学習障害の子でも数学の文章問題を簡単に解けるようになるには?
「数学は好きだけど文章問題が…」
「計算だけならいいのになぁ」
「問題の意味がわからない」
こんなことでお悩みではありませんか?
発達障害の子に限らず、数学の文章問題には多くの子が「問題が理解できないよ」とてこずっていますよね。
大抵の子は、問題を解き慣れてくると文章問題も解けるようになるのですが、学習障害の子は慣れたからと言っても、文章の意味を簡単に理解することは困難です。
なぜなら、学習障害は慣れたからといって改善されるものではないからです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
そこで今日は、学習障害の子でも数学の文章問題を簡単に解けるようになる方法を紹介していきます。
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学習障害とはどんなもの?
数学や他の科目の勉強のやり方を知るためには、まずは学習障害がどのようなものなのか理解する必要があります。この項目では学習障害とは何か、学習障害を抱えた子にはどんな困りごとがあるのか、紹介していきます。
学習障害の概要
学習障害は、脳の発達に影響を及ぼす状態で、読み書きや計算などの学習プロセスにおいて特定の困難を抱えることがあります。
これは、学習障害の子の脳は、情報を処理する方法が他の子と違った働き方をする為に起こってしまうことなので、障害と捉えるより、他の子どもとは違った学習スタイルを持っていると考えると分かりやすいと思います。
学習障害の子どもの困りごと
読み書きや計算の困難
学習障害のある子どもは、文字を認識すること、順序を理解すること、数の計算などが難しい場合があります。このような状態は、特に言語や数学の理解において発生しやすいのですが、子ども一人ひとりの症状は多岐にわたるので、「〇〇である」と言い切ることは難しいです。
その他の困りごと
学習障害を抱える子どもは、読み書きや計算において特有の困難を経験しますが、それに加え、他にも様々な困りごとが現れることがあります。以下に、これらの具体的な困りごとについて詳しく説明します。
1. 言葉の意味が理解できない
学習障害のある子どもは、言語理解の障害を抱えることがあります。これは、言葉の意味や文章の構造を理解するのが難しいために起こります。文章問題においては、どの科目でも問題文から必要な情報を抽出することが難しくなってしまいます。
2. 数学的概念が理解できない
学習障害があると、数学の概念や抽象的な現象の理解が難しい場合があります。例えば、時計の針の動きや数学的なパターンに、なかなか気づくことができません。このような状態にあるので、文章問題では、数学的な概念を、問題を解くために当てはめることが難しくなります。
3. 記憶できない
学習障害を抱える子どもの中には、情報を長期的に記憶することが難しい場合があります。これが影響すると、授業で学んだ内容を文章問題に適用することが難しくなります。
また計算する場合も、繰り上がり繰り下がりなどを短期記憶としてとどめておくことができません。
4. 集中力が維持できない
学習障害の子どもは、注意力や集中力を維持することが難しい場合があります。そのため、長い文章に取り組むことや、複雑な計算に集中することが苦手になってしまいます。また、このことはテストで解答する場、大きく影響します。
5. 手書きが難しい
学習障害の子どもの中には、手書きで文字や数字を書くことが苦手な場合があります。文字を上手に書けず、筆記速度も遅いので、制限時間内に文章問題に対応するのが難しくなってしまいます。
学習障害を抱える子どもが勉強にスムーズに取り組むには、このような困難を理解し、その子の個性にあったアプローチ法を随時工夫していくことが大切です。
理解の仕方や情報を処理する方法が違うことを受け入れる
学習障害を抱える子が少しでも楽しく勉強に取り組めるようになる方法を考えるとき、学習障害の子どもは異なる方法で情報を処理する傾向があることを念頭におく必要があります。
また、あくまでも異なる方法で情報を処理するのであって、学習障害を抱える子どもが他の子どもたちよりも劣っていると判断してしまってはいけません。
学習障害の子の個性も様々で、視覚的な情報を理解するのが得意な子、聴覚的な手がかりを重視する子、実際に物を手で操作しながら学ぶ子など、いろいろな方法で学ぶことが可能です。
