ADHDを抱えるお子さんの反抗期が心配?反抗挑戦性障害への対処法と見逃せないサイン
「ADHDならではの反抗期の行動は?」
「ADHDを抱える子の反抗態度がひどくて困っている」
「ADHDの子どもが反抗期をこじらせると二次障害に発展するって本当?」
このように悩んでいませんか。
ADHDを抱えるお子さんの反抗的な態度がエスカレートすると、反抗挑戦性障害に発展する可能性があります。
当記事では、反抗期によく見られるADHDを抱えるお子さんの行動から対処法、反抗挑戦性障害の診断・治療法まで詳しく解説します。
ADHDを抱えるお子さんの反抗期で困っている方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
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反抗期によく見られるADHDを抱えるお子さんの行動
反抗期によく見られるADHDを抱えるお子さんの行動を紹介します。
- 親御様や先生への強い反抗
- 友達と上手く付き合えずトラブルに発展する
- ルールに従えない
- やる気がなく投げやりな態度
- 薬の服用を嫌がる
それぞれ具体的に見ていきましょう。
親御様や先生への強い反抗
反抗期には親御様や先生への強い反抗が見られます。
ADHDを抱えていることにより、他人と比べてできないことが多い点が気になり、不安になってしまうためだと考えられます。
学校で良い人間関係を築けなくて、不登校や引きこもりになることも。
お子さん自身が一番苦しんでいることを理解して、適切な距離感で見守りましょう。
友達と上手く付き合えずトラブルに発展する
ADHDを抱えていると、友達と上手く付き合えずにトラブルに発展することもあります。
暗黙のルールや人との適切な距離感がわからないため、人間関係に苦手意識を持っているお子さんが多いです。
たとえば、友達から打ち明けられた秘密を他の人にいってはいけないことがわからず、悪意なく人に話して怒られることがあります。
ADHDの特性があると、反抗期に生きにくさを顕著に感じやすくなります。
ルールに従えない
ADHDを抱えるお子さんは、ルールに従えないことがあります。
発達障害の特性により、自分の気持ちがコントロールできなかったり、ルールの意味を理解するのが難しかったりするためです。
反抗的な気持ちも相まってルールを破ってしまうお子さんもいます。
「18時までに家に帰ろう」とルールを決めても、気分によっては19時に帰ってくることがあるでしょう。
ルールに従えないのも、ADHDを抱えるお子さんの反抗期にはよくあります。
やる気がなく投げやりな態度
ADHDを抱えるお子さんの反抗期の特徴として、やる気がなく投げやりな態度があげられます。
他人にはできるのに自分にはできないことがたくさんあると感じ、不安になったり憂鬱な気分になったりします。
できないことより、できることに目を向けさせると、徐々にやる気を見せるでしょう。
薬の服用を嫌がる
ADHDの薬を飲むことを嫌がるお子さんもいます。
発達障害があることを受け止めきれず、薬が障害の象徴のように思えてしまうためです。
お子さんが自己判断で薬の服用を止めたり量を変えたりしてしまう場合には、不安な気持ちに寄り添いながら上手にサポートしましょう。
反抗期のADHDを抱えるお子さんへの接し方
反抗期のADHDを抱えるお子さんに困っている方は、以下のような接し方を心がけてみてください。
- お子さんの考えを聞く姿勢を大切にする
- 「あなたが悪い」と決めつけるいい方をしない
- 必要以上に干渉しない
- 内面の変化に目を向けて具体的に褒める
- 社会や集団の暗黙のルールを詳しく教える
具体的にどうすればいいか、以下の項目で見ていきましょう。
お子さんの考えを聞く姿勢を大切にする
まずは、お子さんの考えを聞く姿勢を心がけましょう。
親御様の意見を押し付けられたと感じると、心を閉ざして何も話してくれなくなってしまう恐れがあります。
「その気持ちわかるよ」と共感する言葉をかけると、親御様は味方だと思って色々話してくれるようになるでしょう。
親御様の気持ちを理解してほしいと思うかもしれませんが、まずはお子さんの気持ちを優先しましょう。
「あなたが悪い」と決めつけるいい方をしない
「あなたが悪い」と決めつけるいい方をすると、信頼関係が崩れてお子さんが心を閉ざしてしまいます。
たとえばお子さんが友達とケンカしたときに、お子さんが悪いように見える状況だったとしても、いったん話を聞きましょう。
聞いた上でお子さんに悪いところがあるとわかったときは、一緒に友達の家まで謝りに行くなど、適切な対処法を教えます。
お子さんが悪いと決めつけて頭ごなしに叱ると、反抗的な態度が悪化するので気をつけましょう。
