ADHDの子に掃除のやり方を教え、片づけの習慣を身につけさせる方法
「ADHDって掃除ができないの?」
「部屋がいつもすごい状態…」
「ADHDでも掃除できるようになる方法は?」
こんなことでお悩みではありませんか?
ADHDのお子さんには衝動性があり、さらにマルチタスクが苦手という特性があります。
だから「掃除できなくても当たり前」と感じている親御さんは多いのではないでしょうか?
でもお子さんも、いずれはひとり暮らしをすることもあるでしょうし、大人になって職場の掃除もできないのでは、社会人として通用しなくなってしまいます。
そこで今日は、ADHDのお子さんが掃除が苦手な理由をお伝えしながら、掃除ができるようになる方法をお伝えします。
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ADHDの子が掃除が苦手な理由
ADHDの子が掃除が苦手な理由は、次の通りです。
● マルチタスクが苦手だから
● 衝動性が強く散らかってしまうことが多いから
● 掃除に集中できないから
● 興味が他にソレてしまって忘れるから
それぞれ解説していきます。
掃除が苦手な理由①マルチタスクが苦手だから
ADHDのお子さんは記憶力と、中でも短期記憶(ワーキングメモリー)に苦手を抱えており、一度に複数のタスク処理することが難しく感じてしまいます。
マルチタスクが苦手となると、掃除はマルチタスクの典型で苦手になってしまうのも仕方がないことと言えます。
たとえば、掃除は次のようなことを行います。
● 掃除機がけ
● 片付け
● 床拭き
● 窓拭き
などなど、これらの指示を一度に行ってしまうと、タスクを処理しきれなくなってしまうのです。
ですからADHDの子は、そもそも掃除が苦手であるという認識を持って接してあげることが大切です。
掃除が苦手な理由②衝動性が強く散らかってしまうことが多い
マルチタスクが苦手なので掃除ができないのであれば、そもそも部屋を綺麗に使えばいいのではないかと思うお母さんは多いです。
しかし、ADHDのお子さんは強い衝動性も特性に持っているので、何かをやりたいと思ったら片付けをせず、すぐに次の行動に移ってしまいがちです。
そのため、部屋はぐちゃぐちゃになってしまうことがほとんど…。
とはいえ、この点に関しては物を出したら片付けるという習慣づけを行えば、自然と解消されていきます。
ASDのお子さんは逆に溜め込み症が多い
発達障害の中でもASDのお子さんは、逆に溜め込み症が多いのはご存知でしょうか?
ASDのお子さんはこだわりが強いという特性を持っているので、気に入ったものであれば不要であってもなかなか捨てられません。
そのため一箇所に固めて置いてしまい、いつのまにか山と化していることも多いです。
とはいえ、この溜め込み症もADHDのお子さんと同様に、要らないものは捨てるといった習慣づけを行えば自然と解消されていきます。
掃除が苦手な理由③掃除に集中できない
先ほど衝動性の話をしましたが、この特性は掃除に集中できないといったことも引き起こします。
一部屋の掃除といってもやるべきことはたくさんあり、掃除機がけや片付けといった楽しくないことを長時間行わなければなりません。
そのため、集中力がいつも以上になくなってしまい、遊びたいといった強い気持ちが出てきてしまいます。
それを防ぐには、掃除の時間を細かく区切ってあげることです。
そうすれば、集中力を削ぐようなことはありません。
掃除が苦手な理由④興味が他にソレてしまって忘れる
掃除に集中できない理由には、部屋の掃除をしているとゲームやマンガといった楽しいものが身近に置いてあることもあげられます。
掃除から興味が他にソレてしまうと、ADHDの子は興味を持ったことに集中してしまいます。
その結果、掃除を忘れてしまうのです。
ですから、先ほどもお伝えしたように短く時間を区切り、まずは一つの作業を終わらせることに集中させましょう。
ADHDのお子さんが簡単に掃除できるようになる方法
ここまでADHDのお子さんがなぜ掃除が苦手なのかについて解説してきましたが、次に簡単に掃除ができる方法を紹介します。
具体的な方法をお伝えすると、次の通りです。
● 使用したものは元の場所に戻す習慣をつける
● ゴミをすぐにゴミ箱に捨てる習慣をつける
● ルールを目に見えるところに書く
● 具体的な行動を根気強く教える
● 時間を短く区切って行動を指示する
● 一度にたくさん教えない
それぞれ解説していきます。
使用したものは元の場所に戻す習慣をつける
ADHDのお子さんが簡単に掃除できるようになる方法の一つ目は、使用したものを元に戻す習慣をつけることです。
ADHDの特性があるため、掃除が完全に一人でできるまでには時間がかかります。
一方で、使用したものは元の場所に戻す習慣をつけるようにすると、掃除を教えるほどの労力はかかりません。
これは何度も根気強く伝えれば、誰でもできるようになるのでおすすめです。
ゴミをすぐにゴミ箱に捨てる習慣をつける
先ほどの方法と似ていますが、ゴミをすぐにゴミ箱に捨てる習慣をつけさせるのもおすすめの方法です。
ゴミというとたくさんの定義がありますが、まずは自分が必要としないものを全て捨てさせるようにします。