周囲の大人たちは、学校で習っている方法とは、異なる学習スタイルがあることを理解してください。
学習障害は継続的に支援することが重要
学習障害は一生涯にわたるものなので、長期的な支援が必要になります。とは言え、適切な支援さえあれば、学習障害の子でも充実した学びを得、成功を収めることができます。彼らが自信を持ち、ポテンシャルを最大限に発揮できるようにするには、個々の違いを理解することが何より重要になります。
みんなと同じやり方を強要しない
学習障害を抱える子どもに対して、他の子どもたちと同じやり方で問題を解けと強要するのはいけません。
発達障害の子に限らず、子どもの個々の個性を尊重することは、何より重要なことです。
むしろ、違いを受け入れ、それに対して柔軟で支持的なアプローチを取ることが、彼らが最大限のポテンシャルを発揮できるようにする為の、重要な一歩となります。
学習障害の子の3つの学習スタイル
学習スタイルとは、個々の子どもが情報を理解し、処理し、学ぶための傾向や好みを指します。子どもの学習スタイルを理解できるようになると、子どもに合った勉強のやり方を見つける場合に、効果的な方法を見つけることが可能になります。
以下に、3つの学習スタイルとサポート方法を紹介しておきます。
1. 視覚的な学習スタイル
視覚的な学習スタイルを持つ子どもは、図やグラフ、カラーコーディネートされた情報を理解しやすいと感じる傾向があります。そのような子どもには、教科書のイラストや教室での実物のデモンストレーションが効果的に学習できる方法です。
例えば、数学の文章問題に取り組む場合には、図やグラフを活用し、視覚的な手がかりやヒントをつかませるようにしましょう。
2. 聴覚的な学習スタイル
聴覚的な学習スタイルを持つ子どもは、音声情報が理解しやすいと感じています。そのような子どもには、教師の説明やオーディオ教材が効果的です。
数学の文章問題であれば、問題文を音声で聞けるようにする、口頭で問題を解説する方法などが役立ちます。
3. 体験的な学習スタイル
体験的な学習スタイルを持つ子どもは、物事を手で触れながら学ぶことが好きです。具体的な実物や模型を使用し、実際に問題を解く体験を通じて理解を深めていきます。
数学の文章問題に取り組む場合には、具体的なモデルや実物を用いて問題を説明し、実際に手を動かして解法を理解させると良いでしょう。
4. 反復的な学習スタイル
反復的な学習スタイルを持つ子どもは、同じ情報を繰り返し学ぶことで理解が深まります。そのような子どもには、繰り返し練習や復習が効果的です。
数学の文章問題に対しては、同じタイプの問題を何回も解くと、ある日、スラスラッと解けるようになります。
発達障害や学習障害の子に限らず、子どもには個性があるので、みんなと同じにやれないのは当然のことです。それを「みんなと同じにしなさい」と強要するから、障害などというレッテルで子どもを分けることになってしまうのです。
何が得意で何が苦手か見極め、子どもが安心して能力を発揮できるようにすることが、大人の仕事と言えるでしょう。
学習障害を抱える子どもの勉強がはかどる3つの方法
この項目では、学習障害を抱える子どもが数学の文章問題に取り組む際に役立つ具体的なやり方やアプローチを紹介していきます。親御さんは子どもをサポートするとき、これらの方法を参考にて個々の個性に合わせて調整していきましょう。
1. 問題を分割して解決する方法
数学の文章問題はしばしば複雑で、一度に全体を理解することが難しいことがあります。ですが、問題を小さな部分に分割して、段階的に解決していくと、あっけなく解けてしまうことも多いです。具体的な手順を踏んでいくと、子どもが段階的に問題の構造を理解しやすくなります。
例えば、長文の問題では段落ごとに情報を整理してみる、質問ごとにアプローチを考えてみるなどの方法を試してみましょう。また、数学的な操作が複雑な場合は、各ステップを細かく分解して理解していくと良いでしょう。
2. 視覚的な手がかりを活用する方法
視覚的な手がかりは、数学の理解を助けるために有益です。図やグラフを駆使して問題を視覚的に表現することで、子どもたちが情報を理解しやすくなります。特に、図を描いて問題の概要を可視化すると、問題の本質をつかむのに役立ちます。
