数学の勉強ができないのは算数障害かも?サポート法を詳しく解説
「数がかぞえられない」
「簡単な計算を間違う」
「数字の順番を覚えられない」
こんなことでお悩みではありませんか?
学校に入る前なら「まだ小さいから…」で済んでいたことも、お子さんが授業を受けるようになると、「でも他の子はできるのに」と心配になってしまいますよね。
あまりにも数や数字に関して困難を抱えている場合、それは算数障害の可能性があります。
そこで今日は、算数障害について、原因や対処法を解説していきます。
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算数障害とは?
算数障害(数学的発達障害)とは、数学の概念の理解や数の処理などに困難を抱える状態を指します。一般的には、子どもが同じ学年の平均よりも、数学的なスキルで遅れている場合に診断されます。
算数障害は、純粋に数学において特定の困難に直面する障害で、他の障害や環境的な要因によるものではありません。
算数障害の特徴
ここで算数障害の特徴を分かりやすく紹介しておきます。お子さんの異変に初めに気づく際の参考にしてください。
基本的な計算が難しい
足し算、引き算、掛け算、割り算などの、基本的な計算が難しいことがあります。
数学的な概念の理解が難しい
抽象的な概念や数学的な規則、公式に対する理解が難しいことがあります。
計算ミスをする、逆算ができない
計算中にミスをしやすく、逆算が苦手なことがあります。
算数や数学の問題を解くとき不安な気持ちになる
数学の問題を解くとき不安を感じ、問題が解けないことがあります。
○算数や数学の問題解くのが困難な理由○
算数障害の子は、名称の通り、算数や数学の問題を解くことが困難です。その理由を紹介しておきます。
問題の理解が難しい
与えられた問題文や状況を理解するのが難しく、問題の本質を見抜くことができないことがあります。
問題の分解が難しい
複雑な問題を解く場合、小さく分解して考え、段階的に解いていく手順が必要ですが、問題を分割することができません。
問題を解くためのやり方が見つけにくい
問題を解く場合は、それにあった解き方や公式を思い出す必要がありますが、そういった適切なアプローチや解決策を見つけるのが難しく、効果的な手順を見つけられません。
論理的な思考が苦手
問題に対して論理的に考え、必要な情報を組み合わせ、正しい結論に導くのが難しいことがあります。
状況判断が難しい
複雑な状況において、適切な判断や決定を下すのが難しいことがあります。
これらの困難が算数障害や学習障害の一環として現れる場合、子どもは日常生活や学習においても、さまざまな困難に直面することがあります。
また算数障害は、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害と併発することがあります。
算数障害の原因
算数障害は治るものではないので、原因を深く追求する必要はありませんが、ざっとした知識だけでも頭に入れておくと、サポートの工夫を考える際の手助けになりますので、以下に紹介しておきます。
神経発達の異常
計算障害の原因は、脳の発達に関する異常とされています。 特に、数学的機能を担当する脳の領域に影響が及んでいる可能性があります。
遺伝
算数障害は遺伝的にも関与していると考えられています。親や兄弟が同様の問題を抱えていると、子どもは算数障害を発症しやすいです。
算数や数学に対する嫌悪感で計算障害が発症することも
算数障害の子は、十分なサポートや理解がないまま成長してしまうと、数学に対する不安や嫌悪感が強くなり、計算障害が発症することがあります。
その為、これ以上お子さんを不安な気持ちにさせないよう、お子さんの特性にあったサポートが重要になります。
算数障害は別名・ディスカリキュリア
ディスカリキュリアは数学の学習障害を指す言葉の一つで、特に算数障害を指す場合に使われることがあります。
算数障害の別の呼ばれ方
算数障害はいろいろな名称で呼ばれることがあります。以下に紹介しておきますので、参考にしてください。
数学的発達障害
「数学的発達障害」は、数学に関する発達が他の発達領域に比べて遅れが見られる状態を指します。知的な能力は他の領域と同様であるにもかかわらず、数学の学習において特に苦労する状態を指します。
一般的な発達障害と比べると、数学的なスキルや理解度が同年齢や学年の平均よりも低いことが特徴的です。
数学的学習障害
数学の学習に関する障害を総称する表現です。数障害もこれに含まれます。
算数障害の子の日常生活の中での困りごと
算数障害を持つ子どもは、日常生活や学習において、さまざまな困難に直面することがあります。たとえば、数学の授業や宿題をやるたびに挫折感や不安感を味わい、他の子ども比較し、自己評価を下げてしまいます。
その他にも、代表的な困りごとを紹介しておきますので、お子さんのサポートの参考にしてください。
授業が理解できない
算数の授業で新しい概念や計算方法を教えてもらっても、算数障害の子どもは授業中に理解することができないので、授業に遅れてしまいます。
宿題がやりきれない
宿題は、授業で学んだ内容を復習しておくために出されるのですが、算数障害の子どもは授業時間内に理解できていないので、時間がかかってしまいます。
テストや試験のたびに絶望感を味わう
数学のテストや試験は、算数障害の子どもとっては大きなストレスです。時間内に問題を解くこと、正確に計算することができず、結果的にも低い点数が出されるので、テストのたびに絶望感を味わうことになります。
数学的な問題に対し反抗心を持つようになる
算数が苦手な子どもは、数学的な問題に対して反抗心が生まれてしまいます。これが将来的には数学への関心や回避行動につながり、ますます数学に関して理解が進まなくなってしまいます。
「どうせ自分にはできない」と自己評価を下げる
算数が得意なクラスメートと比較されるので、自分に対して劣等感を抱きます。
このように、算数障害は算数や数学の学習だけでなく、日常生活にも影響を及ぼします。常に違和感があり、「みんなと同じにやれない自分はダメだ」「ここには自分のいる場所がない」など、孤独感を抱えている子が多いと言えます。
算数障害と判断する基準って?
