反抗期が訪れることもないんです。

まだお子さんは経済的に自立していないので、こういった行動は自由を謳歌しているように見えて、実は親御さんに依存しきっている状態にあります。この点が、先ほどの暴力を受けているご家庭とは違うところです。

そのため表面化しづらく、お子さんが自立できない原因は何か、解明できなくなってしまうことも特徴です。



反抗期がない子の家庭の共通点③:親と価値観が似ている家庭

最後にいい意味で、反抗期が来ないお子さんの特徴を紹介します。

それは、反抗期が来ていたとしても親と似た価値観を持っている子です。

反抗期とは、親と考え方の違いによって起こる事なので、考え方が似ていれば、そもそも反抗期は訪れません。

ただし、家庭での反抗期は訪れていなかったとしても、学校やその他の所で反抗的な態度を取ってしまっている可能は高いです。ですので、お子さんの行動を注意深く観察しておく必要がありますが、それは自然なことなので「反抗する時はするんだな」と親御さんが分かっていれば十分です。



反抗期がない子どもの将来~反動で何が起こるか?~

では、反抗期がないことによる反動はあるのでしょうか?

多くの人が経験している思春期の反抗期は、自立するのに必要な精神的な動き。
ですから反抗期がなければ、その反動として自立するのが難しくなる場合があります。

以下に、反抗期がない子はどのように自立できないのかを解説していきます。



反抗期がない子どもに起こること①:自ら考える能力が発達しない

まず第一に、自ら考える能力が発達しません。

なぜなら反抗期がないことによって、自分自身について考えるといった普遍的なことができないからです。

人間は反抗期によって、「自分はどういう考えを持っているのか?」等、自分自身について深く考える力を育んでいきます。

しかし反抗期がないことでこの機会が奪われてしまい、自分自身で考える習慣が育たず、行動が起こせなくなってしまいます。



反抗期がない子どもに起こること②:自立しない

自ら考えることができなければ、自立することもできません。

考えていただければ当然分かることなのですが、自分がどうなりたいのかを理解していなければ、夢も行きたい大学も定まらないからです。

この状態にある子は、いくら周囲の大人が真剣に考えろと言ったとしても、自分の考えが全く分からないので、余計に苦しんでしまいます。

または、とても浅い部分の受け売りを「自分の考え」と勘違いしてしまうことも多いです。

親御さんはどんな方でもお子さんに対して、「しっかり独り立ちして欲しい」と願うのが当たり前の気持ちですよね。

ですから親御さんは、思春期のお子さんの反抗期がある・ないをきちんとチェックしておきましょう。そして反抗期がなかったときは原因を探れるよう、注意して見守っていくことをお勧めします。



反抗期がなくても大丈夫な子どもとは?

中には家庭環境が順調であるが故に、反抗期がない子もいます。

親とお子さんの価値観が似ている家庭では、いい意味で反抗期がないこともあり得るからです。

ただし家庭環境がいいというのは、あくまでも主観的なものになりがちです。
お子さんを見守りながら、信頼できる人に相談するなど、ご家庭内だけで完結してしまわないよう気を付けましょう。

家庭環境がいいと思い込んでいても、お子さんにとっては反抗する気力をなくす家庭環境の可能性もあります。それを防ぐためにも第3者の目は絶対に必要です。




反抗期がない子の2つの未来

反抗期がない子の未来は、大きく分けると2つのパターンがあります。

1. 家庭に問題があるので、反抗期がない状態
2. 家庭に問題がなく、ポジティブな意味で反抗期がない状態

この2つを比較することによって、お子さんにどのような未来が待っているのをわかりやすく解説していきます。



反抗期がない子の2つの未来①:家庭に問題があって反抗期がない

ご家庭に問題があって反抗期がなかったお子さんは、以下の特徴を持ってしまいます。

1. 自分で考えられない
2. 自立を考えない

この2つの特徴を持ってしまうと、高校や大学に進んで比較的自由に行動できるようになると、悪い方向へと進んでしまうことが多いです。

具体的には、

● 進路や進学先が決められない
● 就職面接で何度も落とされる
● 働こう・学ぼうという気力が湧かずニートになってしまう

…想像しただけで、親御さんには辛い未来ですよね。
ですから「うちの子、反抗期がないな…」と気づいたら、家庭環境をもう一度見直してみることを強くお勧めします。



反抗期がない子の2つの未来②:ポジティブな意味で反抗期がない

こちらの場合は、全く問題がありません。
反抗期があったとしても、それが表面化していないだけなので、正常に精神的発達をしていると言えます。

ただし前にも書きましたが、判断がご家庭だけでは難しい場合もあるので、お子さんの様子を見守る必要はあります。
とは言え、中学生以降は自分で判断を迫られる場合も多いので、お子さんの言動を見て安心できれば大丈夫だと思います。



