言語理解指標が低い子どもへの対応策と学習法:WISC-4検査をもとに具体的なアプローチを解説
「言語理解指標が低いウチの子はどうしたらいいんだろう?」
「言語理解指標って結局何を指しているの?」
「言語理解指標を上げるためにはどうしたらいいの?」
このようなお悩みを抱えていませんか?
言語理解指標は言葉を理解する能力と一言で伝えられますが、内実を知ると複雑な指標です。
ただ、お子さんの言語能力に関わる指数なので、気になっているご家庭も多いでしょう。
当記事では言語理解指標が低いお子さんについて詳しく解説します。
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WISC-4(ウィスク4)検査の言語理解指標とは
WISC-4(ウィスク4)には次の検査項目があります。
- VCI(言語理解指標)
- PRI(知覚推理指数)
- WIMI(ワーキングメモリ指数)
- PSI(処理速度指数)
これらの中で、言語理解指標は言葉を認識してアウトプットする力を示します。
ワーキングメモリ指数は短期記憶も絡んできますが、言語理解指標では言葉自体の理解力が試されると考えましょう。
WISC-4(ウィスク4)検査は得意・不得意を知るための検査
WISC-4検査は得意・不得意を知るための検査であり、IQの高さを測る検査ではありません。
言語理解指標の値が低くIQが高くないからといって、お子さんがいい子・悪い子という判断はしないようにしてください。
言語理解指標で検査する項目は次のとおりです。
- 言葉の抽象的な概念の把握
- 言語認知能力
- 語彙力(単語力)
- 社会的な一般常識
これらの指数が低い結果が出たらご家庭とお子さんで対策を考えるほうが建設的になるでしょう。
たとえば、ある人が「手帳、持ってるかな?」とお子さんに聞いたら、普通はカレンダー付きの手帳を指します。
しかし、発達障害を抱えていたり、グレーゾーンだったりするお子さんには、「手帳持ってる?」は「障害者手帳のことかな?」と認識されるかもしれません。
このように言語理解指標はミスコミュニケーションの原因になりやすい言葉の認識や理解などの情報を得るのに必要なスキルと言い換えられます。
言語理解指標が低いお子さんが抱える困りごと
言語理解指標が低いお子さんが抱える困りごとは以下のとおりです。
- 相手が使っている言葉の意味が理解できない
- 1つの言葉に注意関心が向き、話の概要がわからなくなる
- 気持ちを言葉で伝えられない
- 音読・作文・読解が苦手
- 助詞の間違いが多い
- 出来事の説明が苦手
- 言葉がなかなか出てこない
これらの困りごとはアウトプットが苦手につながってきます。
それぞれの困りごとを詳しくお伝えします。
相手が使っている言葉の意味が理解できない
言語理解指標が低いと相手が使っている言葉の意味が理解できない恐れがあります。
語彙力の能力や一般的な社会常識などが苦手なため、聞いた言葉自体を知らない・覚えていないことも考えられます。
たとえば、先ほどお伝えした「手帳」という言葉であっても、どの手帳を指しているのかがわからないかもしれません。
このように言葉の意味が理解できないことも困りごとです。
1つの言葉に注意関心が向き、話の概要がわからなくなる
わからない言葉と出会うと、その言葉に注意関心が向いて話の概要がわからなくなるのも困りごとです。
また聴覚からの情報を短期記憶に留めておける量も比較的少ないことから、相手が何をいっているかわからず注意力が散漫になってしまいます。
たとえば、「〇〇して、△△が✕✕になるから…」と先生が話していると、「〇〇」の意味を考えてしまい、その後の話の展開がわからなくなりがちです。
気持ちを言葉で伝えられない
気持ちを言葉で伝えられないことも困りごとに数えられるでしょう。
言語理解指標が低いと、お子さんは次のような状態に陥っているかもしれません。
- 何が起きたのかがわからない
- 状況は理解できているが、言葉に変換することが難しい
このように言葉のインプットからアウトプットまでに苦手を抱えてしまうと、出来事の説明が言葉が出てこず解説できない恐れもあります。
どのような出来事があって、どんな気持ちになったのかは自身を表現する上で大切ですが、言語理解指標が低いと苦手に感じるでしょう。
音読・作文・読解が苦手
国語や英語などの言語を扱う教科で求められる、音読・作文・読解も言語理解指標が低いお子さんの苦手分野です。
これらは言葉のインプット→アウトプットが求められる分野であり、頭の中にある語彙をフル活用しなければなりません。
作文は頭の中の語彙力を用いて作成、読解は今ある文章を理解してからアウトプットしなければならないので難易度が高いと考えられます。
助詞の間違いが多い
日本語の中で活用が難しいといわれている単語は助詞です。
言語理解指標が低いお子さんは、「てにをは」を間違えたり、適切でない助詞を使ってしまったりするでしょう。
