ワーキングメモリが低いお子さんへの適切な対処法と学力向上のためのアプローチ方法とは?
「ウチの子、ワーキングメモリが低いといわれたけど大丈夫かな?」
「ワーキングメモリが低いと何ができないの?」
「ワーキングメモリを高める方法は何があるのかな?」
このようなお悩みを抱えていませんか?
ワーキングメモリは短期記憶能力を指し、この値が低いと聴覚に頼った情報の取得に難しさを感じがちです。
ただ、それがすぐに勉強の苦手や学校生活の苦手につながるわけではありません。
トレーニング次第で誰でも向上は可能ですが、親御様はお子さんの状態が気になりますよね。
そこで、今回の記事ではワーキングメモリが低い状態で起こることや、対処法・勉強法を解説します。
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WISC-4(ウィスク4)検査のワーキングメモリ指標とは
WISC−4(ウィスク4)検査におけるワーキングメモリ指標とは、「短期的な物ごとを記憶する力」です。
ワーキングメモリ指標(WIMI)の値が低いと、次のようなことが起こります。
- 先生から伝えられた指示を守れない・記憶できない
- 会話が噛み合わず何をいっているかわからなくなる
- 質問の内容と回答にズレが生じる
- 集中しているつもりが集中できていない
このようにワーキングメモリ指標が低いと、親御様が考えるいい子像とはかけ離れてしまいます。
ただ、これらはお子さんが持つ特性であり、悲観する必要はありません。
それよりも検査結果を分析し、どのようなアプローチでワーキングメモリが低いことへの対策をするかを考えたほうが建設的です。
WISC-4(ウィスク4)検査は得意・不得意を知るための検査
そもそもWISC−4(ウィスク4)検査は得意・不得意を知るためのツールであり、知能指数などに一喜一憂する検査ではありません。
検査広告は以下のとおりです。
- VCI:言語理解指標
- PRI:知覚推理指標
- WIMI:ワーキングメモリ指標
- PSI:処理速度指標
これらの中でお子さんがどの部分に苦手を感じるのかを発見できれば、その指標を改善するための対策を考えられます。
ですから、一喜一憂するのではなくお子さんの苦手を改善するための対策を考える検査だと考えましょう。
ワーキングメモリ指標が低いお子さんが抱える困りごと
ワーキングメモリ指標が低いお子さんが抱える困りごとは以下のとおりです。
- 耳で聞いた情報を認識・記憶できない
- ときどき会話が噛み合わない
- 質問と回答がズレる
- 集中力がすぐに切れる
- 暗算が最後までできない
ワーキングメモリ指標は短期記憶に関わる指標なので、短期記憶が苦手なお子さんによくある症状が困りごとになってきます。
どのような状況で困りごとが発生するのかを以下では解説します。
耳で聞いた情報を認識・記憶できない
ワーキングメモリが低いと耳で聞いた情報を認識・記憶できないといった状態に陥りがちです。
会話は流れがあり、次々に新しい情報が流れてくるので短期記憶に留めておくことが難しいと感じるでしょう。
たとえば、学校の先生が「今から◯◯と△△の掃除をしましょう!次に✕✕の掃除もしてください」といわれたとすると、「〇〇と△△」の部分を忘れてしまいがちです。
また、授業中に他のお子さんがグラウンドで遊んでいると、外の音が気になって授業の声に集中できない事態に陥ります。
このように耳から入ってくる情報をきちんと短期記憶にとどめられない点を対策しなければなりません。
ときどき会話が噛み合わない
聴覚から入ってくる情報を短期記憶にとどめられないと、会話のズレが生じてしまい、会話が噛み合わないという状態にも陥りがちです。
会話が噛み合わなければ、友達同士でのコミュニケーションに齟齬が生じてしまうので、学校での日常生活にも支障をきたすかもしれません。
たとえば、「〇〇くんが△△して、✕✕してたよ。あなたはどう思う?」といわれても、何をどう思うのかを考えられないかもしれません。
ただ、この点に関してはお子さん同士では会話以外にも遊びなどのコミュニケーションが取れるのであまり深く考える必要はないかもしれません。
質問と回答がズレる
しかし、他のお子さんや先生から質問をされた際にズレた回答をしてしまうと、コミュニケーションに難があると感じられてしまうかもしれません。
一度や二度のズレは仕方のないことですが、質問の意図と回答がズレ続けてしまうとお子さん自身も回答に自信が持てなくなるでしょう。
このような状態になっているのに、何が問題かわからない状態で対策を立てても逆効果になる恐れがあるので注意してください。
集中力がすぐに切れる
短期記憶が苦手ということは、流れてくる情報を記憶に留めておけず、何をしているのかを忘れてしまいがちなので、集中力がすぐに切れる恐れがあります。
お子さんにとっては集中力とは何かもわかっていないので、なぜ先生や親御様から注意されるのかもわからないままになってしまうかもしれません。
先ほどお伝えしたように、授業中に他のお子さんがグラウンドで遊んでいる声が聞こえると授業に集中できない状態になります。