反抗期がない事の恐ろしさとは?

では反抗期がないことの恐ろしさというものはあるのでしょうか。

先ほどのパターンを見ればわかるように、ネガティブな意味で反抗期がない場合、お子さんの未来が奪われてしまいます。

考えるチカラや判断力、行動力がないと社会的に自立できず、就職も困難を極めます。

このような状況になってしまうと、お子さんも親御さんも辛い思いをするだけでなく、取り返しのつかない状況になってしまう可能性もあります。

なぜなら親御さんは責任を感じてしまい、ますますお子さんを甘やかしてしまうような事態に陥り、負の連鎖が延々と続いてしまうからです。

そんな事にならないよう、お子さんの反抗期がないことに気が付いたら、一刻も早く原因を見つけ、状況を改善してあげてください。

反抗期がない子どもは鬱になりやすい!?

反抗期がない怖さは他にもあります。

それは、ご家庭の状況によって鬱になる可能性が高いと言うこと。
そんな場合の2つのパターンを解説します。



鬱になりやすい場合①:家庭に問題がある

ご家庭がお子さんの行動を縛って、言いたいことを言えない状況や、したいことができない状況を作り出している場合には、注意が必要です。

なぜなら、そんな状況によってお子さんは抑うつ状態になってしまい、食欲不振や睡眠障害などが引き起こされてしまうからです。

そしてそのまま、鬱になってしまう場合は多くあります。

思春期のお子さんを支配的に縛ることは厳禁です。



鬱になりやすい場合②:人格形成ができない場合

お子さんが精神的に縛られているご家庭では、先ほどもお話ししたように、子どもは自ら考え行動できなくなってしまいます。

仮に抑うつ状態が続く場合には、その無気力さに拍車がかかることは容易に想像できますよね。

このような状況下では、お子さん自身、自分の趣味が何で、どうしたらストレスを発散できるのかな?等と考えられず、人格が健全に形成されません。

現代社会は何でも大人が子どもの行動を決めてしまいがちですが、それはお子さんの発育を阻んでいるだけです。
お子さんの話を聞き、お子さんの好きに行動させてあげるよう、親御さんはお子さんにかける言葉などに注意してあげてください。

とは言え、「でも子どもは躾なくちゃ」という気持ちもあると思います。
躾とお子さんの行動を制限することは違いますので、そこはご家庭内で色々話し合ってみてくださいね。



最悪の場合は自傷行為に発展する場合も…

抑うつ状態が続くと、自傷行為に発展してしまう可能性も高いです。

自傷行為とは、リストカットやアームカットなどの明らかな自傷行為だけでなく、爪を噛む、髪の毛を抜くなども自傷行為としてカウントされます。

またその他に摂食障害などを引き起こす場合もあります。
家庭内にストレスが発生する要因があるのは、まさに百害あって一利なしの状態と言っても過言ではありません。

もしお子さんに抑うつ状態の特徴があれば、一刻も早く家庭環境の見直しをしましょう。
※ただし学校の状態によっても抑うつ状態になることがあるので、学校の先生と連携することも忘れてはいけません。

反抗期がない子どもへの接し方

実際に反抗期がない子どもには、どのように接していけば良いのでしょうか?