算数障害を正確に判断するためには、特定の基準が存在します。どのような基準が存在するのか、そのポイントを明確に解説します。
数学だけ、他の領域よりも遅れている
算数障害を判断するためには、数学的なスキルや理解度が他の発達領域よりも遅れていることを確認する必要があります。学年や年齢に基づいた期待値と比較し、その結果から判断されます。
計算や数学的な概念の理解が難しい状態が長く続く
算数障害は、特定の計算や数学的な概念が理解できない状態を指します。この困難が持続的であることが、診断の基準の一つです。
数学の問題を前にすると不安を感じる
算数障害を抱える子どもは、数学の問題を解答する場合も、不安や困難を経験します。問題が理解できない、計算を間違う、論理的な手順の把握が難しい等の困難があるので、問題を前にすると不安な気持ちになります。
他の発達障害との併発
算数障害は、他の発達障害や学習障害と併発することがあります。総合的な評価から、算数障害が単体なのかどうか、他の障害を併発していないか確認する必要があります。
数学的な困難の影響が日常生活に通じる
算数障害は日常生活にも影響を及ぼします。学校だけではなく、家庭や社会の中でも、生活の中に必要な足し算引き算がわからないからです。
このように、日常生活の中にも困難が確認されることが診断の基準となります。
これらの基準をもとに、医師や専門の教育者が適切な評価を行い、子どもが本当に算数障害なのかを判断します。
ご家庭では、専門家に見せる前の基準となりますので、頭にざっと入れておいてください。
算数障害の子にはどんなサポートをしたらいいの?
算数障害を子どもには、その子に合ったサポートや支援が必要になります。
具体的なサポート方法ややり方は、専門家や学校と連携し、お子さんに実践的なアドバイスができるようにしましょう。
ここでは、ご家庭でもできる、具体的で効果的なサポートのポイントを紹介していきます。
サポートは必ず個別に行う
個別の指導を行うことによって、子どもの進度や理解度に合わせて学習を進められるようにします。
補助教材をどんどん見つける
数学的な概念や考え方を視覚的に理解できる教材やアプリを発見していきましょう!お子さんの好みにあったやり方で学べるアプリがきっと見つかります。
何度も同じような問題を解く
子どもが苦手とする具体的な問題や公式を使う問題は、繰り返し練習し、やり方を暗記してしまいましょう。一度、身体が覚えてしまえば、あとは忘れません。
1+1は2であることを実感する
数学的な概念は現実の状況に多く存在します。りんごが2つあったら、1+1を実感させてあげるようにしましょう。
できたら褒める。やる気だけでも褒める
成功体験を積ませてあげましょう。正しい回答や取り組み、お子さんのやる気に対して、どんな些細なことでも褒めてあげるようにしましょう。自己肯定感が低いままでは、算数もできるようになりません。
目で見てわかるものを用意する
チャートや図を使って、数学的な概念を視覚化してあげましょう。
計算機などのツールを用意する
計算をサポートするため、計算機などを使わせてあげましょう。まずは算数への嫌悪感を消してあげることを優先するべきです。
家族みんなで問題に取り組む
算数や数学の問題を解くことは、一種のゲームのようなものなので、家族みんなでワイワイ言い合いながら解きましょう。「考えるって面白いな」という経験を増やしてあげれば、算数に取り組むのが楽しみになります。
これらのサポートを組み合わせ、算数障害の子どもでも、楽しみながら算数の問題を解けるようにしてあげましょう。
算数障害の子には、算数嫌いにならない家庭環境が必要です!
このブログでは、算数障害に焦点をあて、その定義から日常の困りごと、診断の基準、効果的なサポート法について紹介してきました。
算数障害とは、数学の理解や数の処理に困難を感じる状態です。注意して欲しいのが、単純な「苦手意識」ではないことで、ここを理解していないと、子どもに算数の問題などを強要するようになってしまいます。
算数障害の子どもは、授業が分からず、宿題も時間が掛かってしまうので、算数に対して嫌悪感を抱いてしまう場合があります。また、テストや試験に対する不安から、計算障害を併発してしまう場合もあります。
算数障害と判断される基準は、計算や数学的な概念の理解が困難で持続的なこと、数学的な問題解決において強い不安感が見られること、他の発達障害との併発がある場合などが基準となります。
算数障害の子にサポートする場合は、必ず個別指導で行い、その子にあった補助教材を見つけてあげましょう。苦手な問題は繰り返し解くことで、解き方を覚えることができるようになります。また、算数や数学について、回答したこと、やる気があることなど、どんな些細なことでも必ず褒めてあげると、自己肯定感をアップすることができます。
どんな発達障害にも、どんな子どもにも言えることですが、苦手なこと、できないことに取り組む場合は、安心してリラックスできる環境で行えば、子どもは驚くほど高い能力を発揮することができるようになります。
親御さんは決して焦らず、家族みんなでワイワイ言いながら算数の問題を解けるような環境を作ってあげてください。