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瞬間記憶能力【カメラアイ】の特性と発達障害の関係

カメラアイという言葉を聞いたことがありますか?

カメラアイは瞬間記憶能力とも言われ、目で見た情報をそのまま記憶することができる能力です。

カメラアイの能力がある子は天才と言っても過言ではないのですが、凡人には理解できない凄い能力を持っているが故に、社会生活を営んでいく上で苦労してしまう場合も。

そこで今日は、カメラアイについて改めて詳しく解説していきます。
この記事を読むと、カメラアイや発達障害・知的障害の概要も分かるので、せひ最後までお読みください。

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もくじ

カメラアイについて

カメラアイとは、物事を瞬時に記憶できて、しかも忘れないで記憶を保持できる発達障害の一部です。
※辞書には『カメラで撮影された状態を予測判断できる能力』と記載されています。

例をあげると、英語の文章を瞬時に覚える、説明書の内容を簡単に暗記できる等があげられます。

この能力は瞬間記憶能力として、世の中では有名ですよね。

便利じゃないかと思われる方も多くいらっしゃいますが、実際にカメラアイの傾向があると診断された子は、 それぞれ悩みを抱えています。

そんな発達障害の一部であるカメラアイについて、この項目では以下の3点に絞りながら説明していきます。

  • カメラアイの記憶メカニズム
  • カメラアイと診断されるお子さんの特性と傾向
  • フラッシュバックについて

カメラアイについて①:カメラアイの記憶メカニズム

瞬間記憶能力とも言われるカメラアイの記憶メカニズムは以下の通りです。

  • 目から入った情報をそのままの状態で覚える
  • 記憶の干渉というものが起こらず、そのまま思い出せる
  • そのままの状態で記憶するので、忘れることができない

カメラアイは目から入った情報をそのままの状態で覚えることを指し、カメラアイを持たない人の記憶とは違い、記憶の干渉が起こりません。

記憶の干渉とは、記憶Aと記憶Bが入り混じってしまい、新たな記憶Cができる状態をいいます。

カメラアイの特性を持つ子は、この記憶の障害が起こらずに『見たものを見たまま記憶し、思い出す』ことができます。

また、人間の脳は忘れることによって、新たに必要な知識を覚えていきますが、カメラアイのこは記憶をそのまま保持できるので、忘れることが難しくなってしまうのです。

ただし記憶について最新の研究では、人間の記憶は忘れられているのではなく、『存在するが引き出せない』状態である事が分かっています。

カメラアイについて②:カメラアイと診断される子の特性と傾向

カメラアイと診断された子の特性と傾向は、視覚情報を上手く利用することができること。

ですがそのかわりに、聴覚やその他の体の器官、そして脳機能の一部に不得意が発生する特性と傾向があります。

例えば、視覚情報から覚えるのは得意だけど、その情報を応用するのが非常に困難になってしまう等です。
後ほど詳しく解説しますが、この類まれなる特性から、幼少期に神童のような扱いを受け、プレッシャーを感じてしまう子がいるのも事実です。

カメラアイについて③:フラッシュバック

フラッシュバックとは、一般的に心的外傷などのトラウマが蘇り、突然かつ鮮明に目の前で蘇ることを指し、一般的にネガティブな意味で使用されることが多いです。

フラッシュバックの発生時期は人それぞれで、傾向は個々によって異なるため防ぎようがありません。

カメラアイの子にとってフラッシュバックは、記憶が鮮明な為、思い出してしまった時のストレスは相当なものとなります。

またフラッシュバックは、ASDや一般の方(PTSD)にも見られる特徴で、カメラアイの子だけに特有の症状ではありません。

カメラアイと発達障害

カメラアイは発達障害の一部です。

※アスペルガー症候群のお子様にも現れるので、知的障害の一部とも言えます。
※精神障害のあるお子さんにも現れる可能性もあります。

ただし発達障害といっても、瞬間記憶能力を持っているだけで、ASD(旧分類)やADHD、学習障害といった子たちのように『生活には直接的な影響を及ぼさないでしょ?』と思われる親御さんもいますよね。

