発達障害を抱える子どもの片付けの悩み|原因と親ができる効果的なサポート法
「発達障害がある子が片付けられなくて困っている」
「部屋を片付けられないのは発達障害のせいなの?」
「発達障害を抱える子でも片付けられるようになる?」
このように悩んでいる親御様も多いでしょう。
発達障害の特性のせいで片付けができないお子さんは多いですが、適切な対処法を学べば片付けられるようになります。
当記事では、発達障害を抱えているお子さんが片付けられない理由と、対処法を詳しくお伝えします。
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発達障害があると片付けられない?よくある行動を紹介
発達障害を抱えているお子さんは、片付けが苦手な場合も多いです。
よくある行動は次のとおりです。
- 必要なものが見当たらなくて焦る
- 物が捨てられない
- 気が散って片付けが進まない
これらが当てはまる場合は、発達障害の特性により片付けられない可能性があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
必要なものが見当たらなくて焦る
不注意の特性を持っているお子さんは、必要なときに必要な物が見当たらなくて焦っていることがよくあります。
脳の特性により、物をどこに置いたか忘れてしまうのです。
その結果、必要なときに「あれどこにやったっけ…」と焦ってしまいます。
必要な物が見つからずに焦っているのは、発達障害が関係しているかもしれません。
物が捨てられない
物が捨てられないのも、発達障害の特性の1つです。
どれが必要か判断するには、優先順位をつける必要があります。
しかし、発達障害を抱えているお子さんは優先順位を決めるのがとても苦手なので、なかなか必要・不要の判断ができず、物が捨てられません。
物が捨てられずに溜め込みがちなのは、優先順位がつけられない特性が関係している可能性があります。
気が散って片付けが進まない
気が散って片付けが進まないのも、発達障害を抱えているお子さんの特性の1つです。
集中力が持続しないため、途中で他のことに意識が向いてしまいます。
たとえばアルバムの片付けをしているときに、アルバムを開いて中身をじっくり見てしまい、片付けが進まないことがあります。
気が散って片付けに集中できないのも、脳の特性のせいかもしれません。
発達障害があると片付けられない理由
発達障害のせいで片付けられないのは、以下の理由が考えられます。
- 途中で別のことに注意が移ってしまう
- 何をしようとしたかすぐに忘れる
- 先延ばし癖がある
- どこに何を置けばいいかわからない
- どこから片付ければいいかわからない
- すぐには片付かないからやる気が出ない
発達障害の脳の特性と絡めて、1つずつ順番に見ていきましょう。
途中で別のことに注意が移ってしまう
発達障害を抱えているお子さんは、片付けの途中で別のことに注意が移ってしまう傾向があります。
脳の特性上、集中力が持続しないからです。
本の片付けをしていても、気づいたら近くのおもちゃで遊び始めるなどの行動が見られます。
途中で別のことに注意が移ってしまうのは、集中力が続かないからだと理解した上で、片付けに戻れるよう優しく促しましょう。
何をしようとしたかすぐに忘れる
発達障害を抱えているお子さんは何をしようとしたかすぐ忘れてしまいます。
これは脳のワーキングメモリが少ないことが関係しています。
イメージしやすいように説明すると、脳内のメモ帳が小さすぎて情報が書ききれないのです。
やることリストを細かく書いて、今やっていることに丸をつけておくと、何をしていたか思い出しやすくなります。
先延ばし癖がある
先延ばし癖があるお子さんも多いです。
これはすぐに成果が出ることでないとやる気が出ない特性が関係しています。
部屋の片付けはすぐには終わらないので、どうしてもやる気に繋がりにくいのです。
片付け場所を区切って少しずつきれいにしていけば、やる気が持続しやすくなります。
どこに何を置けばいいかわからない
どこに何を置けばいいかわからなくて片付けが手につかない子もいます。
空間把握能力や優先順位をつける力が低いことから、どこに何を置けばいいか判断できないことがあります。
あらかじめ物を置く場所を決め、わかるように印をつけておくと、片付けやすくなるでしょう。
どこから片付ければいいかわからない
どこから片付ければいいかわからないために、片付けに着手できないこともあります。
優先順位をつけられない特性が原因です。
「まずは右手側から順番に片付けていこう」などと場所を決めてあげると、着手しやすくなります。
すぐには片付かないからやる気が出ない
片付けはすぐに終わらないからやりたくない、というお子さんがいます。
発達障害を抱えているお子さんは、すぐに目に見えるご褒美が手に入ることにやる気を出しやすい性質を持っています。
この性質を活かして片付けをさせるには、「この引き出しだけ10分で片付けよう」など、目標を細かく区切るといいでしょう。
発達障害で片付けられないお子さんの対処法