必要以上に干渉しない
反抗期のお子さんには必要以上に干渉しないことも大切です。
普段は干渉せず、必要なときにだけ相談に乗る態度を貫けば、お子さんの反抗心をあおらずに済みます。
お子さんが心配だからといって、失敗しないようアドバイスしすぎると、口うるさいと思われてしまう可能性があります。
お子さんが悩みながら成長していく様子を、少し離れた距離で優しく見守りましょう。
内面の変化に目を向けて具体的に褒める
お子さんに自信をつけさせたいなら、成果ではなく内面の変化に目を向けて具体的に褒めましょう。
内面を褒めることでお子さんが存在意義を感じられて、少し生きやすくなります。
たとえば「テストで100点取れてすごい」ではなく「皿洗いを積極的に手伝うようになったのは大きな進歩じゃない?」と褒めます。
お子さんが成長したと思うポイントをメモしておき、タイミングを見計らって上手に伝えましょう。
社会や集団の暗黙のルールを詳しく教える
社会や集団の暗黙のルールがわからず友達とトラブルを起こしがちなお子さんには、ルールをわかりやすく具体的に教えましょう。
暗黙のルールを知ることで、お子さんの行動が変わってきます。
たとえば「人の話を聞くときは、話している人を見て静かに聞こう」と伝えると、話を聞くときの態度が変わってきます。
発達障害の特性により暗黙のルールがわからないお子さんには、言葉でルールを教えましょう。
ADHDを抱えるお子さんの反抗的な態度は反抗挑戦性障害に発展する可能性もある
ADHDを抱えるお子さんの反抗的な態度は、エスカレートすると反抗挑戦性障害に発展する可能性があります。
反抗挑戦性障害とは、異常に怒りっぽかったり執念深かったりする症状が見られる、ADHDの二次障害として知られるものです。
ADHDを抱えるお子さんの反抗的な態度を、よくある反抗期だと思って放置すると、反抗挑戦性障害に発展して手がつけられなくなる恐れがあります。
反抗挑戦性障害になると、専門家の手を借りながら、時間をかけて改善するしかなくなります。
以下で具体的に反抗挑戦性障害の主な症状を見ていきましょう。
反抗挑戦性障害の主な症状
反抗挑戦性障害には、以下のような症状が見られます。
- すぐにイライラする
- かんしゃくを起こす
- 失敗を人のせいにする
- 大人が決めたルールに反抗する
- 執念深く悪意ある行動をする
1つずつ詳しく説明します。
すぐにイライラする
反抗挑戦性障害を抱えるお子さんは、すぐにイライラする特徴があります。
お子さん自身もどうしようもないイライラが感情を支配して止められないのです。
親御様も感情的になって怒ってしまうと、事態が悪化します。
いったんお子さんと離れて気持ちを落ち着けるなど、冷静な対応を心がけましょう。
かんしゃくを起こす
かんしゃくを起こしやすいのも反抗挑戦性障害を抱えるお子さんの特徴です。
イライラが爆発して、かんしゃくを起こして暴れることがあります。
暴れ出したらご両親で協力して止めることで、被害の拡大を防げます。
失敗を人のせいにする
反抗挑戦性障害を抱えるお子さんは、失敗を人のせいにする傾向があります。
失敗だけでなく、失礼な態度を取る原因まですべて人のせいにします。
「自分がイライラするのはお母さんのせいだ」というセリフを口にするのは、反抗挑戦性障害のせいだと考えて気にしすぎないようにしましょう。
大人が決めたルールに反抗する
大人が決めたルールに反抗することもよくあります。
ルールだけでなく、権威性のあるものに片っ端から反抗します。
反抗することで自分が正しいと主張し、気持ちを落ち着かせようとしているのです。
執念深く悪意のある行動をする
意地悪で執念深いのも反抗挑戦性障害の特徴です。
相手を傷つける目的で、平気で意地悪なことをします。
たとえば標的を定めて、相手が屈するまで執念深くクラスメイトをいじめるなどの行動が見られます。
いじめられている側のケアも必要ですが、いじめている側に障害があるケースも多いのです。
反抗挑戦性障害と普通の反抗期の違い
反抗挑戦性障害と普通の反抗期の違いは次のとおりです。
- 反抗期は健全な育成に必要なもの
- 反抗挑戦性障害は軽度な疾患
違いについて以下の項目で詳しく説明します。
反抗期は健全な育成に必要なもの
反抗期はお子さんの自立に必要な時期です。
親御様に反抗することで自分の価値観を明確にし、自分の手で人生を切り開く準備をします。
反抗期がないと、自分自身について深く考える機会を設けられず、自立できない大人になってしまう恐れがあります。
反抗期は健全な育成に必要なものと考え、多少の反抗は温かく見守りましょう。
反抗挑戦性障害は軽度な疾患
一方、反抗挑戦性障害は軽度な疾患です。
