ADHDのお子さんが暴力を振るう理由とその対処法:親がすべき対応とは
「ADHDがある子どもが暴力を振るう」
「子どもが暴れるのはADHDの特性と関係がある?」
「ADHDを抱えている子の暴力をやめさせたい」
このように悩んでいる親御様も多いでしょう。
ADHDを抱えているお子さんは、自分でも制御できない怒りの感情に支配されて、暴力を振るってしまうことがあります。
当記事では、ADHDを抱えるお子さんが暴力を振るう原因と、適切な対処法を紹介します。
お子さんの暴力行為に困り果てている親御様は、ぜひ参考にしてみてください。
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ADHDを抱えるお子さんが暴力を振るってしまう原因
ADHDを抱えるお子さんが暴力を振るってしまう原因は、次の3つが考えられます。
- 自分の感情を抑えるのが苦手
- 叱られすぎて自信喪失している
- 気持ちを表現する方法が暴力以外にわからない
1つずつ具体的に解説していきます。
自分の感情を抑えるのが苦手
ADHDを抱えるお子さんは、自分の感情を抑えるのが苦手です。
暴力を振るってはいけないことを頭では理解しているのに、やめられなくて苦しんでいます。
頭ではダメだと理解しているのに暴力がやめられないのは、感情をコントロールする機能の発達がゆっくりめだからです。
頭に血がのぼった瞬間、考えるよりも先に身体が動いてしまうことに、お子さん自身も悩んでいます。
叱られすぎて自信喪失している
叱られすぎて自信喪失しているせいで暴力を振るうお子さんもいます。
「なんでこんなこともできないの!」と叱られすぎて、自身に失望し、イライラしています。
イライラしてやるせない気持ちを上手く表現できず、暴力に頼ってしまうのです。
親御様がお子さんの良いところを見つけて褒めるようにすれば、少しずつ自信を取り戻せるでしょう。
気持ちを表現する方法が暴力以外にわからない
気持ちを表現する方法が、暴力以外にわからないお子さんもいます。
親御様の注意を引きつける適切な方法がわからなかった結果、最もわかりやすい暴力という形で現れます。
親御様に認めてもらいたいと、心の奥底では願っているのです。
ADHDのお子さんが暴れるのは、SOSを発しているとも考えられます。
ADHDを抱えるお子さんが暴力を振るってしまったときの対処法
ADHDを抱えるお子さんが暴力を振るってしまったときの対処法は、以下のとおりです。
- 周囲の方を避難させる
- あえて叩かれて「痛い」と伝える
- お子さんに共感の言葉をかける
具体的にどうすべきか詳しく説明していきます。
周囲の方を避難させる
まずは被害を拡大させないために、周囲の方を避難させましょう。
友達を叩いて大ケガさせてしまったら大変です。
周囲の方に「危ないので下がってください」と声をかけて、いったん避難してもらいましょう。
あえて叩かれて「痛い」と伝える
どうしても暴力がおさまらないときは、あえて叩かれると、そのうちやみます。
叩かれながら、叩かれたら痛いことを言葉で伝えましょう。
親御様の感情をきちんと伝えることで、お子さんも暴力はいけないことだと気付きます。
抱きしめられる大きさのお子さんなら、ギュッと抱きしめてあげるのもいいでしょう。
お子さんに共感の言葉をかける
暴力がおさまるまで、お子さんに共感の言葉をかけ続けてください。
このような場面では「暴力は許されない」という正論は通用しません。
「怒るのも無理ないよね」と、怒り狂うお子さんの気持ちを代弁する声かけをしましょう。
否定的な言葉を口にせず、ただ共感していれば、お子さんも少しずつ落ち着いていきます。
暴力を振るうADHDを抱えるお子さんへやってはいけない対処法
反対に、暴力を振るうADHDを抱えるお子さんへやってはいけない対処法は、次のとおりです。
- 繰り返し叱る
- お子さんではなく周囲を気にしすぎる
それぞれ解説します。
繰り返し叱る
繰り返し叱るのは最悪の対処法です。
1日も早く暴力をやめさせたい一心で、何度でもいい聞かせようと考える真面目なお母様が多いですが、実はそれが暴力をさらにエスカレートさせます。
繰り返し叱ることでお子さんの自己肯定感が低下し、自信を失った辛さで攻撃性が強まります。
ADHDを抱えるお子さんの暴力は注意して治るものではないと知り、褒める教育に切り替えましょう。
お子さんではなく周囲を気にしすぎる
お子さんではなく、周囲を気にしすぎた対応を続けるのも良くない行動です。
親御様に目を向けてもらえない悲しさから、暴力がエスカレートしていきます。
もちろん、暴力により怪我をさせてしまった人に謝る必要はありますが、過剰に周囲を気にし過ぎるのはお子さんのためになりません。
お子さんの悲しい気持ちを無視していては、いつまでも暴力行為がおさまらないでしょう。
ADHDを抱えるお子さんの暴力を予防するためにできること
ADHDを抱えるお子さんの暴力を予防するためにできることは、次の3つが考えられます。
- 暴力を振るってしまった理由を一緒に考える
- 褒めて自信をつける
- 親御様も感情的にならないよう努める
日頃からお子さんの暴力で困っている方は、以下の詳しい説明を参考にしてみてください。
暴力を振るってしまった理由を一緒に考える
お子さんが落ち着いてるときに、暴力を振るってしまった理由を一緒に考えましょう。
「どうしてそう思ったの?」と、お子さんの言葉が出てこなくなるまで深掘りします。
もう何も言葉が出てこなくなったら「じゃあこんなときはどうしたらいいと思う?」と考えさせていきます。
お子さんが何をいっても正論を振りかざして否定しないよう気をつけましょう。
否定の言葉を口にした瞬間、お子さんが怒り出すことがあります。
褒めて自信をつける
お子さんの暴力をやめさせるには、褒めて自信をつけさせるのが一番です。
お子さんの気持ちを安定させ自信を回復させることが、暴力行為をとめる近道です。
褒めるところが見当たらなくて困ってしまう場合は「ランドセル下ろせたね」と事実を言葉にするだけで構いません。
できたことに注目して褒め続けましょう。
親御様も感情的にならないよう努める
親御様が感情的にならないことも大切です。
暴力を振るって困らせることで親御様が対応してくれる事実が「ご褒美」になっている可能性があります。
努めて冷静にして取り合わないのが正解です。
お子さんが求めるような怒った顔、悲しそうな顔をしないように気をつけましょう。
ADHDを抱えるお子さんの暴力に関するまとめ
今回は、ADHDを抱えるお子さんが暴力を振るってしまう原因と対処法をお伝えしました。
暴力はお子さんからのSOSである可能性があります。
自分に自信が持てず悲しい気持ちを、暴力で表現しているのかもしれません。
自己肯定感が低くなりがちな、ADHDを抱えたお子さんに自信をつけさせたいなら、発達障害に詳しい家庭教師に勉強を教えてもらって成功体験を積むのもいいでしょう。
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