例えば、比率や割合の問題であれば、バーを使って量を比較すると、概念を視覚的に理解させることができます。
3. 口頭で問題を説明する方法
口頭で問題を説明することは、理解度を確認するだけでなく、問題の本質を言葉にすることで解決に向けた方針を見つける助けになります。子どもたちに問題を自分の言葉で説明させ、どの部分が難しいかを尋ねることが大切です。
親御さんは子どもに積極的に質問を投げかけ、彼らが自分の考えを整理し、理解を深められるようにサポートすると良いです。
数学の文章問題に取り組む上では、このようなやり方を取り入れつつ、親御さんとお子さんが一緒に考えながら問題に取り組んでいきましょう。そうすれば、学ぶことの楽しさや理解度を向上させることができるようになります。
学習障害の子の学習がはかどる数学のアプリやオンラインツール
昨今ではIT技術の革新によって、数学の学習に役立つアプリやオンラインツールが沢山あります。学習障害を抱える子どもにとっては、視覚からヒントをもらいつつ、対話もできるアプリは非常に魅力的です。
そこで、数学のアプリやオンラインツールを活用する方法をいくつか紹介していきます。
1. Photomath
Photomathは、カメラを使って数学の問題を撮影すると、ステップバイステップで解法を提供してくれるアプリです。視覚的な手がかりが問題を解く手助けとなります。また学習障害を抱える子どもたちが自分のペースで学ぶのに役立ちます。
2. GeoGebra
GeoGebraは数学の幅広い分野にわたる対話的な教育ツールで、グラフ描画や幾何学的な概念を理解するのに適しています。子どもは直感で数学的なアイディアをひらめかせ、視覚的に表現することができます。
3. Khan Academy
Khan Academyは無料のオンライン学習プラットフォームで、数学やその他の科目にわたる動画講義や対話のできる問題を提供しています。進捗を追跡でき、自分のペースで学ぶことができます。
4. DragonBox
DragonBoxはゲームを取り入れた学習アプリで、数学の基本的な概念を、ゲーム感覚で楽しく学ぶことができます。視覚的で直感的な操作は、学習障害を抱える子どもたちに適しています。
5. Prodigy
Prodigyは数学のゲームベースの学習プラットフォームで、カリキュラムに基づいた問題を提供し、子どもたちが楽しみながら数学を学ぶことができます。学習進捗もトラッキングされます。
これらのアプリやオンラインツールは、数学の学習をより視覚的で対話的にし、学習障害を抱える子どもたちにとって、問題や解答にアクセスしやすくする手段となります。親御さんはこれらのツールを導入し、子どもと一緒に楽しみながら使ってみましょう。そうすることで数学への興味を高め、学習の楽しさを促進することが可能になります。
学習障害の子が安心して能力を発揮できるようにしてあげよう!
学習障害は個々の違いであり、それを受け入れることが重要です。子どもが困難なことやできない部分を理解し、共感することで、彼らの学びに対する自信とモチベーションを高めることができます。
勉強に取り組みやすいやり方は、子どもの個性によって変わりますが、主に3つの方法が考えられます。
視覚的な学習、聴覚的な学習、体験的な学習など、それぞれのスタイルに合わせてサポートしてあげるようにしましょう。
問題を分割する、視覚的な手がかりを活用するなど、具体的な戦略を取り入れていくと、子どもが数学の文章問題に取り組む際、より早くわかりやすく勉強することができるようになります。
また、昨今ではIT技術の革新によって、学習障害の子にも使いやすい数学のアプリやオンラインツールなどが豊富にあります。
視覚的なアプリや対話型のアプリで勉強しやすい環境を作ってあげると、子どももゲーム感覚で勉強することができるようになります。
また、このようなツールを活用することで、学習のハードルを下げることができます。
発達障害に限らず、子どもは一人ひとりが特別な存在なので、学ぶ方法も違ってきます。学習障害があると数学の文章問題に取り組むのは難しいかもしれませんが、その過程で自分の強みを見つけ、成長していくことができるようになります。
子どもが一番能力を発揮できるのは、「困ったことがあってもサポートしてもらえるから大丈夫」と、心から安心できる環境があることです。親御さんは常にお子さんの味方になり、よりリラックスできる環境を作ってあげられるよう心がけてください。