そこで、この項目では、発達障害の定義に触れながら、なぜカメラアイは発達障害と呼ばれるのかについて解説し深掘りしていきます。
具体的には以下の3つについてです。

  • 発達障害の定義
  • 発達障害の種類
  • 発達障害の注意点

カメラアイと発達障害①:発達障害の定義とは

発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。

上記は厚生労働省からの発表によるものですが、注目して欲しいのが『脳の働きの違い』といった文言です。

言い換えれば、発達障害とは、発達段階において期待される能力を以上、以下を問わず発揮することを指します。
つまり、能力が足りない、能力が凄すぎる、どちらも発達障害に含まれる訳です。

ですから、カメラアイを先天的に持っている子も、発達障害として認められるのです。

カメラアイと発達障害②:発達障害の種類

主な発達障害とはどのような種類があるのか、以下にまとめました。

  • 自閉スペクトラム症
  • 注意欠如・多動症
  • 学習障害
  • チック症
  • 吃音

基本的に知的障害とは異なり、社会生活を行なっていく上で親御さんと子どもが生きづらさを感じてしまうのが発達障害の基本です。
生きづらいとは言え、発達障害を持つ子特有の素晴らしい個性も発揮されます。ですので、子どもが発達障害だからと言って、必要以上に悲観する必要もありません。

カメラアイと発達障害③:発達障害の子の素晴らしい能力

お子さんが発達障害とわかると、「どうしよう、どうしたらいいの?」と慌ててしまいますよね。
でも先ほども書きましたが、発達障害を持つ子には、その子特有の素晴らしい個性もあります。

具体的には、自閉スペクトラム症の子の中には、圧倒的な記憶能力を持つカメラアイの子がいるのです。
大切なのは、親御さんや周りの大人達が発達障害に対して理解を持ち、その子にあった様々な支援を行っていくことです。

カメラアイを持つ子の特徴

では、カメラアイを持つお子さんの特徴についてお伝えしていきます。
具体的には以下の通りです。

  • 瞬間記憶能力に優れること
  • 高学歴層にも一定数存在すること
  • 記憶ができても、知識が利用できるかとは限らない

カメラアイを持つ子の特徴①:瞬間記憶能力に優れる

繰り返しになりますが、カメラアイの最大の特徴は、瞬間記憶能力に優れることです。

見たものをそのまま記憶に定着させることができるので、社会や理科と言った一部の暗記科目などでは簡単に高得点が取れてしまいます。

カメラアイを持つ子の特徴②:高学歴層にも一定数存在する

瞬間記憶能力に優れることで、幼少期から神童と言われ、高学歴な大学に進学している人も存在しています。

なぜなら、2021年度以前の高校入試や大学入試は、暗記力が優れていれば、かなりの確率で高得点が可能となっており、カメラアイを持つ子とって非常に有利な入試制度だったからです。

ただし、そうは言ってもカメラアイの特性を持っていると、 その他の発達障害も合併している可能性が高く、就職などで困難を極める場合があります。

カメラアイを持つ子の特徴③:記憶ができても、知識が利用できるかとは限らない

カメラアイを持っているだけで、「うちの子って神童?」と感じる親御さんもいます。ですが、暗記と応用には明確な違いがあります。

ただ単に暗記ができても、学習障害で基本的な計算ができないとなれば、子どもは生活していく上で非常に困難を抱えてしまうことになります。

注意して欲しいのは、カメラアイだからといって、学習能力に対して必要以上に期待をかけすぎないことです。

カメラアイの診断

カメラアイは認知特性のテストで、特性を確認することができます。

よく使われるのはホンダ40式認知特性テストです。
およそ10分程度のテストでお子さんがどのように情報を処理しているのかを確認します。

例えば、カメラアイの特性を持つ子であれば、視覚情報からの情報処理は得意ですが、聴覚情報からの情報処理は不得意といった診断が出ます。

ただし、医師の診察でカメラアイであると診察される訳ではなく、その他の発達障害の診断があって、カメラアイの特性が高い場合に判断ができるだけです。

あくまでも、行動観察を経て認知特性をテストし、そこから判明するという点を頭に入れておいてください。

カメラアイの良い特性

カメラアイの良い特性①:瞬間記憶と正確な記憶の呼び起こしができる

繰り返しお伝えしていますが、カメラアイの子は暗記が非常に得意です。
例えば、意味のない数字や文字でも、瞬間的に覚えて答えることができます。

例えば道に迷っている人がいれば、道のりを正確に思い出し、途中にある家や看板などの細かな特徴をすべて説明しながら道順を教える事も可能です。

カメラアイの良い特性②:優れた芸術家などに多い

また優れた芸術家はカメラアイの特性を持っている傾向があるようです。
例えば、山下清、三島由紀夫などの広く知られた著名人がカメラアイだったと言われます。

山下清は裸の大将で描かれているように、軽度の知的障害や言語障害がありました。でもその代わり、その障害を補うためにカメラアイという先天的な能力を手に入れたということですね。

