WISC-Ⅳ知能検査の結果に基づくお子さんへの最適なサポート方法と発達障害の可能性の理解
「WISC-Ⅳ知能検査の結果の見方がわからなくて困っている」
「WISC-Ⅳ知能検査の得点が低いと、どんな困難が生じる?」
「合成得点の差が大きい場合は発達障害があるって本当?」
このように悩んでいる親御様も多いでしょう。
WISC-Ⅳ(ウィスク)知能検査は、お子さんの知能の発達度合いを客観的に測るための検査です。
お子さんの特性や得意・不得意、同年代のお子さんと比べた知能発達度合いがわかります。
当記事では、WISC-Ⅳ知能検査の結果の見方を丁寧に説明します。
お子さんの勉強でお悩みなら、家庭教師のゴーイングの体験レッスンを受けてみませんか?
ゴーイングは、勉強が苦手なお子さんでも『わかる楽しさ』や『やればできる』を実感し、短期間で成績アップに導く家庭教師です。
まずは、ゴーイングのホームページで他との違いを比べてみてくださいね。
WISC-Ⅳ知能検査の結果の見方
WISC-Ⅳ知能検査の結果の見方を、それぞれの項目にわけて説明します。
- 合成得点
- パーセンタイル順位
- 信頼区間
1つずつ説明していきます。
合成得点
合成得点とは、検査の評価点の平均を100と考えたときの得点です。
WISC-Ⅳ知能検査の合成得点の上限は155点です。
検査で出た点数を「合成」して得点を出すため、合成得点という名前がついています。
一説には、合成得点の差が大きいほど生きづらさが大きくなるともいわれています。
パーセンタイル順位
パーセンタイル順位とは、同年代のお子さん100人のうち下から数えて何番目かを統計学的に数値化したものです。
WISC-Ⅳ知能検査の数値が大きいほど順位が高くなります。
パーセンタイル順位が30の場合は、お子さんより点数の低い方が30人、点数の高い方が70人いることになります。
パーセンタイル順位を見ることで、同年代のお子さんと相対的に比べたときの知能発達具合が客観的にわかるでしょう。
信頼区間
信頼区間とは、今回の検査で出た数値の信頼度と、推定される数値幅を指す統計用語です。
たとえば、検査の信頼区間90%が110〜119だったとしましょう。
つまり、今回の検査の信頼度は90%で、検査を100回したら90回は110〜119になり、10回は違う数値になる可能性があることを表しています。
信頼区間を見れば、どの程度信憑性のある数字なのかわかります。
記述分類
記述分類とは、WISC-Ⅳ知能検査の結果を言葉で表したものです。
以下のとおり7段階に分類されます。
合成得点 分類
130以上 非常に高い
120〜129 高い
110〜119 平均の上
90〜109 平均
80〜89 平均の下
70〜79 低い
69以下 非常に低い
合成得点の数値で判断できない場合は、記述分類を参考にして検査結果を見てみましょう。
WISC-Ⅳ知能検査の合成得点の差が大きい場合は発達障害がある?
WISC-Ⅳ知能検査は、発達障害を判断する検査ではないことに注意しましょう。
WISC-Ⅳ知能検査の合成得点の差が大きいからといって、必ずしも発達障害があるとは限りません。
たしかに発達障害を抱えるお子さんは合成得点の差が大きい傾向がありますが、それだけで決めつけるのは危険です。
お子さんが発達障害を抱えているか気になる方は、発達障害を専門的に扱っている専門家にアドバイスを求めてください。
WISC-Ⅳ知能検査の合成得点が低い場合は困りごとが生じている可能性
WISC-Ⅳ知能検査の合成得点が低い場合は、困りごとが生じている可能性があります。
たとえば以下のようなものがあげられます。
- 言語理解指標(VCI)が低いとコミュニケーションが難解に
- 知覚推理指標(PRI)が低いと形や道筋を理解できない傾向
- ワーキングメモリー指標(WMI)が低いと忘れやすい
- 処理速度指標(PSI)が低いと視覚情報が素早く処理できない
各指標の合成得点が低い場合に起こり得る困りごとを、以下の項目で解説していきます。
言語理解指標(VCI)が低いとコミュニケーションが難解に
言語理解指標(VCI)が低いと、コミュニケーションが難解になりやすいといわれています。
具体的には以下のような困りごとがあげられます。
- 相手の話が理解できない
- 自分の感情を言葉で伝えられない
1つずつ詳しく見ていきましょう。
相手の話が理解できない
言語理解指数が低いと、相手の話が理解できないことがよくあります。
相手の話してる内容がそもそも頭に入ってこない場合や、言葉の意味がわからない場合など、原因は様々です。
言語理解指数が低くて困っているお子さんには、簡単な言葉でゆっくり情報を伝えてあげましょう。
視覚的にわかりやすいように、イラストや図解を活用して伝えてあげるのも良い方法です。
自分の感情を言葉で伝えられない
自分の感情を言葉で伝えられないのも、言語理解指数が低いお子さんの特徴の1つです。
感情を相手にわかるように伝えられず、歯がゆい思いをしているでしょう。