1つの助詞には複数の意味が含まれているので、アウトプットが難しい分野でもあります。
ただ言語理解指標が低いお子さんであっても、適切な助詞の使い方は難しいものなので、急ぐ必要はそこまでありません。
ここまで言語理解指標が低いお子さんの苦手分野をお伝えしてきましたが、意外とどんなお子さんでも抱えやすい分野でもあります。
とはいえ、苦手を克服するまでには言語理解指標が低いお子さんに適した方法があるので以下で解説します。
言語理解指標が低いお子さんに適した接し方
言語理解指標が低いお子さんに適した接し方は以下のとおりです。
- お子さんが理解できる言葉を使う
- 伝える際は短文で簡潔にする
- ゆっくりはっきり話す
- お子さんの中の一般常識を否定しない
- 本当にわかっているか確認する
- 知っている言葉から関連付けて難しい言葉を使用する
それぞれ解説します。
お子さんが理解できる言葉を使う
お子さんが理解できる言葉を使うことは大切です。
理解できない言葉を使ってしまうと、意味を考えすぎて話の概要を掴めなくなるでしょう。
もちろん簡単すぎてもダメなので、発達段階に応じてコントロールする力が求められます。
伝える際は短文で簡潔にする
言葉で指示を伝える際は短文で簡潔にすることも重要です。
聴覚から入る情報を短期記憶に留める力にも弱点があるため、1つの行動に対して1文で伝えることを意識しましょう。
たとえば、「〇〇して△△して…」と伝えると、何をすればいいのかがわからなくなってしまいます。
まずは「〇〇して」と伝え、終わったら次の指示を短文で伝えてください。
ゆっくりはっきり話す
言語理解に難があるお子さんにはゆっくりとはっきりと話すことも大切です。
早口やはっきりしない言葉は、お子さんに疑問を抱かせ話の概要をわからなくさせます。
言葉の文脈を読み取る力などで聞こえなかった単語も推測できますが、言語理解指標が低いと文脈を読み取れません。
そのため、ゆっくりとはっきり話すことが大切です。
お子さんの中の一般常識を否定しない
お子さんの中の一般常識は否定しないようにしましょう。
言語理解指標が低く、言葉のインプットに難がある場合には人よりも社会常識が身につくスピードが遅いかもしれません。
ただ、お子さんが知っている一般常識を否定してしまうと、学ぶモチベーションが低くなってしまいます。
常識・知識を徐々にアップデートしていく
一般常識や知識は徐々にアップデートしていくことをおすすめします。
他のご家庭のお子さんも気になるかもしれませんが、苦手なものを急いでもお子さんの圧力になるだけです。
たとえば、漢字テストが苦手でも計算はうまくできるのであれば、承認してあげ自己肯定感を高めるようにしてください。
すると、苦手意識を抱えている教科・ものごとに対しても自信を持って取り組めるようになります。
知っている言葉から関連づけて難しい言葉を使用する
難しい言葉を使用する場合には、国語辞典を開くように知っている言葉から関連づけを行ってください。
知っている言葉から連想することで、多くのお子さんは言葉を理解し使えるようになります。
言語理解指標が低いお子さんは理解が遅くなってしまうかもしれませんが、語彙力が徐々につけば連想などを用いて、言葉を覚えるスピードも早くなります。
言語理解指標が低いお子さんの数値を上げる方法はあるのか
言語理解指標が低いお子さんの数値を上げる方法は実際にはあります。
ただ、数値を上げたところで言語能力のベースアップを目指すのは難しいでしょう。
この点について、以下の内容に沿って詳しく解説します。
- テストの数値を上げるだけならトレーニング方法はある
- 得意・好きなことで苦手を補うほうが得策
テストの数値を上げるだけならトレーニング方法はある
自転車に乗ることや料理などの慣れと同様に、WISC−4検査の数値を上げるだけなら、誰でも可能です。
仮に点数を上げるのであれば、同種のテストを何度も受験すれば慣れから徐々に点数は向上するでしょう。
ただ、ご家庭の目的はテストの点数を向上させるのではなく、言語理解の能力向上のはずです。
この点を忘れてしまうと、テストの点数は高いのに言語的な能力を開発できていないという状態に陥ってしまうので注意してください。
得意・好きなことで苦手を補うほうが得策
言語理解指標に難があるお子さんであっても、他の指数が優れていることはたくさんあります。
しかも、得意なこと・好きなことを伸ばし、自信をつけたほうが苦手な言語能力を訓練する動機にもなるでしょう。
このように好きを伸ばして苦手も伸ばすほうがずっと効率的に言語能力の開発につながるはずです。
言語理解指標が低いお子さんに適した学び方
今回の記事では言語理解指標が低いお子さんに関する困りごとや対処法を詳しく解説してきました。
言語理解指標を伸ばし、本当の意味で能力開発をおこなうには、まず好きを伸ばすところからスタートしましょう。
当社ではこの点を意識した家庭教師の先生を派遣可能なので、お気軽にお問い合わせください。