カメラアイの良い特性③:暗記に関して誰よりも良い成績を残せる

暗記に関しては誰よりも良い成績を残せる点もカメラアイの良い特性です。

例えば、漢字の暗記や年号の暗記など、一般の子が苦手とする暗記も楽々とこなせてしまいます。

さらに幼少時にこれだけの得意な点を持っていれば、他の苦手分野を攻略する際の成功体験になってくれます。
人と話すのが苦手でも、この成功体験があれば自信を失うことなく、苦手克服ができます。

カメラアイが悪く働いてしまう状況

良い特性とは逆に、カメラアイが悪く働いてしまう状況についてここでは解説していきます。
具体的には以下の通りです。

  • フラッシュバックによって苦しむ
  • 周囲からの異常な期待が持たれる可能性がある
  • 脳の機能の一部に障害がある場合が多い

カメラアイが悪く働いてしまう状況①:悲しい出来事のフラッシュバック

冒頭でもお話ししましたが、カメラアイがあるとフラッシュバックが起こる可能性が高いです。なぜなら、出来事を鮮明に覚えているので、記憶の引き出しもすぐにできるからです。

楽しい思い出ならいいのですが、人生には思い出したくない悲しい出来事もありますよね。
それが先ほどの事ように鮮明に思い出されてしまうと、感情までよみがえってしまいます。

更に自閉スペクトラム症やアスペルガー症候群といった発達障害や知的障害を抱えていると、フラッシュバックによる嫌な気持ちを抑制することができず、鬱症状や暴れる等の症状をを併発してしまいます。

カメラアイが悪く働いてしまう状況②:周囲から異常に期待される

また瞬間記憶能力は、神童と呼ばれる子たちに共通する特性であり、周りからの期待が必要以上に高まる場合もあります。

それなのに、カメラアイと言っても発達障害や知的障害を併発している場合は、覚えた知識をうまく使いこなせないといった場合も多いのです。

小学生の頃はとても成績がよかったのに、中学校・高校になってくると一気に成績ダウンが始まってしまい、周囲がガッカリすることが多いのです。
そしてその気持ちを周りの大人達が子どもに伝えてしまうと、情緒不安定になり不登校などにつながってしまう場合もあります。

カメラアイが悪く働いてしまう状況③:脳機能の一部に障害がある場合がある

カメラアイを持っている子は、脳機能の一部を阻害されていることによって、瞬間記憶能力という先天的な能力を手にしているのです。
だからこそ、人間関係への不安や苦手、学習障害なども併せ持っている可能性が高いです。

もしお子さんにカメラアイの特性が強く出ていたら?

最後になりましたが、これをお読みの方のお子さんにカメラアイの特性が強く出ており、発達障害や知的障害と言った診断がなされた場合についてお話ししていきます。
瞬間記憶能力と聞くと、多くの親御さんが喜びますが、実際にこの能力を持つ子は社会に対して生きづらさを感じていることが多いです。

そのため、カメラアイと対をなす、発達障害や知的障害についてもきちんと理解し、どんな支援が必要なのか、学校側や保健所の人たちと協議を重ねていきましょう。

また周囲の近しい人たちの誤解を解くのも大切です。
なぜなら、期待の眼差しを向けられれば、それだけでストレスになってしまう可能性が高いからです。

あくまでその能力とは、カメラアイを持っている子の個性を大事にし、どれだけサポートできるか、またカメラアイの能力の程度によって異なってきます。
大切なのはお子さんの得意を伸ばし、ゆっくり焦らす苦手も徐々に克服していくことです。

カメラアイの子に限らず、その子にあった適切な支援で、子どもは誰でも天才になれる!

カメラアイは発達障害や知的障害といった、脳の働きを一部阻害する症状を補助するために先天的に与えられた能力です。

上記のことからカメラアイは発達障害や知的障害の一部とも言えます。

そして天才的な著名人に多い特性と言われていますが、あくまでもそれは周囲から適切なサポートがあったからだと覚えておきましょう。

どんな場合であれ、子どもはその子にあった適切な支援次第で、いくらでも伸びていくものだという事実を忘れないでください。


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