この項目で解説するのは、ネガティブな意味で反抗期がない子がいる場合の対処方法です。



反抗期がない子どもへの接し方①:子どもの行動を縛らない

大前提として、お子さんの行動をあまりにも縛りすぎないように気をつけてください。

なぜなら、行動を縛るための精神的・身体的ダメージを与えるような言動・行動は、抑うつ状態を招きかねないからです。

まずはお子さんがしたいことを十分にさせてあげ、道徳的にNGなこと以外は見守ってあげてください。



反抗期がない子どもへの接し方②:対話する

続いて行うことは、お子さんとの対話です。

抑うつ状態になっている子は、なかなか心を開かない可能性もあります。

ですが少しずつ時間をかけて、『親のどんな言動や行動が、あなたの行動を縛っているのか?』をきちんと聞くとよいでしょう。

ですがやっぱり、感情的になってしまう親御さんも多いです。
そのような恐れがある場合には、第三者を含めた対話で感情的になるのを防ぎましょう。



反抗期がない子どもへの接し方③:子どものやりたいことを支援する

対話が十分にできれば、少しずつお子さんの態度に変化が現れるはずです。

そしてその後、お子さんが「〇〇がしたい」と言ったら、「うん!やってみなよ」と笑って背中を押してあげてください。

でも子どもにしてみると、自分から初めて動くのはかなりの勇気が必要です。
そんなときは親御さんが寄り添って、スタートダッシュの補助をしてあげてくださいね。



反抗期の子どもの対処法ベスト3

最後になりましたが、反抗期の子どもの対処法を簡単に解説しておきます。

子どもの反抗期には、親御さんも感情的になる恐れが十分にあります。

ですが如何に『大人が冷静になって考えられるか?』が反抗期の対処法となるので、その点は覚えておいてください。



反抗期の子どもの対処法①:考える時間を与える

お子さんには必ず、自分で考える時間を与えてあげてください。

なぜなら、反抗期には条件反射的に反発してしまう可能性もあり、感情的な口論になりやすいからです。

感情的になる前にきちんと考える時間をあげれば、お子さんも何が言いたいのかを整理することができます。

そしてその後、建設的な話し合いができるようになります。
ですから、まずは自ら考えることを優先させてあげてください。



反抗期の子どもの対処法②:常に冷静でいる

冒頭でお伝えしましたが、親御さんは常に冷静でいることが重要です。

なぜなら先ほどもお伝えしたように、お互いが感情的になってしまうと建設的な話し合いができないからです。

お子さんは反抗期という感情的になりやすい時期にありますので、親御さんだけは冷静にいることを意識してください。



反抗期の子どもの対処法③:社会規範から外れないように見守る

親御さんの強制力を発揮させるのは、反抗期のお子さんが社会規範から外れたときです。

それまではできる限りお子さんの思うようにさせてあげて、失敗をしたら助けてあげる関係性を構築してください。

反抗期のお子さんが非行に走るといったような状況に陥りそうな時だけ、なぜそのような状況になったのかを話を聞き、今お子さんがやっている行動について叱ってあげるとよいでしょう。

怒るというのは感情的な行動なので、社会的規範を外れたときも、できる限り冷静に『叱る』ことを意識してください。



反抗期がない子どもに気が付いたら、真剣に家庭環境を見直そう

反抗期はやっかいなものに感じている親御さんは多いと思いますが、実はお子さんの成長に絶対に必要なものです。

ネガティブな理由から反抗期がない場合は、ご家庭の家庭環境が著しく悪く、甘えを許したり、子供の行動を制限したりしている可能性が高いのです。

これをそのままほっとくと、子どもの人格形成に大きな影を落とし、自立できない大人に育ってしまいます。

ですから思春期のお子さんが妙に大人しいことに気が付いたら、親御さんは一刻も早く家庭環境を見直しましょう。

あまり簡単なことではないかもしれなせんが、絶対にそのまま様子を見たりしてはいけません。
お子さんの健やかな人格を形成するためですから、労を惜しまず、まずはご家族で話し合うことから始めてみてください。

この記事を書いた人

齋藤 義晃 / 勉強プランナー

メッセージ:
不良でビリから2番目、偏差値30台。そこから独自で確立した勉強法で早稲田大学に合格。この経験を活かし、家庭教師として53人の生徒を第一志望校に合格に導き、在学中に「家庭教師のゴーイング」を設立。勉強が苦手な子専門として実績29年。今でも現場の中心に立ち17,000人以上の相談を解決。心理カウンセラーの資格を取得し、不登校・発達障害の生徒さんへのサポートにも力を入れています。

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