発達障害のせいで片付けられないお子さんの対処法をお伝えします。
- 親御様が手を貸して物を減らす
- しまう場所にシールを貼る
- 学校への提出物はルールを決めて毎日確認
- 片付けができたら褒める
- 最終手段は「物に紐をつける」
具体的に説明していきます。
親御様が手を貸して物を減らす
なかなか物が捨てられないお子さんなら、親子様が手を貸して物を減らしましょう。
物が減れば部屋を片付けやすくなります。
目標達成までの時間が短くなれば、発達障害を抱えているお子さんでもやる気が出やすくなるでしょう。
親子様が手を貸して物を減らしてから片付けるのもありです。
しまう場所にシールを貼る
物をしまう場所にシールを貼るのもいいでしょう。
しまう場所がわかりやすくなれば、どこに物を置けばいいか迷って片付けられないことがなくなります。
テプラを買ってきて、物やカテゴリー名を書き、棚や引き出しに貼りましょう。
シールを貼ってある場所に物を戻せばいいとわかれば、お子さんも片付けに取り組みやすくなります。
学校への提出物はルールを決めて毎日確認
学校への提出物はルールを決めて毎日確認しましょう。
ルールを決めることでルーティン化でき、ミスが減ります。
たとえば「学校から帰ってきたらランドセルの中身を出して一緒に連絡帳を確認する」と決めれば、プリントが行方不明になることもなくなるでしょう。
なくしてはいけない学校の提出物は、ルールを決めて親御様と一緒に毎日確認しましょう。
片付けができたら褒める
片付けができたら褒めてあげましょう。
親御様からの褒め言葉が何よりのご褒美になって、片付けに対するモチベーションが上がります。
部屋全体が片付いていなくても「引き出しが片付いたね!えらい!」と声かけすれば、次の棚も片付ける気になるでしょう。
片付けができたらすかさず褒めてやる気を引き出すのがおすすめです。
最終手段は「物に紐をつける」
どうしても片付けができないお子さんに対する最終手段は「物に紐をつける」ことです。
紐をつけておけば、どこに戻せばいいかわからなくなる心配がありません。
物を使った後に紐をたどって元の場所に戻せたら褒めましょう。
物を使ったら元の場所に戻すことを覚え、出しっぱなしにすることがなくなります。
発達障害でも片付けられるようになる4つのコツ
ここからは発達障害を抱えているお子さんでも片付けられるようになるコツを4つ紹介します。
- 種類ごとに分類する
- タイマーをかけて片付ける
- 収納を工夫する
- ごほうびを用意する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
種類ごとに分類する
元の場所に戻す前に、物を種類ごとに分類しましょう。
分類することで、同じ場所に返すものをいっぺんに片付けられるようになります。
たとえば、算数のプリントを見つけるたびに引き出しを開けて1枚ずつ片付けるより、算数のプリントの山を作って分類後にまとめてしまえば時間短縮になります。
早く片付けば部屋も気持ちもすっきりするので、ざっくり種類ごとに分類した上でさっと片付けましょう。
タイマーをかけて片付ける
タイマーをかけて時間を区切った上で片付けるのもおすすめです。
とくに集中力が続かなくて困ってるお子さんは、タイマーをかけて強制的に区切ることで、集中力が持続しやすくなります。
「15分経ったら休憩する」と決めて取り組めば、集中して片付けに取り組めます。
集中力が続かないお子さんは、時間を短く区切って取り組んでみましょう。
収納を工夫する
収納を工夫すれば発達障害を抱えているお子さんでも片付けやすくなります。
どこに何を片付ければいいかわかりやすくすることで、片付け方がわからなくて諦めてしまうことがなくなります。
たとえば、えんぴつやハサミは机に座ったまましまえる位置に収納すると決めてシールを貼るといいでしょう。
収納を工夫することで、片付けが苦手なお子さんでも片付けられるようになります。
ご褒美を用意する
やる気が続かなくて片付けられないお子さんには、ご褒美を用意して片付けさせましょう。
できれば目標を細かく区切って、ご褒美も多いほうがいいです。
- 部屋全体が片付いたらゲームしていいよ
- 棚が1段片付いたらお菓子を1つ食べよう
以上のような指示なら、後者のほうがご褒美がもらえるまでの時間が短いので、やる気を出しやすくなります。
目に見えるご褒美がすぐにもらえるとやる気が出る、という特性を活かして片付けさせましょう。
発達障害があって片付けられないお子さんで悩んでいたら
今回は発達障害を抱えているお子さんが片付けが苦手な理由と対処法を紹介しました。
発達障害の特性を知って正しく対処すれば、片付けられないお子さんでも片付けができるようになります。
勉強に関しても同じことがいえます。
発達障害があって勉強が苦手なお子さんには、適切な勉強法を教えることで学力がぐんと伸びることがあります。
学校や塾では発達障害を抱えているお子さんにあわせて個別に適切な指導をすることは難しいので、家庭教師に任せてみてはいかがでしょうか。
発達障害の特性を多数見てきた経験を生かし、お子さんにあった適切な指導をおこないます。