気持ちを伝えようとしたときになんとなく相手に伝わった成功体験があると、お子さんの自信につながります。
いいたいことを推察してお子さんの気持ちを代弁してあげると、わかってもらえたと感じやすくなるでしょう。
また、お子さんに5W1H(いつ・どこで・誰が・なぜ・どのように・何をした)を教えて、それに沿って話す訓練をする方法も有効です。
知覚推理指標(PRI)が低いと形や道筋を理解できない傾向
知覚推理指標(PRI)が低いと、形や道筋を理解できない傾向があります。
形や道筋を理解できない結果、たとえば以下のようなことが起こります。
- 片付けが極端に苦手
- 漢字を正確に覚えられない
それぞれ具体的に見ていきましょう。
片付けが極端に苦手
知覚推理指標が低いお子さんは、片付けが極端に苦手な場合が多いです。
片付けの作業手順を考えられないためです。
知覚推理指標が低いお子さんの部屋は、収納を工夫して、手順を考えなくても片付けられるようにしてあげましょう。
たとえば、収納場所に片付ける物の写真を貼っておくと、何も考えずに片付けられるようになります。
手順を考えなくていいように、やることリストを作るのもいいでしょう。
漢字を正確に覚えられない
形を覚えられないので、漢字を正確に覚えられない特徴もあります。
何度書き順を練習しても覚えられない場合は、漢字の形ではなく成り立ちや由来から覚えましょう。
「木が3つあるのが森」と声に出して脳に記憶しやすくする方法も有効です。
お子さんによって覚えやすい方法は異なるため、様々な方法を試してみましょう。
ワーキングメモリー指標(WMI)が低いと忘れやすい
ワーキングメモリー指標(WMI)が低いと忘れっぽくなります。
頭で情報を記憶しながら物事を処理することが苦手なため、以下のような困りごとが発生します。
- 繰り上げの暗算ができない
- 忘れ物が多い
順番に詳しく見ていきましょう。
繰上げの暗算ができない
ワーキングメモリー指標が低いお子さんは、繰り上げの暗算が苦手です。
繰り上げをして別の桁を計算しているうちに、繰り上げた数字を忘れてしまいます。
たとえば12 + 19の暗算で2 + 9=11までは問題ないのですが、十の位を計算しているうちに、先ほどの計算結果を忘れてしまいます。
ワーキングメモリー指標が低いお子さんには(10 + 20)+(2-1)など、工夫して計算する方法を教えてあげると暗算できるようになるでしょう。
忘れ物が多い
もう1つ、忘れ物が多いという特徴もあります。
ワーキングメモリーが低いと、頭の記憶容量が少ないため、すぐに物事を忘れてしまうのです。
忘れ物が多いお子さんには、ツールを活用して欠点を補う方法を教えてあげましょう。
やることリストや買い物のチェックリストを作ると、忘れたことを思い出しやすくなります。
一緒に持ち物を確認するのもいいですが、横から口を出しすぎると、ワーキングメモリーの容量を超えてしまうので要注意です。
処理速度指標(PSI)が低いと視覚情報が素早く処理できない
処理速度指標(PSI)が低いと視覚情報が素早く処理できない傾向にあります。
知覚情報が素早く処理できない結果、次のようなことが起こります。
- 黒板を写すのが苦手
- サボっているように見えがち
困りごとを詳しく見ていきます。
黒板を写すのが苦手
処理速度指数が低いと、授業速度に合わせて黒板を写せません。
黒板を写すには、以下の作業を同時におこなう必要があります。
- 先生の話を聞いて理解する
- 黒板の内容を理解する
- 黒板の内容をノートに記載する
ノートを取るのに時間がかかってしまうため、黒板を写す代わりにタブレットで撮影させてもらうなどの配慮が必要になります。
サボっているように見えがち
処理速度指数が低いお子さんの辛いところは、サボっているように見える点です。
理解に時間がかかって作業が遅くなりやすいので、まわりからはサボっているように見えます。
わざとゆっくり作業したり間違えたりしているわけではないため、サボっているといわれるたびに傷ついてしまいます。
自分のペースで頑張っていることを認めてくれる環境があれば、お子さんが自信を持って勉強に取り組めるようになるでしょう。
WISC-Ⅳ知能検査の結果をもとにお子さんに合った勉強法を考えよう
今回は、WISC-Ⅳ知能検査の結果の見方から、合成得点が低い場合によく見られる困りごとまで紹介しました。
WISC-Ⅳ知能検査は、あくまでお子さんの特徴を客観的に見るための検査です。
合成得点が低いから発達障害があると決めつけないようにしましょう。
検査の結果をもとに、お子さんの困りごとを解決し、自信を身につけさせるために活用したいものです。
なお、WISC-Ⅳ知能検査に基づいた勉強法でお子さんの成績を伸ばしたいなら、塾より家庭教師がおすすめです。
家庭教師なら、お子さんに1対1で寄り添いながら最適な学習法を提案できます。
お子さんに寄り添って一緒に学力アップを目指してくれる家庭教師を探している方は、まずは無料体験授業を申し込んでみましょう。