反抗期と違って「そのうち治るだろう」とのんびり見守っている場合ではありません。
あまりにも怒り方が激しかったり、口論が絶えなかったりする場合は、全国精神保健福祉センター・精神科・心療内科に相談しましょう。
反抗挑戦性障害の診断基準
反抗挑戦性障害だと診断される基準は以下のとおりです。
- 主な症状のうち4つ以上が見られる
- ほとんど毎日〜週1回の頻度で半年以上続く
診断基準を詳しく見ていきましょう。
主な症状のうち4つ以上が見られる
先ほど紹介した主な症状のうち、4つ以上の行動が見られると反抗挑戦性障害と診断されます。
- すぐにイライラする
- かんしゃくを起こす
- 失敗を人のせいにする
- 大人が決めたルールに反抗する
- 執念深く悪意ある行動をする
以上の行動がお子さんに当てはまるか確認してみましょう。
ほとんど毎日〜週1回の頻度で半年以上続く
反抗挑戦性障害の症状が、ほとんど毎日〜週1回という高頻度で半年以上続く、という基準もあります。
つまり、たまにしか症状が見られなかったり、1ヶ月間だけの短期間では、反抗挑戦性障害か判断できません。
ただの反抗期といわれる可能性が高いため、早い段階で障害だと決めつけないようにしましょう。
反抗挑戦性障害の治し方
反抗挑戦性障害の治し方は、以下の2パターンです。
- 薬で症状を抑える
- カウンセリングを受ける
それぞれ詳しく説明します。
薬で症状を抑える
反抗挑戦性障害を治す薬はまだありませんが、代わりに興奮や衝動性を抑える薬を使用することがあります。
たとえば、うつ病や不安症を治療する際の選択的セロトニン再取り込み阻害薬が治療に役立つといわれています。
反抗挑戦性障害の症状を薬で抑えながら、時間をかけて治していく方法です。
カウンセリングを受ける
カウンセリングを用いた心理療法も有効です。
反抗挑戦性障害の代表的な症状には、適切なしつけなどを行う精神療法が最も効果的であると考えられています。
具体的には、親御様が児童カウンセラー・精神療法士から行動管理法の指導を受け、お子さんへの接し方を学びます。
お子さんが望ましくない行動をしたときにあえて温かく見守るなど、反抗挑戦性障害ならではの接し方を実践することで、改善が期待できます。
ADHDの反抗期に関連してよくある質問
ADHDの反抗期に関連してよくある質問をまとめました。
- 反抗挑戦性障害はサイコパスに発展する?
- 反抗挑戦性障害は大人でもある?
- 母だけに暴力を振るうケースもある?
1つずつ回答していきます。
反抗挑戦性障害はサイコパスに発展する?
反抗挑戦性障害を放置すると、大人になってさらに重篤な障害である反社会性パーソナリティー障害を発症することがあります。
反社会性パーソナリティー障害は俗にいう「サイコパス」で、違法行為や危険行為を悪びれずに繰り返します。
そこまで悪化すると治療法がなく、対処できなくなってしまうため、反抗挑戦性障害の段階で適切な治療をおこなって改善を目指しましょう。
反抗挑戦性障害は大人でもある?
大人で反抗挑戦性障害の方はいません。
世界保健機関(WHO)の定義では、反抗挑戦性障害は10歳未満のお子さんに発症する軽度な素行症という位置付けです。
つまり、大人の障害は反抗挑戦性障害とは呼ばないのが一般的です。
素行障害や高度行動障害に移行したという扱いになり「反抗」という括りではなくなります。
母だけに暴力を振るうケースもある?
反抗挑戦性障害を抱えたお子さんが、お母様だけに暴力を振るうケースもあります。
お父様の前では素直ないい子でも、お母様の前でだけ反抗的な態度や乱暴な態度をとります。
このようなケースでは、お父様が事の重大さに気付けず、お母様が精神的に限界を迎えてしまいがちです。
ADHDを抱えているお子さんはお母様が感情的になると、さらに反抗したり無視したり、悪化していきます。
お子さんに反抗的な態度をとられても感情的にならず、冷静な態度を保ちましょう。
冷静な態度を続けていると、お子さんも反抗的な態度で接しても構ってもらえないことがわかり、次第に落ち着いてきます。
ADHDの反抗期は要注意
今回はADHDを抱えているお子さんの反抗期について詳しく解説しました。
ADHDを抱えるお子さんの反抗期が通常のお子さんと同じ程度であれば、温かく見守ることで解決します。
しかし、反抗挑戦性障害にまで発展すると、親御様の努力ではどうしようもない事態になってしまいます。
反抗的な態度を取られても冷静に対処し、反抗的な態度をとっても無駄だとわからせましょう。
ADHDを抱えるお子さんの反抗的な態度に困っていたり、学習の遅れが気になっていたりする方は、発達障害に理解のある家庭教師に頼ることも考えましょう。
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