たとえば次のようなものが当てはまるでしょう。
● 紙くず
● 消しカス
● 包み紙
これらの他にも、お子さんに必要ではないものをルール化しておくといいでしょう。
ルールを目に見えるところに書く
先ほどルールの話をしましたが、親子間で決めたルールは、見えるところに貼っておきましょう。
というのも、ルールは一般のお子さんであっても、家庭内で良く破られるものになるからです。
そのため目に見える位置にわかりやすく貼っておき、先ほどあげた習慣化の項目や捨てるゴミの種類なども明確に書いておきましょう。
長文ではなく、短文でわかりやすく書くのがポイントです。
具体的な行動を根気強く教える
ここまでの行動ができていると、部屋が常に掃除しなければならないほど、汚くなることはありません。
でも1~2週間に1回、もしくは月に1回程度は掃除をする必要がありますよね。
そこでお子さんの掃除スキルを徐々に育てていくためには、まず具体的な行動を指示するところからスタートしていきましょう。
たとえば、次のような言葉はADHDを抱えるお子さんにはわかりづらい指示になります。
「部屋を掃除しておいてね」
このようにいうと、お子さんは何をしていいかサッパリ分かりません。
そのため、次のように表現を言い換えてみるといいでしょう。
「おもちゃをこの箱に入れてね」
このように表現すると、次にどんな行動をすればいいかが分かるので動けます。
「掃除」といった全体的な行動を指示するのではなく、行動目標を分解して根気強く伝えていきましょう。
時間を短く切って行動を指示する
とはいえ、おもちゃの片付けだけに15分も使ってしまうと、お子さんの集中力は切れてしまいます。
そのため、なるべく時間を短く区切って行動を指示してあげましょう。
たとえば、「おもちゃの片付けを5分だけやろうか」と伝えたあとに、「次は窓拭きを5分してみようか」と伝えてあげると、飽きずに掃除ができるようになっていきます。
一度にたくさん教えない
ここまでいくつかのポイントをお伝えしてきましたが、親御さんに覚えて欲しいのは、必ず小分けしてお子さんを指導することです。
というのも、一度に教えようとしても、お子さんは全部できず、また焦ったところでできるようになる訳ではないからです。
とくにADHDのお子さんはワーキングメモリーを使うのが苦手なので、一度の指示ではパンクしてしまいます。
ですから、一度に大量に教えず、小分けして指導をしてあげましょう。
ADHDのお子さんに掃除をさせるコツ
ADHDのお子さんに掃除をさせる方法をここまで紹介しましたが、最後の項目ではお子さんに掃除させるコツをお伝えしていきます。
● 必ずそのときやるべきことを伝える
● 掃除しなさいといった抽象的な言葉を使わない
● やるべきことを明確にメモを取らせる
それぞれ解説していきます。
必ずそのときやるべきことを伝える
ADHDのお子さんに掃除をさせるコツの一つ目は、必ずそのときやるべきことを伝えることです。
先ほどもお伝えしましたが、ADHDを抱えているお子さんには、指示を行動基準で伝えてあげる必要があります。
そのため次に解説するように、抽象的な言葉を使わないようにしましょう。
掃除しなさいといった抽象的な言葉を使わない
ADHDのお子さんだけでなく、まだまだ自分で考えられないお子さんも含めて「掃除しなさい」といった抽象的な言葉は、混乱させる原因になります。
そのため何度も言いますが、行動を小分けして伝えてあげる必要があります。
もし何度も言い聞かせる時間がないのであれば、紙に書いたメモを渡し、行動の順番を書いておくといいでしょう。
やるべきことを明確にメモを取らせる
最後にADHDを抱えるお子さんが自ら掃除ができるようにするためには、メモを取ってやるべきことを覚えていくのが大事です。
そのため、メモを取らせる習慣もつけさせましょう。
とくに指示された行動が覚えきれない場合は、時間を使っても大丈夫なので、明確に文字にして記述させるのがコツです。
ADHDの子どもは掃除が苦手だけど、できないわけじゃない!何度も教えて習慣にしてしまおう
ADHDを抱えるお子さんは、掃除が確かに苦手です。
でも親御さんのちょっとした工夫で、少しずつ掃除をしてくれるようになります。
そのためには繰り返しになりますが、次の項目を意識してください。
● 必ずそのときやるべきことを伝える
● 掃除しなさいといった抽象的な言葉を使わない
● やるべきことを明確にメモを取らせる
これらの意識を持ち、根気強くお子さんと向き合っていけば、お子さんも「何とかやってみよう!」という気持ちになってくれます。
でも焦りは禁物です。
ADHDに限らず、子どもに教えるのは根気がいるもの。
何度も繰り返し習慣になってしまうまで決して怒らず、お子さんの成長を見守ってあげましょう。
親御さんがカリカリしていたら、お子さんだって掃除する気になれないことも忘れないでください。
私たちのサイトでは、この他にも様々なお子さんの学習や学校生活に役立つ情報を取り扱っているので、興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。