授業の内容を短期記憶に留めておきたいのに、グラウンドの声が気になってしまうのはワーキングメモリが低いことが原因です。
暗算が最後までできない
暗算が最後までできないのもワーキングメモリが低いお子さんが持つ弱点といえるでしょう。
というのも、暗算は先に計算した内容を短期記憶に留めておく必要があるからです。
たとえば、次のような問題を頭の中で計算するとなると、短期記憶の能力が必要になります。
- 最初に1+2をしてください
- その計算結果に3+4をしてください
- その計算結果に5+6をしてください
このような問題を口頭で伝えられたとしたら、最初の計算結果を忘れてしまい暗算が不得意なお子さんと認識されてしまう恐れもあります。
暗算が不得意なのではなく、聴覚を活用することに苦手があるだけなので計算ができないというわけではない点に注意してください。
ワーキングメモリ指標が低いお子さんに適した接し方
ここまでワーキングメモリ指標が低いお子さんが困りやすいシチュエーションをお伝えしてきましたが、以下の対処法を活用すれば解決できる可能性が高まります。
- 資格から情報を伝える
- 声で伝えるときはシンプルにする
- わかりやすい単語を使う
- 具体的な単語やや例を用いて話す
それぞれ解説します。
視覚から情報を伝える
ワーキングメモリ指標が低いお子さんに適した接し方の一つ目は、資格から情報を伝えることです。
聴覚からの情報に苦手を抱えていても、視覚からの情報に苦手を抱えているわけではありません。
それに加えて文字情報は何度も見返せるので、短期記憶に頼らなくても理解ができます。
複雑な情報を伝える際には視覚を活用して伝える方法を使うといいでしょう。
声で伝えるときはシンプルにする
聴覚からの短期記憶に苦手を意識を持つお子さんであれば、声で情報を伝える際にはシンプルさを意識してください。
というのも、口で複雑なことを伝えても短期記憶に留めておくことが難しいからです。
たとえば、「〇〇してから✕✕して」と伝えるよりも「最初に〇〇をして、終わったら声をかけて」と伝え、するべきことを小分けしてシンプルに伝えたほうがいいでしょう。
このように声からの情報は小分けしてシンプルに伝えるようにしてください。
わかりやすい単語を使う
声で情報を伝える際にはわかりやすい単語を使うようにしてください。
というのも、伝えられた単語の意味を考える動作を挟むことで、次の情報を受け取る準備ができないからです。
「直列に並べて」というよりも「縦にまっすぐに並べて」という風に言い換えて伝えるほうがお子さんにとってはわかりやすいはずです。
ただ、発達段階で覚えている言葉に違いがあるので、難しい単語を使った際には意味がわかるかを確認するといいでしょう。
具体的な単語や例を用いて話す
わかりやすい単語を使うとともに、具体的な単語や例を用いて話すことも意識するといいでしょう。
とくに代名詞(こそあど言葉)は対象を考える必要があるので、ワーキングメモリが低いお子さんは苦手とします。
たとえば、「あれを持ってきて」というよりも「あの〇〇を持ってきて」と指差しをしながら、伝えるほうがわかりやすくなります。
このように言葉に具体性を持たせることも重要です。
ワーキングメモリが低いお子さんの勉強法
ワーキングメモリが低いお子さんの勉強法は以下のとおりです。
- イラストや写真を用いて説明する
- わかりやすい言葉で書いてある教材を使用する
それぞれ見ていきましょう。
イラストや写真を用いて説明する
短期記憶と聴覚に頼った情報取得に苦手があるお子さんにはイラストや写真といった視覚に頼るものを提示すると理解が促せます。
言葉で説明するよりも目で見て理解するほうが短期記憶に頼らずに済みます。
たとえば、国語の教科書では物語が展開されることが多いのですが、「鳥が水面に浮かんでいるように見える」といった文章もイラストを見せれば理解しやすいでしょう。
このようにイラストや写真を見せることでお子さんは何度も見て理解できるようになります。
わかりやすい言葉で書いてある教材を使用する
ワーキングメモリが低いお子さんは難しい言葉で説明されると意味を考えている間に、何をするのかがわかりづらくなります。
「文章を読む→意味を考える→何をしていたか忘れる」この繰り返しにより学習効率が悪くなってしまうので、意味が理解しやすい簡単な文章で書かれている教材を使用してください。
もちろん、発達段階でたくさんの言葉を覚えていきますが、まずは簡単な文章で意味を理解し、それから応用・発展に進んでいくようにするといいでしょう。
ワーキングメモリが低くても学力は上げられる
ワーキングメモリの値が低いと短期記憶力に弱点があると診断されていると分析できます。
では、短期記憶に苦手意識があるお子さんが勉強ができないと今すぐに判断されるのかというと、それは間違いです。
ワーキングメモリが低くても、学習方法をきちんと整え、トレーニングをすれば誰でも値を高めることは可能です。
もし、あなたのお子さんがワーキングメモリに不安を抱えているようであれば、一度当社までご相談ください。